婚約破棄ありがとうございます王太子殿下、でも、隣にいるのは女装した私の弟ですよ。
第1話:婚約解消
「ああ、これは運命なのだ、仕方のない事なのだ、ジャスミン嬢。
私達は出会ってしまった、そして恋に落ちてしまったのだ。
神が与えたもうた運命の出会いに逆らう事などできないのだよ、ジャスミン嬢。
だから哀しいだろうが私と別れてくれ、どうか泣かないでくれ。
哀しい思いをさせるのだから、できるだけの償いをしよう。
西に広大な領地を王太子領として頂いているから、その一部を分与しよう。
ああ、もう何も言わないでくれ、私達は神の運命からは逃れられないのだ……」
私の目の前で、王太子フェルドが自分の世界に浸っています。
もう何度同じセリフを聞いたのか、思い出す事もできません。
両手で数えるくらいは覚えていましたが、もう数えるのもやめました。
それにしても、よくこれだけ同じ事を何十回も繰り返せるものです。
その身勝手に忘れられる性格が少々羨ましくもあります。
でも、もう、これ以上は我慢できません。
せっかく転生できたので、今生は大人しく生きようと思っていたのに……
「分かりました、王太子殿下、私も神の運命や出会いを邪魔しようとは思いません。
ですが、このままでは、また国王陛下や王妃殿下が邪魔されますよ。
王太子殿下が出会われた運命の方を説得され、私との婚約を継続されます。
今回はそのような事のないように、キッチリと形にして残しましょう。
ここに殿下に書いていただく婚約解消の書類がございます。
ですがこれだけでは弱いので、この領地譲渡届けにも署名押印願います」
「え、何を言っているのかな、ジャスミン嬢。
私が運命の相手に出会うのはこれが初めてだぞ?」
全部忘れたのか、この鶏頭が!
これ以上ボケた事を口にしたら、口から手ぇ突っ込んで内臓つかみだすぞ、こら!
思わず前世でよく使っていたツッコミを心の中で叫んでしまいました。
これ以上鶏頭の相手をしていたら、我慢できずに前世で使っていた悪態をついてしまうかもしれませんから、早々に片付けてしまいましょう。
「そうでございますね、フェルド王太子殿下。
そう何度も何度も、神の定められた運命の出会いがあるわけないですよね。
だからこそ、邪魔が入る前に全てを決めてしまいましょう。
さあ、今直ぐにここにサインをしていただいて、部屋に帰って印章をついて来てください」
「それは構わんが、私のいない間にオリビア嬢に報復しないだろうな?!」
お前はどれだけ馬鹿だ!
私がお前に愛想が尽きて別れたいと思っているのも分からないのか!?
とっとと部屋に行ってサインをして王太子印をついてこい。
オスカル、いや、女装の時はオリビアと名乗っていたな。
お前もこいつがサインと押印するように勧めろや!
私達は出会ってしまった、そして恋に落ちてしまったのだ。
神が与えたもうた運命の出会いに逆らう事などできないのだよ、ジャスミン嬢。
だから哀しいだろうが私と別れてくれ、どうか泣かないでくれ。
哀しい思いをさせるのだから、できるだけの償いをしよう。
西に広大な領地を王太子領として頂いているから、その一部を分与しよう。
ああ、もう何も言わないでくれ、私達は神の運命からは逃れられないのだ……」
私の目の前で、王太子フェルドが自分の世界に浸っています。
もう何度同じセリフを聞いたのか、思い出す事もできません。
両手で数えるくらいは覚えていましたが、もう数えるのもやめました。
それにしても、よくこれだけ同じ事を何十回も繰り返せるものです。
その身勝手に忘れられる性格が少々羨ましくもあります。
でも、もう、これ以上は我慢できません。
せっかく転生できたので、今生は大人しく生きようと思っていたのに……
「分かりました、王太子殿下、私も神の運命や出会いを邪魔しようとは思いません。
ですが、このままでは、また国王陛下や王妃殿下が邪魔されますよ。
王太子殿下が出会われた運命の方を説得され、私との婚約を継続されます。
今回はそのような事のないように、キッチリと形にして残しましょう。
ここに殿下に書いていただく婚約解消の書類がございます。
ですがこれだけでは弱いので、この領地譲渡届けにも署名押印願います」
「え、何を言っているのかな、ジャスミン嬢。
私が運命の相手に出会うのはこれが初めてだぞ?」
全部忘れたのか、この鶏頭が!
これ以上ボケた事を口にしたら、口から手ぇ突っ込んで内臓つかみだすぞ、こら!
思わず前世でよく使っていたツッコミを心の中で叫んでしまいました。
これ以上鶏頭の相手をしていたら、我慢できずに前世で使っていた悪態をついてしまうかもしれませんから、早々に片付けてしまいましょう。
「そうでございますね、フェルド王太子殿下。
そう何度も何度も、神の定められた運命の出会いがあるわけないですよね。
だからこそ、邪魔が入る前に全てを決めてしまいましょう。
さあ、今直ぐにここにサインをしていただいて、部屋に帰って印章をついて来てください」
「それは構わんが、私のいない間にオリビア嬢に報復しないだろうな?!」
お前はどれだけ馬鹿だ!
私がお前に愛想が尽きて別れたいと思っているのも分からないのか!?
とっとと部屋に行ってサインをして王太子印をついてこい。
オスカル、いや、女装の時はオリビアと名乗っていたな。
お前もこいつがサインと押印するように勧めろや!
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