引きこもり吸血姫に一目惚れ

克全

第33話:ネット購入

俺はもう一度ネットで調べてみた。
輸血用の血液パックが買えないか調べてみた。
だが俺のような一般人では血液パックは買えなかった。
次善の策として、血の滴る肉を買えないか調べてみた。
だがそれも一般的な方法で買うのは不可能だった。

「血の滴る肉」で検索してみたが、検索結果は「血の滴るようなステーキ」だった。
結局血のように赤く見えたのは血ではないという結論だった。
だが何も食べさせないよりはいいので、解体段階でほとんど血抜きされているとはいえ、わずかでも血液成分が残っていると信じて安い鶏肉をたくさん買った。

それも少しでも血液成分が多く残っていると信じて、レバーや心臓を買った。
次に豚のレバーや心臓を調べて買った。
もちろん牛のレバーや心臓も買った。

そこでふと思いついて牛血、豚血、鶏血で検索してみた。
そうしたら豚の血とタンを使用した珍しいソーセージが見つかった。
四枚約百グラムで五百四十円だった。
ヒュウガ達が強くなってくれるのなら安いモノだ。
急いで送料が無料になる大量注文をした。

更に検索を重ねて、ツンゲンブルートヴルスト百グラム四百九十六円を注文した。
だが残念ながらブルードヴルスト百三十グラム六百六十九円と、ブラックプディング百六十グラム八百八十五円は在庫切れだった。

ヴァンパイアハンターに感づかれないようにしながら、俺が彼らに殺されたカーミラとヒュウガ達の菩提を弔いながら生きているように見せかけた。
その為に食材の注文量には細心の注意を払った。
食材の内容がバレないようにも気を配った。
だがそれでもヒュウガ達に力を取り戻させ事を諦められなかった。

色々調べたら沖縄県の北部なら豚の血が手に入るとあった。
冷凍した豚の血が輸送費別で百グラム二百八十円だった。
そしてついに行き当たったのだ。
フランス産の冷凍された豚の血が一本二・五キロ四千七百二十六円で売っていた。
急いで四本注文した。

同時に八重山食肉センターに問い合わせて、豚とヤギの血液を定期的に大量購入できないか確認してみた。
長年の取引先を優先しなければいけないが、余裕があれば売ってくれるという。
ヒュウガ達が力を取り戻すために必要な血液が何なのか。
手探り状態ではあるが諦めずに調べなければいけない。

更に検索を続けると、沖縄山羊牧場という所が山羊の血を討ってくれるという。
なんと一キログラムで千円だつた。
既にフランス産の冷凍豚血を大量注文した後だった。
これがヴァンパイアハンターに見つかると確実に襲撃される。
俺は自分の迂闊さに自分を罵りながら検索を続けた。

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