そんなに妹が好きなら死んであげます。
第46話:グレアムとルーパス3
「ぬぉおおおお」
守護石に新たな加護を受けたグレアムがルーパスに斬りかかってきた。
ほんの少し前にルーパスなら、攻撃を受けたのを言い訳にしてグレアムを殺していただろうが、今は殺せなくなっていた。
軍馬達の献身を見た後では、殺したいのに殺せない心境になっていた。
「えええええ、面倒な奴だ」
ルーパスは素早く魔術を発動して突っ込んでくるグレアムを跳ね飛ばした。
「ぬぉおおおお」
だが全く諦めることなく、グレアムがまた突っ込んでくる。
ルーパスが仕方なくまた魔術を使って跳ね飛ばす。
それでも諦めずにグレアムが突っ込んでくる。
五度六度と諦めることなく突っ込んでくる。
ルーパスも徐々に苛立ちや怒りよりも哀れに想う気持ちが強くなってきた。
ルーパスも魔王軍との戦いで多くの人を見てきた。
善良だがとても愚かで、人に利用され真っ先に死んでいった人達。
グレアムがそんな人達と重なってしまう。
大切なオードリーにこれ以上つきまとわれたくはない。
だがこの男なら命を捨ててオードリーを護ろうとするだろう。
何故だか分からないが守護石もこの男と軍馬達を認めている。
歴戦のルーパスがグレアムの扱いに困ってしまった。
「ぬぉおおおお」
「いい加減にやめろ、まだ分からいのか。
私はオードリーの父親ルーパスだ。
今日までオードリー護ってくれた事には感謝するが、もう大丈夫だ。
私が戻ってきたからには、もう誰にもオードリーを傷つけさせない」
グレアムの捨て身の突っ込みが二十回を超えると、ルーパスも流石に相手するのが嫌になって、話したくない気持ちを抑えて話しかけた。
とても善良な娘の恋人に会ってしまって、別れさせようとしていたのに、どうしていいのか分からなくなった父親と同じなのかもしれない。
色々と悩んだ結果、善良で利用価値もあるのだが、オードリーは自分で護るから遠くに追いやろうと決断して話しかけた。
「おおおおお、大魔術師ルーパス様ですか。
オードリー様に辛く苦しい想いをさせてしまった事、勇者様やルーパス様から受けた大恩に報いることができなかった事、恥ずかしく申し訳なく思っております。
その罪を償うために、命を捨ててルーパス様とオードリー様にお仕えする事は当然の事でございます。
身命を賭して仕えさせていただきますので、何なりとお命じください」
「「「「ヒッヒッヒィイイイ」」」」
ルーパスは即座に断ろうとした、断ろうとしたのだが、軍馬達まで嘶く。
しかも魔力を回収しなければいけない守護石が妙な点滅をしだした。
オードリーを助けたいのと同じくらいミネルバを早く蘇らせたい。
変な進化をしてしまった守護石と争うわけにもいかない。
ルーパスはほとほと困ってしまった。
守護石に新たな加護を受けたグレアムがルーパスに斬りかかってきた。
ほんの少し前にルーパスなら、攻撃を受けたのを言い訳にしてグレアムを殺していただろうが、今は殺せなくなっていた。
軍馬達の献身を見た後では、殺したいのに殺せない心境になっていた。
「えええええ、面倒な奴だ」
ルーパスは素早く魔術を発動して突っ込んでくるグレアムを跳ね飛ばした。
「ぬぉおおおお」
だが全く諦めることなく、グレアムがまた突っ込んでくる。
ルーパスが仕方なくまた魔術を使って跳ね飛ばす。
それでも諦めずにグレアムが突っ込んでくる。
五度六度と諦めることなく突っ込んでくる。
ルーパスも徐々に苛立ちや怒りよりも哀れに想う気持ちが強くなってきた。
ルーパスも魔王軍との戦いで多くの人を見てきた。
善良だがとても愚かで、人に利用され真っ先に死んでいった人達。
グレアムがそんな人達と重なってしまう。
大切なオードリーにこれ以上つきまとわれたくはない。
だがこの男なら命を捨ててオードリーを護ろうとするだろう。
何故だか分からないが守護石もこの男と軍馬達を認めている。
歴戦のルーパスがグレアムの扱いに困ってしまった。
「ぬぉおおおお」
「いい加減にやめろ、まだ分からいのか。
私はオードリーの父親ルーパスだ。
今日までオードリー護ってくれた事には感謝するが、もう大丈夫だ。
私が戻ってきたからには、もう誰にもオードリーを傷つけさせない」
グレアムの捨て身の突っ込みが二十回を超えると、ルーパスも流石に相手するのが嫌になって、話したくない気持ちを抑えて話しかけた。
とても善良な娘の恋人に会ってしまって、別れさせようとしていたのに、どうしていいのか分からなくなった父親と同じなのかもしれない。
色々と悩んだ結果、善良で利用価値もあるのだが、オードリーは自分で護るから遠くに追いやろうと決断して話しかけた。
「おおおおお、大魔術師ルーパス様ですか。
オードリー様に辛く苦しい想いをさせてしまった事、勇者様やルーパス様から受けた大恩に報いることができなかった事、恥ずかしく申し訳なく思っております。
その罪を償うために、命を捨ててルーパス様とオードリー様にお仕えする事は当然の事でございます。
身命を賭して仕えさせていただきますので、何なりとお命じください」
「「「「ヒッヒッヒィイイイ」」」」
ルーパスは即座に断ろうとした、断ろうとしたのだが、軍馬達まで嘶く。
しかも魔力を回収しなければいけない守護石が妙な点滅をしだした。
オードリーを助けたいのと同じくらいミネルバを早く蘇らせたい。
変な進化をしてしまった守護石と争うわけにもいかない。
ルーパスはほとほと困ってしまった。
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