転生 徳川慶勝 日露開戦 日米開戦

克全

第232話:一八四六年、イギリス本土上陸戦2

 イギリスは、スコットランドやイングランド北部から大量の人間を強制徴募して、徳川軍コーンウォール半島上陸軍に対峙させた。
 本当は即座に攻撃を仕掛けたかったのだろうが、彼らも馬鹿ではない。
 それに徳川軍が欧州で使った武器の事は知っている。
 ドライゼ銃やエミエー銃を装備した徳川軍に無策で攻撃はしない。
 陣地を築いて迎え討つ作戦をとった。

 だが徳川軍現地司令官は歴戦の古参軍師だ。
 不利な状況で攻撃を仕掛ける事などない。
 それに彼は俺のやり方を十分理解してくれている。
 だからイギリス軍には適当に砲撃を加えて引きつけてくれる。
 艦艇から上陸させた大砲や大型火箭を使って、徳川軍に被害がでることなく、イギリス軍に損害を与えてながら引きつけてくれた。

 イギリス軍の戦力がフランスの対岸とコーンウォール半島と対峙する場所に集中している時に、徳川軍北アメリカ艦隊がスコットランドに上陸した。
 へブリーズ諸島やオークニー諸島、スカーイ島やマン島を上陸作戦の拠点として利用すべく確保した後で、北西高地を簡単に確保できた。
 スコットランドの非アングロサクソンの女子供が叛乱を起こしてくれたからだ。
 非アングロサクソンによる二度の叛乱が失敗した後で、激烈な弾圧が行われ、女子供は筆舌に尽くし難い残虐な報復を受けたのだろう。

 これによってイギリス本土は北と南の両方に徳川軍の上陸を許した。
 しかも強制徴募した非アングロサクソンが何時裏切るか分からない。
 私掠船団が跳梁跋扈しているので、徐々に小型の交易船や漁船まで拿捕されてしまい、食糧も不足し物資の輸送も満足にできなくなっている。
 対岸のフランスに徳川家が購入した艦船と上陸軍がいるので、残存戦闘艦艇をポーツマスやサウスエンドから動かすこともできない。

 徳川家の現地司令官はこの状態で中立国や第三国の商船を利用した。
 スコットランドやコーンウォール半島への補給に第三国商船を活用した。
 とはいっても最新の武器や兵糧の輸送を他国商人任せにしたわけではない。
 占領地の民に配給するための食糧や物資を任せただけだ。
 だが占領地に民が必要とする物資を第三国商船に任せられたのは大きい。
 その分を徳川海軍艦艇が運ばなくてすむと、上陸軍が必要とする武器弾薬と援軍を輸送させることができるのだ。

 ここまで徳川軍が有利になると、アイルランドが黙っていない。
 必ず独立しようと動くだろう。
 もちろんイギリスに残った方が利のある者いるだろう。
 だが北アメリカにいる時に利を約束して、アイルランドに逃げ帰ったように見せかけた者たちが、独立派の者たちを誘って蜂起してくれるだろう。

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