魔法武士・種子島時堯

克全

第15話家臣団再編

1535年1月『大隅・富田城』種子島犬楠丸・7歳

「若君、周辺の国衆が不穏な動きをしております」

「さすがにやり過ぎたか?」

「これほど短期間に大隅1国を切り従えましたから、周辺の国衆も危機感を持ってしまったようです」

根来衆などを再編成して種子島忍軍を設立したが、その棟梁には福丸朱雀を抜擢した。さっそく朱雀が活躍してくれたようで、色々と重要な情報を集めて来てくれた。

「俺は国分清水城に本拠を移し、どこから敵が攻め込んで来ても援軍に行けるようにする」

「若殿の神業ならどこにでも援軍に駆けつけて下さるでしょうが、国境線の城砦に援軍を送らなくてよいのでしょうか?」

「そうだな、開墾の進み具合と訓練の状態を考えて、百人隊ごとに援軍を送ってくれ」

「承りました」

俺は家臣団の再編成に当たり、足軽・武士としての個人的な武力と指揮官としての能力、さらには言葉が通じる者同士であることを考えた。まずは5兵を最小単位として長の伍長、次に20兵の単位として長の廿長、100兵の長は百長とした。

他の大名や国衆は、組頭や番頭・物頭といった分け方をしているが、戦力を正確に知る為には数で分けた方が理解しやすい。だから次の単位も二百長・三百長・五百長・千長など、相手に応じて指揮官となる武将を任命したり、先に百長となっている者の指揮下に他の百長を配属する形にした。

同時に配下の信頼度に応じて銘々基準を設けた。今までは旗本・近習・小姓だとか一門衆といった分け方だったが、これからは親衛隊・近衛隊・衛士隊・武士隊・足軽隊・奴隷隊として家格を基準とした。

同時に戦闘力や戦闘特性を基準に、足軽や奴隷で編成された鉄砲隊・弓隊・投槍隊・投石隊・長槍隊や武士で編成された徒隊・騎馬隊に加えて、弩隊・看護隊・戦闘工兵隊・輸送隊を設立した。

親衛隊:若殿が特に信用している者たち・若殿の側近くに仕える。
近衛隊:若殿の本陣や本城を護る
衛士隊:若殿が重要と考える城や戦線に投入される
武士隊:最近若殿の家臣となった者
足軽隊:平民以上の雑兵で編成された部隊
奴隷隊:種子島家が購入した奴隷で編成された部隊

現在は親衛・近衛・衛士ともに部隊編成出来るほどの人数がいない為、指揮官や幹部だけが名誉として任命されている。

鉄砲隊:16匁・肩付け・背負い革紐付き・銃剣付き火縄銃を装備・射程200m
弓隊:複合材を使った遠距離攻撃用の合成長弓を装備・射程500m
弩隊:横倒しにした弓に弦を張り、木製の台座の上に矢を置き引き金を引き矢を射る
誰が用いても威力が変わらず短時間の訓練で一定の命中精度が得られる
投槍隊:補助具を使い槍先15cm・柄1mの槍を投げる。射程130m
投石隊:投石器を補助に使う。射程400m
長槍隊:5.34mの柄に45cmの槍先の付いた槍
徒隊:徒侍が得意の武器を装備
騎馬隊:臆病な馬を鉄砲の試射訓練に立ち合わせてから配備
戦闘工兵:武器と兼用のスコップやシャベルを装備
看護隊:刀とアルコール・油薬・漢方薬を装備
輸送隊:駄載獣に馬・牛・山羊をつれ、道が整備されたところは荷車を引かせる

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