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克全

第194話:一八四一年・予言と対策

俺は毎年行ってきた数年後の災害予言だけでなく、長期の天災を予言した。
関東大震災、三河地震、新潟地震、阪神・淡路大震災、東日本大震災などだ。
それに伴う津波に関しても正確に伝えた。
もちろん普賢岳などの噴火による災害も正確に伝えた。
伊勢湾台風や室戸台風に関しても正確に伝えた。
台風に関連した豪雨災害も正確に伝えた。
俺の記憶に刷り込まれている災害全てを正確に伝えた。

朝廷と幕府の役人はその全てを記録して、版木で刷って日本中に配った。
政治を担当する幕府や藩の役人と民が一体になって災害に備えるのだ。
天地の運航が変わらない限り、天災は予言通りにやってくる。
都市計画や産業投資などのあらゆることが、将来の天災が分かっていればロスを少なくする事が可能になる。

この予言のお陰という言うべきか、それとも所為と言うべきか、俺の岡山に幕府を移転させるという計画に反対や抵抗する者が皆無になった。
だがその分天災の多い地方への転封を嫌がる者が現れた。
ただ好都合だったのは、大きな天災が起こる地方の大名が、進んで北米やシベリア、カフカスやトルクメン方面への転封に応じてくれた。

まあ、それらの方面で戦っている元藩士や藩士子弟からの正確な情報や、藩ごと遠征に参加している親類の藩主から正確な情報を手に入れられたのが大きい。
彼らはまだまだ開拓の余地があり、最前線で功名を稼げる可能も高く、何より現在の実高の二倍に表高をしてもらえることに釣られたのだ。

はっきり言えば、それくらいやってでも日本本土は完全に直轄化しておきたい。
欧米列強に借金して統治権を奪われてはかなわない。
こちらが圧倒的に強い時ならば、外国人に統治権は渡らないと言い張れる。
だがこちらが弱い場合は、何を言っても無駄だ。
欧米列強は問答無用で大名家の領地を自国領にしてしまうだろう。
そんな危険は絶対に排除しておかなければいけない。

一八四〇年はできるだけこちらから攻勢をかけなかった。
敵が攻撃してきた時に反撃しただけだ。
一八四一年に大攻勢をかけるための準備をしていたのだ。
全ては第二次イギリス東洋艦隊を撃破してからの話だ。
第二次イギリス東洋艦隊を撃破してから、戦力を抽出されて弱体化したイギリス本土艦隊を叩いで英国本土を占領する。

もし英国本土の占領が厳しければ、アヘンや大麻樹脂の密貿易で弱体化させる。
二度目の内乱を勃発させる。
東南アジアからインド方面に進み、インドを解放して味方につける。
インドを植民地化する気など全くない。
勇敢なインド戦士を傭兵にできればそれで十分だ。
それよりは欧米列強が援軍が送れなくなった東南アジアを解放して、オーストラリアやニュージーランドを確保すべきだ。

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