呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第286話 褒め言葉
「じゃあここからはみんな別行動だね」
「え?」
あかねが提案しているが急すぎてビックリした。めぐも驚いたようであかねの方を見ている。
「だってほら、イリスちゃんとフラフィーちゃんは修行でしょ? クロエちゃんは調べものしに行くから王都だし」
言われてみればそうか。イリスとフラフィーの修行がどんなもんかはわからないが、全力で戦っていた前回を見ているとこの辺りでは出来ないだろう。なんだったら獣人族の村にでも行ってちゃんとした修行も同時にやった方がいいかもしれないな。
ついでにあの二人は反省の意味も込めてみんなと別々に行動しておいてほしいまである。今回なら相当なことが無ければ別行動してもそうそうまずいことが起きることもあるまい。
「私はあかねの案に賛成」
「私も……今はそばにいても迷惑かけちゃうだけですので」
「致し方なし」
というわけで満場一致で別行動に決まりました。また俺ぼっちなのかなこれ。いやぼっちじゃないやめぐと一緒だからなにも寂しくねえや。
いいのかみんな、俺はまたやるぞ? いや、そこまで把握してそう言ってるのか? あかねとクロエの事だし、みんなのわだかまりを無くすために積極的な俺とめぐの仲を進展させようとしてる……とかかな。
「一応もうちょっと調べてみるけど神気回復する方法ってあるのかしらね。屑鉄のダンジョンで会っためぐの後輩にでも聞けたら手っ取り早いのだけど」
「あ」
「え?」
クロエがポツリと漏らした言葉にめぐが反応する。ええと? もしかしてめぐさん後輩さんの事忘れていましたか? 俺の中にあるめぐの力は過剰になってしまうから返せない、というのがあるから一気に回復は諦めていたけど……。
「めぐ、その手があったかって顔してるけどもしかして……?」
「たぶん、というか確かにあの子呼べれば何とかなるかも」
めぐが言うには女神は人に力を与えることが出来るため、あの女神なら今のめぐに力を与えることが可能のはずということだった。本来はやっちゃダメな事だそうだが今更感あるし、そもそもこの世界はあの女神の管轄になるから誤魔化す事は可能だろう、というのがめぐの話。
この女神まじで不正しかしないな。この世界、というか俺達の事を最優先にした結果の行動だろうけど女神サイドからみてこの行動は大丈夫なのだろうか……。急に後輩以外の女神きてめぐ連れていかれるとかまじで勘弁よ。
「となると私は王都に行く必要はほとんどないわね。めぐ、後輩を直接呼ぶのは無理なのよね?」
「うん、流石にこっちから呼びかけるのは出来ないかな……。前回みたいなイレギュラーな事を起こさない限りはこっちに干渉しないのが普通だからね」
つまりまたイレギュラーな事を起こさなくてはならないという事か。それは果たしてマジに調べものをするのとどっちが早いのだろうかと思わなくもないが、手がかりがある以上はこっちを当たってみる方がいいだろう。
ただ、イレギュラーな事って時点で嫌な予感しかしないが。
「なぁめぐ、女神の力ってまだあちこちに散らばってるのか?」
俺が質問するとめぐは首を横に振る。
「ううん、私の意識とかこの体とか色々準備するのにほとんど使い切っちゃった。あのスケルトンに入ってたのは物理的に回収出来なかったってのもあって忘れてたんだ。でも……私が地上に降りた時に、スケルトンのを抜きにしても全部の力を回収出来てればもう少し強い体になるはずだったんだよね、だからたぶん、どこかに残ってるはず。ちょっと待ってね」
そういうとめぐは手を組んで目を閉じる。いつもなら神々しさに目がくらみ拝み倒すレベルの行為だが、純粋に可愛いなという気持ちも沸いてくる。俺が女神様を女神様として認識しているのはやはり神気を感じ取っているからなのだろう。
しかし一人の幼女が祈ってる姿をみんなで見つめている光景というのはなんかこう、色々とすごい絵面だな。
「うーん、確かにありますね……。あっちの方角かな? 結構距離あるような、ないような……。うまく感じ取れないからどこかダンジョンの中とか、封印されてるとか、誰かが隠してるとかそんな感じかもしれない」
「なるほど、あっちの方角は……宗教国家あるけど、確かにちょっと怪しいな」
めぐの力はその場にあるだけでやたら神聖さを感じさせる。前の世界ではめぐがよく訪れていた町はずれの教会、ボロボロになっていても中に入るだけで何か違うと感じるほどだった。
つまりそれがある場所はそれだけで神聖な空気を纏う場所になる。もしそこに宗教関係の誰かが来た場合、付近に何かあるかもしれないと必死に探すという事もあるだろう。そして見つけてそこを守ってるとか。他の物はめぐが回収した事を考えると何か偶然が重なって発見されたんだろう。
