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克全

第24話一八二四年、収支

一八二三年は、西欧列強を迎え討つために色々な事をはじめたが、その全てが途中経過でしかなかった。
だから一八二四年は、地固めに精を出した
まだまだ全ての政策が道半ばなのだ。

収入の柱となる北前船は、百隻は国内航路を一年かけて交易させて、七四隻は武装させて東南アジア航路を二年がかりで交易させている。
東南アジア航路の利益は莫大で、二年で一隻一万両以上を稼いでくれている。
帰ってきた船は大幅な修理が必要だが、一隻辺り百両の修理費くらいは、一万両稼いでくれるのに比べれば安いものだ。

修理するついでに、改装して西洋式の帆にしたが、その費用に一隻あたり五百両かかったとしても、一年で日本海を三往復できるようになれば、十分元が取れる。
幕府の禁令があるので、竜骨のある船や西洋式の帆を使う船は俺の所有船だけだから、圧倒的に有利な条件で交易ができている。

昨年建造した西洋帆船、快速丸五隻と迅速丸五隻も、東南アジア交易で莫大な利益を上げてくれるだろう。
今年建造した快速丸五隻と迅速丸五隻も、練習航海が終われば、順次東南アジア航路に投入するつもりだ。

陶磁器や七輪などは、北前船を使って売ったり、普通に江戸で売ったりした。
蝦夷樺太の商場運上金は、普通の十万石大名家以上の富をもたらしてくれる。
採用試験用の武芸大会は、もうすっかり江戸の娯楽として定着している。

問題はドライゼ銃だった。
今の鉄砲鍛冶の技術では、一年で千丁を完成させるのが精一杯だった。
そこで仕方なく、昨年に引き続き諸藩や民間から、火縄銃五千丁を八千両で購入したが、問題はドライゼ銃の購入金額だった。
文政小判が導入され、物価が高騰している状態では、ドライゼ銃一丁四両では利益が出ず、親方は弟子を大量育成できない。
そこでドライゼ銃一丁を六両で買い取ることにした。
このまま物価の高騰が続けば、収支が読めなくなってしまう。
また徳川家斉をしかりつけてやろうかな。

「一八二四年の松前松平家収支」

備蓄金 :△三百十三万四千百二十両

北前船 :△十万両(百隻分)
北前船 :△七十四万両(七十四隻は船団を組み清国や東南アジア)
北前船 :△七万三千二百両(自家以外の百八十三隻運上金)
快速丸 :五隻(船団を組み清国や東南アジア)
迅速丸 :五隻(船団を組み清国や東南アジア)
商場運上:△六万両
試合興行:△十八万両
ドライゼ銃:△一万六千両(未完成返金)
小計  :△百十六万九千二百両

藩士扶持:▲三万二千百六十両(六千兵)
鉄砲購入:▲八千両(五千丁)
小銃生産:▲三万両(ドライゼ銃五千丁)
鍛冶職 :▲二万両(日本刀、槍、鏃)
練炭  :▲五千両
豆炭  :▲五千両
七輪  :▲一万両
陶磁器 :▲二万両
反射高炉:▲八千両(松前藩函館二炉一基を二基)
反射高炉:▲八千両(松前藩福山館二炉一基を二基)
快速丸 :▲一万両(五十トン五隻×二千両)
迅速丸 :▲二万両(百トン五隻×四千両)
艦艇修理:▲七千四百両(七十四隻)
西洋帆化:▲三万七千両(七十四隻)
小計  :▲二十二万五百六十両

総計  :△四百八万二千七百六十両

「現有戦力」
反射高炉:高須藩・独立四炉を四基
反射高炉:江戸韮山二炉一基を二基
反射高炉:▲八千両(松前藩函館二炉一基を二基)
反射高炉:▲八千両(松前藩福山館二炉一基を二基)
快速丸 :五十トン=十隻
迅速丸 :百トン=十隻
北前船 :百七十四隻
火縄銃 :一万丁
ドライゼ銃:千丁

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