結婚式の日に婚約者を勇者に奪われた間抜けな王太子です。
第85話:ひと段落
四部族による魔王軍の攻撃は、損害を恐れぬ怒涛の攻めだった。
それもリカルド王太子の死角を突こうとした全周囲からの包囲攻撃だった。
魔王軍の攻撃は激しかったが、魔宝石と魔晶石を惜しみなく使った事で、王太子軍将兵には全く被害がなかった。
魔王軍の攻撃は、軍略を学んだ者には愚かな行為にしか見えなかった。
これだけの数の人型魔族を大陸に送り込めたのなら、小部隊に分けて浸透作戦を行えば、大陸に根をはることも可能なのだ。
人間を妊娠させることができる人型魔族が、大陸に小なりとはいえ村を築いたら、大陸の住民が人型魔族に取って代わられる可能性すらあった。
だが魔王軍は浸透作戦よりもリカルド王太子殺害を優先した。
四部族に隠れて、想像を絶する跳躍力を持つ魔蟲を用意していた。
蚤を大型化したような魔蟲は、身長の百五十倍の跳躍力があった。
ただ単に殺されているように見えた四部族に陰に隠れて、身長一メートルの魔蟲がリカルド王太子に近づこうとしていた。
だが遠距離制圧魔術とリカルド王太子の多狙撃魔術で、必殺お百五十メートルまで近づくことができず、蚤魔蟲は二度三度四度と跳ねなければいけなくなった。
そのお陰でリカルド王太子は、事前に蚤魔蟲を狙撃魔術で迎撃することができた。
もし一跳ねの所まで近づかれていたら、リカルド王太子はともかく前衛に大きな被害が出ていただろう。
何とかリカルド王太子は攻め寄せる魔王軍を全滅させた。
だがそれは四部族で編制された先遣部隊と思われる魔王軍だ。
憶病なほど慎重な前世の性格に影響されたリカルド王太子の頭には、ダドリー城を助けに行った際に戦った巨大種の印象が強くあったのだ。
四部族軍は確かに強かったが、今の穴を通れる大きさの魔族だけだった。
もし巨大種が通過できるような大きい穴にだったら、こんなに簡単に全滅させる事などできなかった。
今も穴を大きく広げるために、魔王軍が工事しているのは明らかだ。
そうでなければ魔王軍もこんな攻撃はしてこなかっただろう。
単に大陸を混乱させるだけなら、四部族を小集団に分けて、大陸中を荒らしまわった方が人間を追い込むことができるのだ。
それをしないで正面からリカルド王太子の進軍を邪魔するという事は、穴を大きく広げでもっと巨大なモンスターを大陸に送り込むための時間稼ぎだ。
そうでなければ最大の障害であるリカルド王太子を狙い撃ちにしたのだ。
少なくともその危険性があるとリカルド王太子考えていた。
「進撃を急ぐ、できるだけ早く穴を塞ぐぞ」
「「「「「は」」」」」
リカルド王太子は魔王軍遊撃隊の殲滅を後回しにした。
多くの村に被害が出る事を知りながら、遊撃に徹する魔王軍は見逃した。
その時間も惜しんで、最後の行程は最低限の休憩だけにして穴まで急いだ。
一刻も早く穴を塞がなければ取り返しがつかなくなるかもしれない。
そんな不安感がリカルド王太子を急がせた。
だが、それでも、憶病なくらい慎重な前世の性格が影響して、単独で穴にまで向かうことはしなかった。
それが幸いしたのかどうかは分からないが、リカルド王太子が暗殺されるような、取り返しのつかない事態はなかった。
リカルド王太子は魔王軍が築いた穴を、莫大な魔力を使った攻撃で完膚なきまで破壊して、二度と使えないようにした。
それもリカルド王太子の死角を突こうとした全周囲からの包囲攻撃だった。
魔王軍の攻撃は激しかったが、魔宝石と魔晶石を惜しみなく使った事で、王太子軍将兵には全く被害がなかった。
魔王軍の攻撃は、軍略を学んだ者には愚かな行為にしか見えなかった。
これだけの数の人型魔族を大陸に送り込めたのなら、小部隊に分けて浸透作戦を行えば、大陸に根をはることも可能なのだ。
人間を妊娠させることができる人型魔族が、大陸に小なりとはいえ村を築いたら、大陸の住民が人型魔族に取って代わられる可能性すらあった。
だが魔王軍は浸透作戦よりもリカルド王太子殺害を優先した。
四部族に隠れて、想像を絶する跳躍力を持つ魔蟲を用意していた。
蚤を大型化したような魔蟲は、身長の百五十倍の跳躍力があった。
ただ単に殺されているように見えた四部族に陰に隠れて、身長一メートルの魔蟲がリカルド王太子に近づこうとしていた。
だが遠距離制圧魔術とリカルド王太子の多狙撃魔術で、必殺お百五十メートルまで近づくことができず、蚤魔蟲は二度三度四度と跳ねなければいけなくなった。
そのお陰でリカルド王太子は、事前に蚤魔蟲を狙撃魔術で迎撃することができた。
もし一跳ねの所まで近づかれていたら、リカルド王太子はともかく前衛に大きな被害が出ていただろう。
何とかリカルド王太子は攻め寄せる魔王軍を全滅させた。
だがそれは四部族で編制された先遣部隊と思われる魔王軍だ。
憶病なほど慎重な前世の性格に影響されたリカルド王太子の頭には、ダドリー城を助けに行った際に戦った巨大種の印象が強くあったのだ。
四部族軍は確かに強かったが、今の穴を通れる大きさの魔族だけだった。
もし巨大種が通過できるような大きい穴にだったら、こんなに簡単に全滅させる事などできなかった。
今も穴を大きく広げるために、魔王軍が工事しているのは明らかだ。
そうでなければ魔王軍もこんな攻撃はしてこなかっただろう。
単に大陸を混乱させるだけなら、四部族を小集団に分けて、大陸中を荒らしまわった方が人間を追い込むことができるのだ。
それをしないで正面からリカルド王太子の進軍を邪魔するという事は、穴を大きく広げでもっと巨大なモンスターを大陸に送り込むための時間稼ぎだ。
そうでなければ最大の障害であるリカルド王太子を狙い撃ちにしたのだ。
少なくともその危険性があるとリカルド王太子考えていた。
「進撃を急ぐ、できるだけ早く穴を塞ぐぞ」
「「「「「は」」」」」
リカルド王太子は魔王軍遊撃隊の殲滅を後回しにした。
多くの村に被害が出る事を知りながら、遊撃に徹する魔王軍は見逃した。
その時間も惜しんで、最後の行程は最低限の休憩だけにして穴まで急いだ。
一刻も早く穴を塞がなければ取り返しがつかなくなるかもしれない。
そんな不安感がリカルド王太子を急がせた。
だが、それでも、憶病なくらい慎重な前世の性格が影響して、単独で穴にまで向かうことはしなかった。
それが幸いしたのかどうかは分からないが、リカルド王太子が暗殺されるような、取り返しのつかない事態はなかった。
リカルド王太子は魔王軍が築いた穴を、莫大な魔力を使った攻撃で完膚なきまで破壊して、二度と使えないようにした。
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