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地味で器量の悪い公爵令嬢は政略結婚を拒んでいたのだが

克全

第16話:婦唱夫随・アマーリエ視点

私が手を差し出す前に、絶妙のタイミングでアラステアがエスコートしてくます。
さすが戦場の鬼神と呼ばれた方ですね。
最初の頃のようなぎこちなさもなければ臆するような所もなくなりました。
兄上の「敵将の動きを先読みするようにアマーリエの動きを予測しろ」という言葉がきっかけで、全く動きが変わり理想のエスコートができるようになりました。
ただ私を敵将に例えるのはどうかと思います。

それにしてもこれで五十回いえ六十回でしょうか、デートをするのは。
アラステアに聞けば即答してくれるのでしょうか、気にしていると思われるのも嫌ですし、回数などどうでもいいですね。
貴族の方々はやきもきしているようですが、私の知った事ではありません。
いつ結婚式を挙げるかは私が決めさせていただきます。

「アマーリエとアラステア王弟殿下は夫唱婦随ではなく婦唱夫随の方が上手くいくと思うよ、結婚してからでも嫌になった逃げだせばいいんだし。
何より女王なら離婚をするのも次の国王を誰にするのかも自由に決められるよ」

そう言われたのは三十回目くらいのデートの後だったでしょうか。
正確な回数は覚えていませんが、それくらいだったと思います。
兄上にそう言われてからは、アラステアを別の視点で見るようになりました。
この国に必要不可欠な大将軍で王弟という視点ではなく、私の子供の父として。
未だに劣等感からは逃れられていないので、子供の事が心配になります。
私のような醜い子供が生まれたら可哀想だと。
だから結婚する事も子供を産むことも嫌だったのです。

「なんだ、そんな事を気にしているのかい。
別に無理に子供を産む必要なんてないよ。
王弟殿下に外に子供を作ってもらってもいいし、俺の子供でもいい。
女王だからと言って絶対に子供を産まなければいけない義務なんてないよ」

別の事で悩みだしたのを兄上は直ぐに見抜いてくれました。
そして目から鱗が落ちるような事を言ってくれました。
形だけ結婚して女王になってもいいのだと。
子供も産まなくていいのだと。
言葉にはしなかったけれど、アラステアとベットを共にしなくてもいいのだと。

まあ、見届け人がいるから、完全に拒否し続けるのは難しいでしょうね。
でも、アラステアならきつく言えば無理強いはしない気がします。
兄上は時間が経てば気心が知れてちゃんとした夫婦に成ると思っているようです。
確かにアラステアがこんな性格だとは思っていませんでした。
異国の言葉に「馬には乗ってみよ人には添うてみよ」というのがあるそうです。
もうしばらくこの状態を愉しんでもいいかもしれません。
最悪戴冠して直ぐにアラステアか兄上に王位を押し付ければいいのですから。

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