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聖女に婚約者を寝取られましたが、人道に外れた聖女は闇落ちしました(闇落ちした元聖女の異母妹とスローライフを送りたい現聖女の姉の暗闘)

克全

第1話:プロローグ

私はずっと諦めていました。
これはどうしようもない運命なのだと絶望していました。
これでも前世ではラノベを読み漁っていました。
仮想戦記も大好きでした。
だから転生しても自由に生きられると思っていました。
ですが駄目でした。

この世界では女にできる事はとても限られていました。
女に与えられた権利はとても小さかったのです。
内政には全く関与させてもらえませんでした。
当然軍事に関与させてもらえるはずもありません。
何より魔力が全くなかった事で生前に夢想していた事は何もできません。

私がしてきたのは母の指導で貴族令嬢に相応しい教養とマナーを覚える事だけ。
父である公爵が決めた政略結婚に唯々諾々と従うしかありません。
幼馴染で私の守護騎士でもあるウィリアムが好きでもどうしようもない。
身勝手な父に従うしかありません。

大嫌いな父、リンスター公爵オーガスタス。
この男ほど品性下劣な者はいません。
いえ、この世界の貴族はこんな男ばかりなのかもしれません。
そんな男達と結婚しなければいけないなんて、なんて不幸なのでしょう。

ですが運命が大きく動き出したのです。
女性遍歴が激しくて、身の毛もよだつほど嫌っていた婚約者。
王太子のチャールズが私の妹に手を出したのです。
妹のペネロピは私と違って莫大な魔力に恵まれていました。

妹と言っても母親が違う義理の妹です。
獣欲剥き出しの父が侍女のロージーを犯して産ませた子供です。
なのにペネロピをずっとロージーの私生児として扱っていたのです。
下劣な父が使用人に生ませた子供を認知するわけがないのです。

ペネロピは不幸な生い立ちにも関わらず優しい子に育ちました。
私も母も陰ではずっと妹として扱ってきました。
表立って庇わなかったのは、そんな事をすれば父がペネロピとロージーを殺しかねないと思ったからです。

その心配は的中してしまいました。
ペネロピが教会から聖女認定されてしまったのです。
隠そうとしても隠しきれないほどの溢れんばかりの魔力があったのです。
それがペネロピとロージーを更なる不幸に追いやりました。

父は母にペネロピを自分が産んだ子供だと言えと強要したのです。
最初母は殺されても応じない心算でした。
もし認めたら、口封じのためにロージーが殺されかねないと思ったからです。
その不安は的中してしまいました。

父は母が認める前にロージーを殺してしまったのです。
父は、いえ、リンスター公爵は悪魔としか言いようがありません。
自分の利益のためならばどのような悪行も平気で行うのです。
それは私の婚約者であるチャールズ王太子も同じだったのです。

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