とにかくめぐの力であるならば信者である俺が回収しなくてどうするというのか。もしそれが誰かの手にあるのだったら力づくでも奪い取る。
持ってるのが女神を信じている人間だったらどうするだって? 俺が第一信者だ。そこのところを分かってくれれば話し合いくらいは対応してやろうという気持ちはあるよ。手放さない選択肢を取ってきたら迷わず奪うが。
俺はめぐの状態であっても女神様の状態であっても信者だからな。なので誰かが女神様たる力を持っていて、そのご神体であるめぐが目の前にいるのに力を返さないというのは本当の意味で女神を信じていないということになる。不敬罪である。裏切り者には死を。
「キミヒト君がやばい目してる」
「お兄ちゃんは私の事となると見境いないからね……」
褒め言葉だろ。狂信者にとって見境いないは一途さを表すと世界各国で教えているからしっかり学ぶようによろしくお願いします。
「んじゃみんなの行動をもう一度確認するぞ」
ちょっと予定が変わったのでみんなの行動を再確認。
イリスとフラフィーが修行。具体的にはフラフィーの狂獣化を抑えるための特訓。女神の加護で無理やり抑えるのは無理があったってことだろうな。むしろその女神の加護にすら嫉妬して感情が暴走したまである。
やり方はイリスに全てを任せる。不安がないと言えば嘘になるが、良いように転がってくれることを祈っておこう。あの二人だけにしておくとまじで問題が起きる予感しかしないがしゃあない。問題に対する対処も楽しいからいいよ。お仕置きと称していじり倒せるからね。そのせいか知らんけどこいつら反省しないけど。
んであかねはこの街に残ってやりたいことがあるとか。鍛え直すとか言ってるけどたぶん嘘だろう。だが実際問題としてあかねに残ってもらえるのはありがたい。あかねならこの街の事わかってるし勇者達もいる。
ロンド達の事も気になるし、さらにあずきもいるから問題無し。魔王関係でケイティの事はあるが……あいつはプライド高そうだしクロエを狙ってくるだろう。それに全員で行動ってのはちょっと目立ちすぎる。宗教国家は排他的っぽいし目を付けられても困る。ちなみに宗教国家って呼んでるけど国ではない。俺が勝手に呼んでるだけ。
俺とクロエなら隠密に事を成し遂げられるしな。奪う事前提になってるけどそこは最悪の事態を想定しているって事で納得しておこう。
「え?」
あかねが提案しているが急すぎてビックリした。めぐも驚いたようであかねの方を見ている。
「だってほら、イリスちゃんとフラフィーちゃんは修行でしょ? クロエちゃんは調べものしに行くから王都だし」
言われてみればそうか。イリスとフラフィーの修行がどんなもんかはわからないが、全力で戦っていた前回を見ているとこの辺りでは出来ないだろう。なんだったら獣人族の村にでも行ってちゃんとした修行も同時にやった方がいいかもしれないな。
ついでにあの二人は反省の意味も込めてみんなと別々に行動しておいてほしいまである。今回なら相当なことが無ければ別行動してもそうそうまずいことが起きることもあるまい。
「私はあかねの案に賛成」
「私も……今はそばにいても迷惑かけちゃうだけですので」
「致し方なし」
というわけで満場一致で別行動に決まりました。また俺ぼっちなのかなこれ。いやぼっちじゃないやめぐと一緒だからなにも寂しくねえや。
いいのかみんな、俺はまたやるぞ? いや、そこまで把握してそう言ってるのか? あかねとクロエの事だし、みんなのわだかまりを無くすために積極的な俺とめぐの仲を進展させようとしてる……とかかな。
「一応もうちょっと調べてみるけど神気回復する方法ってあるのかしらね。屑鉄のダンジョンで会っためぐの後輩にでも聞けたら手っ取り早いのだけど」
「あ」
「え?」
クロエがポツリと漏らした言葉にめぐが反応する。ええと? もしかしてめぐさん後輩さんの事忘れていましたか? 俺の中にあるめぐの力は過剰になってしまうから返せない、というのがあるから一気に回復は諦めていたけど……。
「めぐ、その手があったかって顔してるけどもしかして……?」
「たぶん、というか確かにあの子呼べれば何とかなるかも」
めぐが言うには女神は人に力を与えることが出来るため、あの女神なら今のめぐに力を与えることが可能のはずということだった。本来はやっちゃダメな事だそうだが今更感あるし、そもそもこの世界はあの女神の管轄になるから誤魔化す事は可能だろう、というのがめぐの話。
この女神まじで不正しかしないな。この世界、というか俺達の事を最優先にした結果の行動だろうけど女神サイドからみてこの行動は大丈夫なのだろうか……。急に後輩以外の女神きてめぐ連れていかれるとかまじで勘弁よ。
