結婚式の日に婚約者を勇者に奪われた間抜けな王太子です。
第81話:移動移住
ダドリー領都で凱旋式を行ったリカルド王太子は、その日の晩はタドリー城ではなくカウリー城で泊まった。
変な所で公平なリカルド王太子は、ローザとコンラッドと一晩過ごしたら、ライラとバートランドとも一晩過ごさなければいけないと考えているからだ。
それにタドリー城の事は寝物語でローザから聞いて安心できていたが、カウリー城の事も直接ライラから聞かないと安心できない、難儀な性格になっていた。
いや、それ以前にリカルド王太子はライラとバートランドにも会いたかったのだ。
リカルド王太子は情が深い面もあり、公に許される範囲なら常に四人と一緒にいたいと思っているのだ。
今回は夜に最前線への転移移動する事が危険だという大前提がある。
幾ら近衛騎士隊が安全を確保している奥の間であろうと、侵攻占領したばかりの城砦に、夜の間に転移移動するのは確かに危険だった。
今の大陸の状況では、一歩フィフス王国領を出たら、どのような敵が待ち受けているか分からないのだ。
その日の晩餐はライラとバートランドの三人で幸せな時間を過ごした。
とは言ってもまだ母乳しか飲まないバートランドは二人に抱かれて過ごすだけだ。
早飯が基本の戦場を離れて、ゆっくりと食事をする事ができるのは、しかも愛する妻の顔を見たり子供の抱いたりできるのは、リカルド王太子にとって最高の癒しになるのだ。
その夜はライラと愛を確かめ合って、夜明けと同時に転移移動した。
前日に使い魔から翌日早朝に最前線の城砦に転移移動すると連絡したうえでだ。
転移した時には侵攻移動の準備が整っていた。
わずか二日間ではあるが、先陣部隊が進撃しない事で後続部隊が集まっていた。
先陣部隊とはいっても、戦闘部隊と駐屯部隊と補給部隊の混成部隊だ。
占領地の民を飢えさせない事が大前提の侵攻計画だ。
騎兵だけの戦闘部隊で編制した軍のような速さはない。
そのような騎兵部隊は、一旦占領した地に魔王軍遊撃隊が奇襲を仕掛けてこないように、占領地を巡回移動している。
騎兵部隊が安全を確保した占領地を、馬車で編制された輸送部隊が食糧や人を満載して移動している。
フィフス王国領から前線に移動する時には食糧を積んでいる。
前線からフィフス王国領に移動する時には、移住希望者を乗せている。
占領国の多くの人が、これからはフィフス王国軍が護るから大丈夫といっても不安がり、元々のフィフス王国領に移住したいと願い出るのだ。
リカルド王太子も、絶対に護りきれると確信していれば、フィフス王国軍が護ると配下に言わせるのではなく、私が護ると言い切っただろう。
時に憶病なくらい慎重になるリカルド王太子は、魔王軍の巨大種を斃した後でも、まだ魔王軍を恐れ警戒していたのだ。
変な所で公平なリカルド王太子は、ローザとコンラッドと一晩過ごしたら、ライラとバートランドとも一晩過ごさなければいけないと考えているからだ。
それにタドリー城の事は寝物語でローザから聞いて安心できていたが、カウリー城の事も直接ライラから聞かないと安心できない、難儀な性格になっていた。
いや、それ以前にリカルド王太子はライラとバートランドにも会いたかったのだ。
リカルド王太子は情が深い面もあり、公に許される範囲なら常に四人と一緒にいたいと思っているのだ。
今回は夜に最前線への転移移動する事が危険だという大前提がある。
幾ら近衛騎士隊が安全を確保している奥の間であろうと、侵攻占領したばかりの城砦に、夜の間に転移移動するのは確かに危険だった。
今の大陸の状況では、一歩フィフス王国領を出たら、どのような敵が待ち受けているか分からないのだ。
その日の晩餐はライラとバートランドの三人で幸せな時間を過ごした。
とは言ってもまだ母乳しか飲まないバートランドは二人に抱かれて過ごすだけだ。
早飯が基本の戦場を離れて、ゆっくりと食事をする事ができるのは、しかも愛する妻の顔を見たり子供の抱いたりできるのは、リカルド王太子にとって最高の癒しになるのだ。
その夜はライラと愛を確かめ合って、夜明けと同時に転移移動した。
前日に使い魔から翌日早朝に最前線の城砦に転移移動すると連絡したうえでだ。
転移した時には侵攻移動の準備が整っていた。
わずか二日間ではあるが、先陣部隊が進撃しない事で後続部隊が集まっていた。
先陣部隊とはいっても、戦闘部隊と駐屯部隊と補給部隊の混成部隊だ。
占領地の民を飢えさせない事が大前提の侵攻計画だ。
騎兵だけの戦闘部隊で編制した軍のような速さはない。
そのような騎兵部隊は、一旦占領した地に魔王軍遊撃隊が奇襲を仕掛けてこないように、占領地を巡回移動している。
騎兵部隊が安全を確保した占領地を、馬車で編制された輸送部隊が食糧や人を満載して移動している。
フィフス王国領から前線に移動する時には食糧を積んでいる。
前線からフィフス王国領に移動する時には、移住希望者を乗せている。
占領国の多くの人が、これからはフィフス王国軍が護るから大丈夫といっても不安がり、元々のフィフス王国領に移住したいと願い出るのだ。
リカルド王太子も、絶対に護りきれると確信していれば、フィフス王国軍が護ると配下に言わせるのではなく、私が護ると言い切っただろう。
時に憶病なくらい慎重になるリカルド王太子は、魔王軍の巨大種を斃した後でも、まだ魔王軍を恐れ警戒していたのだ。
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