転生 徳川慶勝 日露開戦 日米開戦
第36話一八二六年、薩摩藩島津家対策一
「薩摩藩に五百万両もの借財があるというのは本当か」
「それは、その」
「その借金を返済するために、清国と密貿易をしているというのは本当か。
返答しだいでは、薩摩藩を取り潰す。
性根を入れて返答せよ」
俺は薩摩藩の江戸家老を松前藩上屋敷呼び出して詰問した。
徳川家斉と幕閣の許可は得ている。
俺は薩摩藩の対応次第では、薩摩藩を潰す心算だ。
史実では、密貿易を咎められた薩摩藩は、調所広郷が自殺する形で責任をとり、密貿易の件を有耶無耶にした。
だが俺は徹底的に糾弾するつもりだ。
そもそも、まだ調所広郷は家老にもなっていないし、何百万両もの軍資金の蓄えどころ、借金の返済すらできていない。
今が好機なのだ。
今の薩摩藩は内部分裂を起こしているから、叩くなら今なのだ。
俺の記憶では、調所広郷が砂糖の専売を強化するのは一八三一年だ、まだ薩摩藩には五百万両もの借金があり、資金的な余裕はない。
軍資金もなしに軍備は整えられない。
近代化を成し遂げるどころか、島津重豪と島津斉宣の親子争いで近思録崩を起こし、切腹十三人を含める百十二人もの大量処分者を出して藩士が分裂している。
今の当主は島津斉興だが、祖父の島津重豪と権力争いをしている。
表向き隠居した形になっている薩摩藩八代藩主の島津重豪だが、徳川家斉に正室をお送り込んだことで、未だに影響力を持っていた。
だが、徳川家斉が俺の言いなりになったから、もうどうにもならない。
しかも島津重豪に強制隠居させられた島津斉宣がまだ生きており、江戸の薩摩藩下屋敷で生活している。
この三人を相争わせれば、腐敗した幕府軍でも勝てる可能性がある
そもそも、対等な兵士と軍備なら、相手が薩摩藩でも負けはしない。
その証拠に、西南戦争では西郷軍が明治政府軍に負けている。
長州にだって、尾張徳川家の慶勝が指揮した第一長州征伐では勝っている。
今なら俺が幕府軍を指揮しても薩摩藩に勝てると思う。
薩摩藩相手に、幕府軍に実戦経験を積ませて、駄目な旗本御家人は召し放ちにしてやれば、幕府改革も可能だ。
「密貿易などやっておりません。
やっているとすれば、家臣が主家に隠れてやっているのでしょう。
至急薩摩に人をやって調べさせます」
「余を舐めているのか。
余は東照神君の巫覡であるぞ。
全ては東照神君の御告げによって行われているのだ。
信濃守殿、今の言葉を聞かれましたな」
「はい、確かにお聞き申した。
家中の者が幕府の仕来りを破って密貿易をしているかもしれないと、この者は確かに申しました」
俺は取り調べに同席している、大目付の織田信濃守信節に念を押した。
俺はあくまでも東照神君の巫覡として御告げを伝えているだけで、実際に処分をするのは大目付なのだ。
大目付の権限で、薩摩藩を取り潰してもらうのだ。
可哀想だが、恨みの一部は織田信濃守に受けてもらう。
暗殺される可能性は極力少なくしたいのだ。
「それは、その」
「その借金を返済するために、清国と密貿易をしているというのは本当か。
返答しだいでは、薩摩藩を取り潰す。
性根を入れて返答せよ」
俺は薩摩藩の江戸家老を松前藩上屋敷呼び出して詰問した。
徳川家斉と幕閣の許可は得ている。
俺は薩摩藩の対応次第では、薩摩藩を潰す心算だ。
史実では、密貿易を咎められた薩摩藩は、調所広郷が自殺する形で責任をとり、密貿易の件を有耶無耶にした。
だが俺は徹底的に糾弾するつもりだ。
そもそも、まだ調所広郷は家老にもなっていないし、何百万両もの軍資金の蓄えどころ、借金の返済すらできていない。
今が好機なのだ。
今の薩摩藩は内部分裂を起こしているから、叩くなら今なのだ。
俺の記憶では、調所広郷が砂糖の専売を強化するのは一八三一年だ、まだ薩摩藩には五百万両もの借金があり、資金的な余裕はない。
軍資金もなしに軍備は整えられない。
近代化を成し遂げるどころか、島津重豪と島津斉宣の親子争いで近思録崩を起こし、切腹十三人を含める百十二人もの大量処分者を出して藩士が分裂している。
今の当主は島津斉興だが、祖父の島津重豪と権力争いをしている。
表向き隠居した形になっている薩摩藩八代藩主の島津重豪だが、徳川家斉に正室をお送り込んだことで、未だに影響力を持っていた。
だが、徳川家斉が俺の言いなりになったから、もうどうにもならない。
しかも島津重豪に強制隠居させられた島津斉宣がまだ生きており、江戸の薩摩藩下屋敷で生活している。
この三人を相争わせれば、腐敗した幕府軍でも勝てる可能性がある
そもそも、対等な兵士と軍備なら、相手が薩摩藩でも負けはしない。
その証拠に、西南戦争では西郷軍が明治政府軍に負けている。
長州にだって、尾張徳川家の慶勝が指揮した第一長州征伐では勝っている。
今なら俺が幕府軍を指揮しても薩摩藩に勝てると思う。
薩摩藩相手に、幕府軍に実戦経験を積ませて、駄目な旗本御家人は召し放ちにしてやれば、幕府改革も可能だ。
「密貿易などやっておりません。
やっているとすれば、家臣が主家に隠れてやっているのでしょう。
至急薩摩に人をやって調べさせます」
「余を舐めているのか。
余は東照神君の巫覡であるぞ。
全ては東照神君の御告げによって行われているのだ。
信濃守殿、今の言葉を聞かれましたな」
「はい、確かにお聞き申した。
家中の者が幕府の仕来りを破って密貿易をしているかもしれないと、この者は確かに申しました」
俺は取り調べに同席している、大目付の織田信濃守信節に念を押した。
俺はあくまでも東照神君の巫覡として御告げを伝えているだけで、実際に処分をするのは大目付なのだ。
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