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克全

第193話:一八四〇年、決戦準備と収支と高直し

今年も大名幕臣公家を納得させるために高直しをした。
外に敵を作り国内を好景気にする事が安定政権の大前提だ。
ほとんどの者がそれに便乗したいと思う。
それに嘘をつくわけではない、実際の領地の価値が上がっているのだ。

エジプトでは史実でも特産品だった綿花栽培に成功している。
大軍を派遣した最前線では、屯田兵が農地を開拓してくれているから、食糧の生産力が飛躍的に増加している。
後方の蝦夷や樺太、沿海や黒竜江は開拓農民や開拓同心が大量に入植しており、農地開拓に成功しただけでなく砂糖大根による製糖業と蒸留酒の生産に成功している。
それを交易艦隊が清国に大量販売しているから、石高評価が飛躍的に高くなる。

武器に関しては国内生産の火縄銃は全てライフリングされるようになり、大きさも士筒級に統一されるようになっていた。
それに武家の子女が内職で雷管を生産するようにもなっていたので、順次火縄銃はゲベール銃を飛び越えてエミエー銃を名乗れるほどになっている。
弾薬も丸玉ではなくドライゼ銃と共通で使えるモノに統一した。

国内生産エミエー銃の購入価格は一丁六両として、欧州で購入するゲベール銃マスケット銃は一丁五両で交渉した。
清国には自国生産の武器を輸出できるような状況ではなかった。
最前線では武士自らが士筒級の火縄銃にライフリングを施し小改造して、エミエー銃と呼んでもいい状態にしていた。

艦艇の大量建造だが、日本国内では拿捕したイギリス艦艇の修理戦力化で造船所が塞がったため、来年以降になる。
瀬戸内に大量の造船所を築いているから、来年には一気に艦艇を量産できる。
外征地での造船は、最初は快速丸や迅速丸が中心になり、徐々に大型艦の建造となるだろう。

『一九四〇年度』
「旧徳川幕府の石高」
日本国内:四百五十三万石
「旧松前松平家の石高」
阿羅斯加:百十万石格
エジプト:八十万石
コーカサス:五十万石
カザフ :百十万石
トルクメン:百十万石
アルタイ:三十万石
サヤン :三十万石
ヤルスク:三十万石
益鳥兎 :五十万石格
巴児忽惕:五十万石格
知多  :五十万石格
黒竜江 :百八十万石格
勘察加 :百四十万石格
沿海  :二百五十万石格
千島  :四十万石格
樺太  :二百五十万石格
蝦夷地 :三百十万石格
琉球  :十五万石
対馬国 :六二六九石
多禰国 :大隅諸島(種子島と屋久島)六二八五石
:奄美諸島(鬼界島・大島・徳之島・沖良部島・与論島)三万二八二八石
:沖大東島、南大東島、北大東島・尖閣諸島(無高)
:小計三万石九一一三石
小笠原国:小笠原諸島三万石
:南鳥島、ミッドウェー諸島、ウェーク島、ジョンストン島(無高)
:小計三万石
合計  :二千九十五万五千三百八十二石

「一八三九年の松前松平家収支と軍事力」

備蓄金 :△二億七千六百三十八万四千二百八十両

直轄領 :二千百四十八万石(二千百四十八万両だが今まで通り交易に使用)
旧幕臣領:三百万石
家臣領 :百万石(代官支配ではなく領主権を行使できる家臣領)
北前船 :△百七十四万両(百七十四隻は船団を組み清国や東南アジア)
北前船 :△百十六万九千二百両(自家以外の二千九百二十三隻運上金)
快速丸 :△千八十万両(五百四十隻)
迅速丸 :△二千百六十万両(五百四十隻)
ジャンク:△千百二十万両(十四隻)
商場運上:△八十万両
試合興行:△十八万両
小計  :△六千七百九十六万九千二百両

旧幕臣 :三百万石(八万兵・清算済み)
前線幕臣:七十万石(三百九十六家・清算済み)
幕臣大名:三十万石(十六家・清算済み)
藩士扶持:▲四十二万三千四百四十両(七万九千兵)
藩士領地:▲二百石騎士家:三百万石(一万五千騎)
藩士領地:▲百石騎士家 :八百万石(八万騎)
食費役費:▲百二十万両
機密軍費:▲百四十万両
小銃生産:▲四十二万両(ドライゼ銃四万二千丁)
(鉄砲部品外注:四万二千丁分▲十六万八千両)
エミエー銃:▲十二万両(二万丁・日本産)
ゲベール銃:▲二万五千両(五千丁・欧州産)
玉薬代 :▲百二十万両
鉄銅鉛代:▲二百九十万両
輸入武器:▲三十万両
鍛冶職 :▲二万両(日本刀、槍、鏃)
練炭  :▲二万両
豆炭  :▲二万両
七輪  :▲一万両
陶磁器 :▲五万両
艦艇修理:▲一万七千四百両(百七十四隻)
快速丸 :▲三万両(五十トン六十隻×五百両)
迅速丸 :▲六万両(百トン六十隻×千両)
三十六門フリゲート艦:▲三万五千両(三百五十トン十艦×三千五百両)
五十二門フリゲート艦:▲二十万両(十艦×二万両)
二千トンジャンク船 :▲四万両(二隻×二万両)
農耕牛 :▲六十万両(二十万頭×三両)
軍馬駄馬:▲四十万両(二十万頭×二両)
小計  :▲千二百四十九万八百四十両

総計  :△五千五百四十七万八千三百六十両

「現有戦力」
反射高炉:高須藩・独立四炉を四基
反射高炉:江戸韮山二炉一基を二基
反射高炉:松前藩函館二炉一基を六基
反射高炉:松前藩福山館二炉一基を六基
反射高炉:松前藩小樽二炉一基を八基
反射高炉:松前藩室蘭二炉一基を六基
反射高炉:松前藩釧路二炉一基を二基
反射高炉:松前藩網走二炉一基を二基
反射高炉:松前藩石狩二炉一基を二基
三十六門フリゲート艦:三五〇トン=百二十艦
五十二門フリゲート艦:一五七六トン=八十艦
ジャンク船:二〇〇〇トン=十四隻
快速丸 :五十トン=五百四十隻
迅速丸 :百トン=五百四十隻
合の子船:百七十四隻
ゲベール銃:十一万二千丁
エミエー銃:四万七千丁
ドライゼ銃:二十万五千丁
農耕牛 :二百二十万頭
軍馬駄馬:二百二十万頭
「拿捕艦艇」
軍艦  :十六艦
輸送船 :二十七隻
武装汽船:四隻

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