アイドルに救われた男は、二度目の人生でアイドルを救うために芸能界を目指す。〜気づいたら国民的俳優に〜

ドラ猫

第五話 明美と勧誘

当然だが、俺たちはマンションに住んでいます。8階あるうちの3階。ちょうど角になっているところ。

本来なら、妹が生まれ、父の仕事も安定してきていたところなので、一軒家にでも引っ越そうかと言う話が出ていたが、それは当然なくなった。


マンションはご近所付き合いは結構重要だ。なんなら、子供たちは小学校が同じになる可能性が高い。そんなこともあって、ママ友たちは積極的にコミニティを作る。そんなこともあってか近所の情報などは自ずと回ってくる。

うちの隣の部屋の住人は若い新婚たちだったが、最近子供が生まれたらしく、一軒家に住むことにしたそうだ。父が死んで3日後のことだった。

別にここは重要なことではない。重要なのはその後だ。

その後、隣に引っ越してきたのは、

今目の前にいるこの人だった。

「どうもー!春華さん。それに誠くん。恵ちゃん。」

赤司明美。俺の叔母だった。






「どうして、おば」

「んん?なあに?まことくん?」

「んや?おねちゃ!どして?」

「んーとね。私、隣に引っ越してきたの。」

「ええ!?」

引っ越してきた?隣に、、、?

「春華さんと相談してね。ちょうどいいからって。」

俺は恵を抱っこしている母を見る。

「うん。実はそうなの。明美ちゃんが家事を手伝ってくれるっていってくれて、、、本当は自分の力でなんとかしなきゃいけないって思ってたんだけど、、、」

「それで、私が叱ったってわけ。私のお兄ちゃんを落としたってのに、なんか弱々しいわね。もっと頼ってくれていいんだよって。」

結構仲良かったんだな。この二人。

「それはそうと、リビング行きましょ。玄関で話してないで。」

「うん。」

俺たちはリビングに移動して、ソファーに向かい合って座る。俺は母の隣に、明美さんは向かい側だ。

「それで、引っ越す条件というか、相互利益を生むための口実だから断ってくれて構わないんだけど、、、まことくん。」

「うん?」

「芸能界、目指さない?」

「げいのーかい?って?」

俺は当然知ってるけど、2歳の状態で知っているわけがない。俺は当然質問しなければならない。

それにしても、明美さんが俺を芸能界に誘う?どゆこと?

「えっとね、私、実は芸能事務所のマネージャーの仕事をやっているの。芸能界っていうのはテレビに出るお仕事とか、雑誌に載ったりするお仕事のことかな。まことくんはテレビ出たい?」

明美さんは芸能事務所で働いてるのか。どっちかっていうと、タレントの方だと思っちゃうんだけど。美人だから。

うーん。どう返事しようか。

テレビ、芸能界、モデル、、、、

ん?いいじゃないのか、これ。もし成功したら幼い時からお金を稼ぐことができる。


それに、、、

ももっちに近づくことができる。モデルにでも俳優にでもなってテレビに出ることができればももっちにも共演という形で会うことができるようになるかもしれない。ま、もしかしたらの話だけど。それに、ももっちを救うといってもこのまま一般人のままじゃできないことが多すぎる。それならいっそ有名人を目指すってのもありか?

「テレビ、、、出たい!げいのーかいめざす!」

「そっかぁ。良かった。」

「テレビでる、かんたん?」

「うーん。誘っといて悪いけど、テレビ出るのはオーディションっていうのを受けなきゃいけないんだよ。これがまたすごい難しくて。でもね、まことくんなら行けそうな気がするのよ。なんたって、お兄ちゃんの遺伝子受け継いで、こんなに美人な春華さんが産んだ子なんだから顔はいいに決まってるし、この前からずっと思ってたけど怖いくらい賢いし、、、とりあえずまことくんは才能あるわ。」

たしかに、、、。俺の顔がこんなに良かったのかって、鏡見た時今でも時々驚く。賢いのは元は高校生だったからなんて言えないけど、、、たしかに客観的に見れば才能あるってことになるのはわかる。

「ママは?」

とりあえず、母がどう思ってるのか知りたい。

「私は、あまり乗り気ではなかったの。第一に誠が心配なの。芸能界ってやぱり怖い面もたくさんあると思うから。それに、子供には親が付き添わなきゃいけないでしょ?私にはそんな余裕がないの、、。」

「春華さん。その点は私にお任せください。叔母の私なら付き添い可能ですし、絶対にまことくんを守って見せます。まことくんなら子役やモデルになって、近い将来この家の家計を楽にしてくれます。というと、実利的になってしまいますが、まことくんもやってみたいのよね?」

俺はコクン、とうなずく。

「なら、やってみるのはどうかしら?春華さん。私に任せてください。」

「そう、、、。それなら、任せてみようかしら。私だって誠は成功するに違いないって思ってるから。」




こうして、芸能界に入ることに決めた俺。ここから物語が急速に動き出す。






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