私はどうしようもない凡才なので、天才の妹に婚約者の王太子を譲ることにしました
第22話:晴天の霹靂・フローラ視点
「やれ、やれ、お前らまだまだだな。
年若いから仕方がないが、それでは魔術が上達しても教員として学院生を教えることなどできないぞ、しっかりしろ。
眼の前にあるチャンス、運をつかみ取れなくてどうする。
自分達の目の前にあるモノをしっかり見ろ。
そんな事では王侯貴族子弟や子女から平民学院生を護れないぞ」
ロイド君から厳しく指摘されてしまいました。
ロイド君に見えている事が私達には見えていないようです。
ロイド君が口にするからには間違いなくチャンスがあるのでしょう。
私達は目の前にあるチャンスを見逃してしまうほど未熟なのですね。
心を落ち着けて冷静に考えなければいけません。
今回必要なのは、学院にいる王侯貴族の子弟子女から平民学院生を護ってくれる、心優しく力がある貴族の後ろ盾です。
単に善良なだけで力のない貴族では駄目なのです。
力があっても平民を利用しようとする貴族でも駄目なのです。
ですがそんな都合のいい貴族が私達の前にいるとは思えないのですが。
なんでしょうか、強い視線を感じてしまいますね。
ドロシー嬢は何故そんな熱のこもった眼で私を見ているのでしょうか。
何故シモン君は期待するような目で私を見ているのでしょうか。
ピエール君は情けなさそうな表情で私を見ていますね。
イザベル、何故貴女は可哀想な人を見るような視線を私に向けるのですか。
「ああああああ、フローラ嬢だ、フローラ嬢がいた」
ライル君、五月蠅いです、声が大きすぎます。
それに私を指さすのは止めてください、ライル君。
私には平民を下に見る気持ちはありませんが、流石に指を指されると、礼儀知らずな行動に気分が悪くなってしまいますよ。
えええっと、それにしても私ですか。
私がみんなの後ろ盾になるという事ですか。
ウィリアム王太子に婚約を解消するように圧力をかけられ、母上に無理矢理学院に放り込まれるような私に、みんなの後ろ盾になる力などないのですが。
ロイド君が間違えることもあるのですね。
「ようやく分かったか、お前ら。
いいか、魔境も戦場も学院内も同じなんだ。
常在戦場の気持ちを忘れたら、俺達平民は王侯貴族にいいように使い殺されるぞ。
もっと緊張して日々を送るんだ。
フローラ嬢の実家はキャンベル王国でも一番の名門フレイザー公爵家だ。
そのフレイザー公爵家のお抱え魔術士を害する事は、最低でもフレイザー公爵家との戦争を覚悟しなければいけなくなる。
最悪の場合はキャンベル王国全体と戦争もあり得るんだ。
フローラ嬢に後ろ盾になってもらえれば、大抵の貴族は手出しできなくなる。
これくらいの計算はフローラ嬢が同級生になった時に計算しておけ」
止めてくださいロイド君。
確かにフレイザー公爵家には力があります。
ですが私個人には全く力がないのです。
私はウィリアム王太子に嫌われて婚約解消にまで追い込まれたのです。
みんなに期待を持たせても後で落胆させるだけなのです。
年若いから仕方がないが、それでは魔術が上達しても教員として学院生を教えることなどできないぞ、しっかりしろ。
眼の前にあるチャンス、運をつかみ取れなくてどうする。
自分達の目の前にあるモノをしっかり見ろ。
そんな事では王侯貴族子弟や子女から平民学院生を護れないぞ」
ロイド君から厳しく指摘されてしまいました。
ロイド君に見えている事が私達には見えていないようです。
ロイド君が口にするからには間違いなくチャンスがあるのでしょう。
私達は目の前にあるチャンスを見逃してしまうほど未熟なのですね。
心を落ち着けて冷静に考えなければいけません。
今回必要なのは、学院にいる王侯貴族の子弟子女から平民学院生を護ってくれる、心優しく力がある貴族の後ろ盾です。
単に善良なだけで力のない貴族では駄目なのです。
力があっても平民を利用しようとする貴族でも駄目なのです。
ですがそんな都合のいい貴族が私達の前にいるとは思えないのですが。
なんでしょうか、強い視線を感じてしまいますね。
ドロシー嬢は何故そんな熱のこもった眼で私を見ているのでしょうか。
何故シモン君は期待するような目で私を見ているのでしょうか。
ピエール君は情けなさそうな表情で私を見ていますね。
イザベル、何故貴女は可哀想な人を見るような視線を私に向けるのですか。
「ああああああ、フローラ嬢だ、フローラ嬢がいた」
ライル君、五月蠅いです、声が大きすぎます。
それに私を指さすのは止めてください、ライル君。
私には平民を下に見る気持ちはありませんが、流石に指を指されると、礼儀知らずな行動に気分が悪くなってしまいますよ。
えええっと、それにしても私ですか。
私がみんなの後ろ盾になるという事ですか。
ウィリアム王太子に婚約を解消するように圧力をかけられ、母上に無理矢理学院に放り込まれるような私に、みんなの後ろ盾になる力などないのですが。
ロイド君が間違えることもあるのですね。
「ようやく分かったか、お前ら。
いいか、魔境も戦場も学院内も同じなんだ。
常在戦場の気持ちを忘れたら、俺達平民は王侯貴族にいいように使い殺されるぞ。
もっと緊張して日々を送るんだ。
フローラ嬢の実家はキャンベル王国でも一番の名門フレイザー公爵家だ。
そのフレイザー公爵家のお抱え魔術士を害する事は、最低でもフレイザー公爵家との戦争を覚悟しなければいけなくなる。
最悪の場合はキャンベル王国全体と戦争もあり得るんだ。
フローラ嬢に後ろ盾になってもらえれば、大抵の貴族は手出しできなくなる。
これくらいの計算はフローラ嬢が同級生になった時に計算しておけ」
止めてくださいロイド君。
確かにフレイザー公爵家には力があります。
ですが私個人には全く力がないのです。
私はウィリアム王太子に嫌われて婚約解消にまで追い込まれたのです。
みんなに期待を持たせても後で落胆させるだけなのです。
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