転生 徳川慶勝 日露開戦 日米開戦
第19話一八二三年、天然痘と通信網
俺が江戸で必死の政策を行っている頃、蝦夷樺太ではとんでもない事が起きていたが、その情報がようやく俺の元に届いた。
俺が蝦夷樺太の統治のために送った高須系松前松平家藩士と、種痘所開設のために送った蘭医から、蝦夷樺太で天然痘が大流行していると言う連絡が来たのだ。
俺は自分の力不足に歯軋りする想いだった。
知識として知ってはいたのだが、まだ幼児の俺には先手が打てなかった。
言葉が話せるようになり、自分で歩けるようになるまでは、全く無力なのだ。
神童の名を勝ち取り、資金を手にれられる年齢になれたのが、ようやく今なのだ。
それでも、失われたいアイヌの命に胸が痛む。
そして、通信網の整備を後回しにしていた事も後悔した。
資金的に始めることができなかったと言い訳はできる。
名声も地位もなかったと言い訳する事もできる。
だが、金儲けを優先して、蝦夷樺太との連絡網構築を後回しにしたのは確かだ。
江戸時代の中期には、大坂の米相場をいち早く他の地域に伝達するために、旗を振って情報を伝える、旗振り通信が利用されている。
それに海軍が使っていた手旗信号と望遠鏡を組み合わせれば、日本中に通信網を構築する事が可能だ。
後は伝書鳩こと軍用鳩だ。
遠距離の蝦夷樺太と江戸の間で情報を伝達するには、伝書鳩の育成も外せない。
電信が発達する事は分かっているが、直ぐに日本中に網羅できるわけではない。
戦争になれば、敵の攻撃で寸断されることも考えておかなければいけない。
旗振り通信、伝書鳩、電信網、早飛脚、馬伝令と、複数の連絡網を構築すべきだ。
その為の人員を採用育成しなければならない。
旗振り通信は米問屋に圧力をかけてやらせよう。
電信網は外国に開発させてから手にいれよう、俺では無理だ。
早飛脚、馬伝令は幕府の尻を叩いてやらせる。
伝書鳩だけは俺がやらなければいけないから、全国の鷹匠と御鷹組の部屋住み子弟を召し抱えて飼わせよう。
彼らなら、敵が伝書鳩を使っても、鷹を使って邪魔してくれる。
いや、敵の極秘情報を入手してくれる可能性さえあるのだ。
蝦夷樺太からの情報を受けて、俺がそのような事を考えている時、蝦夷樺太に渡ってくれた家臣と蘭医が、八面六臂の活躍をしてくれていた。
蘭医は、種痘と経口補水液を使って独力でアイヌを治療していたが、あまりにも広大な蝦夷樺太と患者の多さに、津軽藩などの医者に助けを求めた。
天然痘に罹患していないアイヌ人が、伝令を買って出て、小舟を使って津軽海峡を渡り手紙を届けたのだ。
そして代官となった家臣は、天明の大飢饉以降買い叩いていたアイヌの産物を、倍の値段で買い取ったばかりか、悪質な和人を取り締まり、俺の評判を高めるように活動してくれていた。
まあ、俺が命令した人心掌握のための姑息な作戦ではある。
これでアイヌの産物を今までより多く手に入れることができれば、結果的に多くの利益を手に入れることができる。
俺が蝦夷樺太の統治のために送った高須系松前松平家藩士と、種痘所開設のために送った蘭医から、蝦夷樺太で天然痘が大流行していると言う連絡が来たのだ。
俺は自分の力不足に歯軋りする想いだった。
知識として知ってはいたのだが、まだ幼児の俺には先手が打てなかった。
言葉が話せるようになり、自分で歩けるようになるまでは、全く無力なのだ。
神童の名を勝ち取り、資金を手にれられる年齢になれたのが、ようやく今なのだ。
それでも、失われたいアイヌの命に胸が痛む。
そして、通信網の整備を後回しにしていた事も後悔した。
資金的に始めることができなかったと言い訳はできる。
名声も地位もなかったと言い訳する事もできる。
だが、金儲けを優先して、蝦夷樺太との連絡網構築を後回しにしたのは確かだ。
江戸時代の中期には、大坂の米相場をいち早く他の地域に伝達するために、旗を振って情報を伝える、旗振り通信が利用されている。
それに海軍が使っていた手旗信号と望遠鏡を組み合わせれば、日本中に通信網を構築する事が可能だ。
後は伝書鳩こと軍用鳩だ。
遠距離の蝦夷樺太と江戸の間で情報を伝達するには、伝書鳩の育成も外せない。
電信が発達する事は分かっているが、直ぐに日本中に網羅できるわけではない。
戦争になれば、敵の攻撃で寸断されることも考えておかなければいけない。
旗振り通信、伝書鳩、電信網、早飛脚、馬伝令と、複数の連絡網を構築すべきだ。
その為の人員を採用育成しなければならない。
旗振り通信は米問屋に圧力をかけてやらせよう。
電信網は外国に開発させてから手にいれよう、俺では無理だ。
早飛脚、馬伝令は幕府の尻を叩いてやらせる。
伝書鳩だけは俺がやらなければいけないから、全国の鷹匠と御鷹組の部屋住み子弟を召し抱えて飼わせよう。
彼らなら、敵が伝書鳩を使っても、鷹を使って邪魔してくれる。
いや、敵の極秘情報を入手してくれる可能性さえあるのだ。
蝦夷樺太からの情報を受けて、俺がそのような事を考えている時、蝦夷樺太に渡ってくれた家臣と蘭医が、八面六臂の活躍をしてくれていた。
蘭医は、種痘と経口補水液を使って独力でアイヌを治療していたが、あまりにも広大な蝦夷樺太と患者の多さに、津軽藩などの医者に助けを求めた。
天然痘に罹患していないアイヌ人が、伝令を買って出て、小舟を使って津軽海峡を渡り手紙を届けたのだ。
そして代官となった家臣は、天明の大飢饉以降買い叩いていたアイヌの産物を、倍の値段で買い取ったばかりか、悪質な和人を取り締まり、俺の評判を高めるように活動してくれていた。
まあ、俺が命令した人心掌握のための姑息な作戦ではある。
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