「となると私は王都に行く必要はほとんどないわね。めぐ、後輩を直接呼ぶのは無理なのよね?」
「うん、流石にこっちから呼びかけるのは出来ないかな……。前回みたいなイレギュラーな事を起こさない限りはこっちに干渉しないのが普通だからね」
つまりまたイレギュラーな事を起こさなくてはならないという事か。それは果たしてマジに調べものをするのとどっちが早いのだろうかと思わなくもないが、手がかりがある以上はこっちを当たってみる方がいいだろう。
ただ、イレギュラーな事って時点で嫌な予感しかしないが。
「なぁめぐ、女神の力ってまだあちこちに散らばってるのか?」
俺が質問するとめぐは首を横に振る。
「ううん、私の意識とかこの体とか色々準備するのにほとんど使い切っちゃった。あのスケルトンに入ってたのは物理的に回収出来なかったってのもあって忘れてたんだ。でも……私が地上に降りた時に、スケルトンのを抜きにしても全部の力を回収出来てればもう少し強い体になるはずだったんだよね、だからたぶん、どこかに残ってるはず。ちょっと待ってね」
そういうとめぐは手を組んで目を閉じる。いつもなら神々しさに目がくらみ拝み倒すレベルの行為だが、純粋に可愛いなという気持ちも沸いてくる。俺が女神様を女神様として認識しているのはやはり神気を感じ取っているからなのだろう。
しかし一人の幼女が祈ってる姿をみんなで見つめている光景というのはなんかこう、色々とすごい絵面だな。
「うーん、確かにありますね……。あっちの方角かな? 結構距離あるような、ないような……。うまく感じ取れないからどこかダンジョンの中とか、封印されてるとか、誰かが隠してるとかそんな感じかもしれない」
「なるほど、あっちの方角は……宗教国家あるけど、確かにちょっと怪しいな」
めぐの力はその場にあるだけでやたら神聖さを感じさせる。前の世界ではめぐがよく訪れていた町はずれの教会、ボロボロになっていても中に入るだけで何か違うと感じるほどだった。
つまりそれがある場所はそれだけで神聖な空気を纏う場所になる。もしそこに宗教関係の誰かが来た場合、付近に何かあるかもしれないと必死に探すという事もあるだろう。そして見つけてそこを守ってるとか。他の物はめぐが回収した事を考えると何か偶然が重なって発見されたんだろう。
とにかくめぐの力であるならば信者である俺が回収しなくてどうするというのか。もしそれが誰かの手にあるのだったら力づくでも奪い取る。
持ってるのが女神を信じている人間だったらどうするだって? 俺が第一信者だ。そこのところを分かってくれれば話し合いくらいは対応してやろうという気持ちはあるよ。手放さない選択肢を取ってきたら迷わず奪うが。
俺はめぐの状態であっても女神様の状態であっても信者だからな。なので誰かが女神様たる力を持っていて、そのご神体であるめぐが目の前にいるのに力を返さないというのは本当の意味で女神を信じていないということになる。不敬罪である。裏切り者には死を。
「キミヒト君がやばい目してる」
「お兄ちゃんは私の事となると見境いないからね……」
褒め言葉だろ。狂信者にとって見境いないは一途さを表すと世界各国で教えているからしっかり学ぶようによろしくお願いします。
「んじゃみんなの行動をもう一度確認するぞ」
ちょっと予定が変わったのでみんなの行動を再確認。
イリスとフラフィーが修行。具体的にはフラフィーの狂獣化を抑えるための特訓。女神の加護で無理やり抑えるのは無理があったってことだろうな。むしろその女神の加護にすら嫉妬して感情が暴走したまである。
やり方はイリスに全てを任せる。不安がないと言えば嘘になるが、良いように転がってくれることを祈っておこう。あの二人だけにしておくとまじで問題が起きる予感しかしないがしゃあない。問題に対する対処も楽しいからいいよ。お仕置きと称していじり倒せるからね。そのせいか知らんけどこいつら反省しないけど。
んであかねはこの街に残ってやりたいことがあるとか。鍛え直すとか言ってるけどたぶん嘘だろう。だが実際問題としてあかねに残ってもらえるのはありがたい。あかねならこの街の事わかってるし勇者達もいる。
ロンド達の事も気になるし、さらにあずきもいるから問題無し。魔王関係でケイティの事はあるが……あいつはプライド高そうだしクロエを狙ってくるだろう。それに全員で行動ってのはちょっと目立ちすぎる。宗教国家は排他的っぽいし目を付けられても困る。ちなみに宗教国家って呼んでるけど国ではない。俺が勝手に呼んでるだけ。
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