結婚式の日に婚約者を勇者に奪われた間抜けな王太子です。
第91話:結婚式
覚悟を決めたリカルド王太子は、レイラ皇女に公式な会談を申し込んだ。
公式な会談なので、リカルド王太子もレイラ皇女の側近を連れての話し合いだ。
全ての会話は公式に記録され、なかった事にはできない重要なモノだ。
そこでリカルド王太子は嘘偽りのない事を話した。
「レイラ皇女、私も覚悟を決めました。
王侯貴族の誇りを持つ心優しい貴女には、本当に愛する人と結婚して幸せな家庭を築いて欲しいと思っていました。
一日も早く大陸に平和をもたらして、政略結婚をなくしたいと思っていました。
ですが今はまだ政略結婚が必要な時代なのだと思い直しました。
既に愛する妻を二人も持ち、可愛い子供が二人もいて、三人目四人目の子供が二人の妻のお腹にいる身ではありますが、貴女に結婚を申しこませてもらいます」
リカルド王太子は真摯な気持ちで全てを話した。
二人の公妾がいる事と二人の子供がいる事は、既に皇国にも知らせてある。
だが流産の多いこの世界では、無事に生まれていない妊娠中の子供の事まで話す必要はなかった。
しかし結婚後に知らされればレイラ皇女も気分が悪いだろうと、あえて話した。
話す事が真心だとリカルド王太子は思っていた。
それで自分が嫌われることになっても構わないと思っていた。
実際レイラ皇女の側近の中には憎悪の視線を向けている者がいる。
彼女達からすれば、皇室から皇女を婚約者に迎えながら子供を作るなど、無礼非礼な行いだからだ。
「リカルド王太子に結婚を申し込んでいただき、心から光栄です。
公妾の事もお子様の事も謝られる事など何もありません。
公妾を持たれる事も庶子を設けられる事も、国王なら当然の事です。
まして魔王軍を度々撃退され、皇国の十数倍もの領地を切り取られた時代の英傑リカルド王太子が、婚約者に遠慮されることはありません。
ただ公妾とお子様方の為にも、私との子供は設けられた方がいいと思います。
親兄弟で争わなければいけない事ほど不幸な事はありません。
私は今ここで神に誓って約束いたします。
皇国から付いてきた側近に、公妾とお子様方を陥れようとする者がいれば、この手で成敗いたします。
リカルド王太子が私に事前の相談なく成敗されてもいいと約束します。
これからは私も家族の一員となるのです。
家族の仲を裂こうとする者は、幼い頃からの側近であろうと断じて許しません」
レイラ皇女は自分の想いと覚悟を口にした。
レイラ皇女はリカルド王太子を心から尊敬していた。
いや、憧れていたと言ってもいい。
そして長年皇女としての教育を受けていた。
だから王妃として正しい振舞いを学んでいた。
そして何より持って生まれた資質がよかった。
努力しない限り本当に欲しいモノは手に入らないと知っていた。
憧れのリカルド王太子の心を手に入れるための努力をすると決めていた。
それが今の言葉となっていた。
リカルド王太子とレイラ皇女は大陸中の王侯貴族を招いて結婚式を挙げた。
公式な会談なので、リカルド王太子もレイラ皇女の側近を連れての話し合いだ。
全ての会話は公式に記録され、なかった事にはできない重要なモノだ。
そこでリカルド王太子は嘘偽りのない事を話した。
「レイラ皇女、私も覚悟を決めました。
王侯貴族の誇りを持つ心優しい貴女には、本当に愛する人と結婚して幸せな家庭を築いて欲しいと思っていました。
一日も早く大陸に平和をもたらして、政略結婚をなくしたいと思っていました。
ですが今はまだ政略結婚が必要な時代なのだと思い直しました。
既に愛する妻を二人も持ち、可愛い子供が二人もいて、三人目四人目の子供が二人の妻のお腹にいる身ではありますが、貴女に結婚を申しこませてもらいます」
リカルド王太子は真摯な気持ちで全てを話した。
二人の公妾がいる事と二人の子供がいる事は、既に皇国にも知らせてある。
だが流産の多いこの世界では、無事に生まれていない妊娠中の子供の事まで話す必要はなかった。
しかし結婚後に知らされればレイラ皇女も気分が悪いだろうと、あえて話した。
話す事が真心だとリカルド王太子は思っていた。
それで自分が嫌われることになっても構わないと思っていた。
実際レイラ皇女の側近の中には憎悪の視線を向けている者がいる。
彼女達からすれば、皇室から皇女を婚約者に迎えながら子供を作るなど、無礼非礼な行いだからだ。
「リカルド王太子に結婚を申し込んでいただき、心から光栄です。
公妾の事もお子様の事も謝られる事など何もありません。
公妾を持たれる事も庶子を設けられる事も、国王なら当然の事です。
まして魔王軍を度々撃退され、皇国の十数倍もの領地を切り取られた時代の英傑リカルド王太子が、婚約者に遠慮されることはありません。
ただ公妾とお子様方の為にも、私との子供は設けられた方がいいと思います。
親兄弟で争わなければいけない事ほど不幸な事はありません。
私は今ここで神に誓って約束いたします。
皇国から付いてきた側近に、公妾とお子様方を陥れようとする者がいれば、この手で成敗いたします。
リカルド王太子が私に事前の相談なく成敗されてもいいと約束します。
これからは私も家族の一員となるのです。
家族の仲を裂こうとする者は、幼い頃からの側近であろうと断じて許しません」
レイラ皇女は自分の想いと覚悟を口にした。
レイラ皇女はリカルド王太子を心から尊敬していた。
いや、憧れていたと言ってもいい。
そして長年皇女としての教育を受けていた。
だから王妃として正しい振舞いを学んでいた。
そして何より持って生まれた資質がよかった。
努力しない限り本当に欲しいモノは手に入らないと知っていた。
憧れのリカルド王太子の心を手に入れるための努力をすると決めていた。
それが今の言葉となっていた。
リカルド王太子とレイラ皇女は大陸中の王侯貴族を招いて結婚式を挙げた。
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