喪女なのに悪役令嬢に転生しました、何もやる気になれません。
第7話:呪殺・アイリス視点
重いです、自分が何とも想っていない人からの溺愛は重すぎます。
領地で病気療養したいと言ってから三カ月経ちました。
ですが私を溺愛する父が一向に領地の戻る許可を出してくれません。
母も兄も私に味方してくれましたが、駄目でした。
まあ、私の病気療養はあからさまな嘘なので、仕方ないですね。
「うっ、う、う、う、う」
むねが、胸が痛いです。
焼けつくような痛みが、胃から心臓、心臓から食道に駆けのぼります。
これほどの痛みは、先の呪殺の時以来です。
これは、また呪殺なのでしょうか。
それとも心筋梗塞か何かを起こしているのでしょうか。
「お嬢様、アイリスお嬢様!
閣下、公爵閣下、お嬢様が、アイリスお嬢様が!
魔術長、呪術長、何をやっているのですか。
お前達も一味なのですか」
マイラ、マイラが半狂乱になっています。
普段あれほど冷静な淑女なのに、よほど私の事が心配なのですね。
ごめんなさいね、マイラ。
貴女が愛していた本物のアイリスはもう死んでいるのよ。
私が死んだ方が貴女も諦めがつくかもしれませんね。
「お嬢様、アイリスお嬢様、護符でございます、護符をしっかり握られてください」
ドミニク、乳妹のドミニクが抱きしめてくれます。
涙など流してもしかたないのですよ、私は偽者なのですから。
本当に死ぬのかな、この前のように別の人が憑依するのかな。
……嫌だ、死にたくない、怖い、何も分からないのは嫌!
こんな事なら、もっと本気で魔術と錬金術を学べばよかった。
三カ月も無駄にしてしまった。
三カ月を小説を書くのではなく、魔術に使っていたらこんな事にならなかった。
「お嬢様、護符を握ってくださいませ。
呪殺から身を護ってくれる護符でございます。
生命力を高める護符でございます。
助かります、必ず助かりますから、護符を握ってください、お嬢様」
「ああ、すまないアイリス、私が悪かったアイリス。
あの時私が領地に帰る許可を与えていれば、こんな事にはならなかったのだ。
私が王宮で王太子殿下との婚約解消を認めれば、こんな事にはならなかったのだ。
私が王宮でアイリスの魔力が高まった事を自慢しなければ、こんな事にはならなかったのだ、ごめんよアイリス、ゆるしてくれアイリス」
お前が原因なのか、父よ、いや、ヴィゼル公爵クレマン。
お前がアイリスを溺愛している事は知っている。
普段は名公爵なのに、アイリスが関係した時だけ暴走するのも知っている。
だが事はアイリスの命がかかっているのだぞ。
呪殺を謀った相手が見つかっていないのに、敵を煽るような言動をしてどうする。
「グッはっ」
我慢できずに血を吐いてしまいました。
真っ黒な血です。
これは、本当に死んでしまうかもしれません。
領地で病気療養したいと言ってから三カ月経ちました。
ですが私を溺愛する父が一向に領地の戻る許可を出してくれません。
母も兄も私に味方してくれましたが、駄目でした。
まあ、私の病気療養はあからさまな嘘なので、仕方ないですね。
「うっ、う、う、う、う」
むねが、胸が痛いです。
焼けつくような痛みが、胃から心臓、心臓から食道に駆けのぼります。
これほどの痛みは、先の呪殺の時以来です。
これは、また呪殺なのでしょうか。
それとも心筋梗塞か何かを起こしているのでしょうか。
「お嬢様、アイリスお嬢様!
閣下、公爵閣下、お嬢様が、アイリスお嬢様が!
魔術長、呪術長、何をやっているのですか。
お前達も一味なのですか」
マイラ、マイラが半狂乱になっています。
普段あれほど冷静な淑女なのに、よほど私の事が心配なのですね。
ごめんなさいね、マイラ。
貴女が愛していた本物のアイリスはもう死んでいるのよ。
私が死んだ方が貴女も諦めがつくかもしれませんね。
「お嬢様、アイリスお嬢様、護符でございます、護符をしっかり握られてください」
ドミニク、乳妹のドミニクが抱きしめてくれます。
涙など流してもしかたないのですよ、私は偽者なのですから。
本当に死ぬのかな、この前のように別の人が憑依するのかな。
……嫌だ、死にたくない、怖い、何も分からないのは嫌!
こんな事なら、もっと本気で魔術と錬金術を学べばよかった。
三カ月も無駄にしてしまった。
三カ月を小説を書くのではなく、魔術に使っていたらこんな事にならなかった。
「お嬢様、護符を握ってくださいませ。
呪殺から身を護ってくれる護符でございます。
生命力を高める護符でございます。
助かります、必ず助かりますから、護符を握ってください、お嬢様」
「ああ、すまないアイリス、私が悪かったアイリス。
あの時私が領地に帰る許可を与えていれば、こんな事にはならなかったのだ。
私が王宮で王太子殿下との婚約解消を認めれば、こんな事にはならなかったのだ。
私が王宮でアイリスの魔力が高まった事を自慢しなければ、こんな事にはならなかったのだ、ごめんよアイリス、ゆるしてくれアイリス」
お前が原因なのか、父よ、いや、ヴィゼル公爵クレマン。
お前がアイリスを溺愛している事は知っている。
普段は名公爵なのに、アイリスが関係した時だけ暴走するのも知っている。
だが事はアイリスの命がかかっているのだぞ。
呪殺を謀った相手が見つかっていないのに、敵を煽るような言動をしてどうする。
「グッはっ」
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真っ黒な血です。
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