没落貴族バルドの武闘録
第36話収入優先
「盾班は竹盾を上手く活用するんだ。
槍隊は槍衾の間にはいられないように、密集体形を維持しろ。
弓隊は大羊が傷つく事を恐れず、全力で射かけろ。
今はまだ多少の傷があっても高値で買ってもらえる。
無傷の毛皮は、身体強化できてから狙えばいい」
「「「「「おう!」」」」」
今回大羊を狩る騎士隊は、収入を優先する者達で編制した騎士隊です。
大金が得られる大羊の毛皮に拘るかと思いましたが、存外素直に方針に従ってくれましたが、もしかしたら武具防具を壊された時の費用を計算したのかもしれません。
それくらいの損得計算はできる者達が集まっています。
ダンジョン探索を成功させ、皇国の財政と家臣達の生活を豊かにするためには、ただ勝てばいい狩ればいいという単純な事ではすまないのです。
私達が大羊に挑みだして二カ月以上、ダンジョン探索を初めて四カ月近くの間、先に進むことを止め、じっくりと腰を据えて狩りを続けました。
怪我人がでるのは仕方ありませんが、独りの死者も出したくなかったのです。
次のダンジョン獣に進むのは、全員が十分に身体強化されてからにすると決め、何所の誰が異論を挟もうと、先に進むことは拒否する心算でした。
幸いな事に、両閣下はもちろん、皇帝陛下も俺の考えに賛同してくださったので、誰憚ることなく安心してゆっくり各部隊を鍛錬することができました。
騎士隊ばかりではなく、徒士隊、若党隊、足軽隊、中間隊、小者隊もじっくりと鍛え、時に成長した者を格上部隊に抜擢し、性格的に合わない者同士が班や組、隊で問題を起こさないように、部隊増設に伴って移動させました。
「バルド騎士団長殿に命と名誉を賭けて異議を申し上げる。
金儲けに固執し、ダンジョンの先に進まないのは、騎士の名誉を汚す憶病で恥知らずな行いである。
それ事を摘発するにあたって、私が名誉と命をかける証拠に、バルド騎士団長殿に決闘を申し込ませていただく!」
一人の騎士長が私を罵り決闘を申し込んできた。
先の部隊増設で隊長候補にまで上がった男だが、強すぎる出世欲と野心が隊員を無駄死にさせる恐れがあると、騎士隊長就任が見送られた男だ。
ずっと先方先駆けを志願し、誰よりも早く身体強化するようにしていた。
俺が指揮官職の責務を優先させ、ダンジョン獣を斃していない事を考え、自分だけが先に身体強化した今ならな、決闘で俺を殺せると判断したのだろう。
自分の野望のためなら、平気で人を踏みつけにして、殺す事さえ厭わない極悪非道、冷酷非情な男だ。
野放しにしていたら、いずれはどこかの隊長となり、隊員の命と引き換えに利益を得たり出世を手に入れたりしようとするだろう。
そんな奴の見逃して野放しにするわけにはいかない。
「分かった、受けて立ってやる、直ぐに決闘の準備をしろ」
槍隊は槍衾の間にはいられないように、密集体形を維持しろ。
弓隊は大羊が傷つく事を恐れず、全力で射かけろ。
今はまだ多少の傷があっても高値で買ってもらえる。
無傷の毛皮は、身体強化できてから狙えばいい」
「「「「「おう!」」」」」
今回大羊を狩る騎士隊は、収入を優先する者達で編制した騎士隊です。
大金が得られる大羊の毛皮に拘るかと思いましたが、存外素直に方針に従ってくれましたが、もしかしたら武具防具を壊された時の費用を計算したのかもしれません。
それくらいの損得計算はできる者達が集まっています。
ダンジョン探索を成功させ、皇国の財政と家臣達の生活を豊かにするためには、ただ勝てばいい狩ればいいという単純な事ではすまないのです。
私達が大羊に挑みだして二カ月以上、ダンジョン探索を初めて四カ月近くの間、先に進むことを止め、じっくりと腰を据えて狩りを続けました。
怪我人がでるのは仕方ありませんが、独りの死者も出したくなかったのです。
次のダンジョン獣に進むのは、全員が十分に身体強化されてからにすると決め、何所の誰が異論を挟もうと、先に進むことは拒否する心算でした。
幸いな事に、両閣下はもちろん、皇帝陛下も俺の考えに賛同してくださったので、誰憚ることなく安心してゆっくり各部隊を鍛錬することができました。
騎士隊ばかりではなく、徒士隊、若党隊、足軽隊、中間隊、小者隊もじっくりと鍛え、時に成長した者を格上部隊に抜擢し、性格的に合わない者同士が班や組、隊で問題を起こさないように、部隊増設に伴って移動させました。
「バルド騎士団長殿に命と名誉を賭けて異議を申し上げる。
金儲けに固執し、ダンジョンの先に進まないのは、騎士の名誉を汚す憶病で恥知らずな行いである。
それ事を摘発するにあたって、私が名誉と命をかける証拠に、バルド騎士団長殿に決闘を申し込ませていただく!」
一人の騎士長が私を罵り決闘を申し込んできた。
先の部隊増設で隊長候補にまで上がった男だが、強すぎる出世欲と野心が隊員を無駄死にさせる恐れがあると、騎士隊長就任が見送られた男だ。
ずっと先方先駆けを志願し、誰よりも早く身体強化するようにしていた。
俺が指揮官職の責務を優先させ、ダンジョン獣を斃していない事を考え、自分だけが先に身体強化した今ならな、決闘で俺を殺せると判断したのだろう。
自分の野望のためなら、平気で人を踏みつけにして、殺す事さえ厭わない極悪非道、冷酷非情な男だ。
野放しにしていたら、いずれはどこかの隊長となり、隊員の命と引き換えに利益を得たり出世を手に入れたりしようとするだろう。
そんな奴の見逃して野放しにするわけにはいかない。
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