呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第261話 地面に頭をこすりつけるのは普通
覚悟を決めた俺はとりあえず部屋の外にでて深呼吸をする。これから行う事は俺の中で一生に一度あるかないかの大事な勝負所だ。大丈夫だとは思う、だがそれは俺が思っているだけで確実性の伴うものじゃあない。
俺は仲の良い幼馴染に告白するような心づもりで深呼吸を続ける。不屈の効果があったとしてもこの胸のドキドキは決して抑えることは出来ない。何故ならそれはバッドステータスではなく程よい緊張感を与えてくれて、勇気を振り絞る気分を高めてくれるものだから。
思えば良い思いもしたけど、それを当然だと思ったことは一度もなかったな。感謝の気持ちを常に持ち続け、相手のことを本当に大切だと思ったからこそ今俺はこの場所に立てている。
「すー、はー……よし、行くか」
俺はそのまま歩きだし外に出る。どうやらあかねとクロエはどこかに出かけているようだ。もしかしたら耐性高める装備でも買いに行ったのかもしれない。つまり今外にいるのはあずきと戯れるティティ、そしてそれを微笑ましく見守るめぐの姿。
決意を固めた俺の姿を見てめぐは不思議そうな顔をしながら俺に問いかけてくる。
「お兄ちゃん? どうかしましたか?」
俺を真っすぐ見つめる綺麗な瞳、金がかった白っぽい髪、どれをとっても美しく可愛らしい俺の愛する女神様のめぐ。俺はめぐの目を真っすぐに見つめてその後すぐさま地面に土下寝する。土下座じゃ足りない、土下寝だ。
俺の奇行にめぐだけでなくティティも驚いているような気配を感じる。しかし俺はこの姿勢をやめるわけにはいかない。何故なら。
「女神様、誠に申し訳ありませんがこのキミヒトにお力添えをお願いできませんでしょうか!? 本来自分で解決しなければならない所私めのような一信者に女神様のお力を貸していただくなんて事が無理な事は重々承知しています! おこがましいなんてものじゃなくもう一回生まれ変わってこいって言われても仕方のないことだとも思います! しかしどうしても、どうしてもお話を聞いていただきたいのです……。女神様の立場から、お願いされることは非常にご迷惑な事と存じております。しかし、しかし……」
「わーかった! わーかったからお兄ちゃんもうほんとそういうのやめて!」
俺の浅ましいお願いを最後まで言い切る前に女神様ことめぐは俺の体を起こそうとする。そのあまりにも慈悲深い行動に俺の心は温かさで満たされて行く。見た目だけでなく心まで美しい女神様の信者でいられて私とても幸せです。ありがとうめぐ。
これからも俺は感謝の心とこの身を全力で捧げさせていただきますので死ぬまでよろしくお願いします。
「はぁはぁ……油断してた。最近お兄ちゃんが普通に接してくるもんだから忘れてたけどお兄ちゃんこうだった」
「慈悲に感謝いたします」
「お兄ちゃん、兄妹設定なんだからそういうの人目を引くしおかしいと思うよ?」
「妹にお願いする時に地面に頭をこすりつけるのは普通だよ」
「普通じゃないよ!?」
よくわからないけどめぐがヒートアップしてきたので本題に入る。俺達がこんな感じでやりとりしていたけど、ティティは俺がおかしな行動を取るのは普通だと思ったようであずきと戯れることを優先したようだ。
あずきはずっと俺に助けを求めるような眼を向けてきているが、あずきにはティティのご機嫌取りをしてもらわなければならない。俺がこの宿屋で問題を起こした場合、お前の存在がある事によって追放は免れるという戦法だ。
たぶん普通だったら森を更地にするような連中を宿屋に泊めるような人はいないだろう。俺だったらたぶん追い出してるって自覚はある。だけどあずきがいることによってティティが親を説得してくれた可能性が結構高い。だから頼んだぞあずき。あと俺の奇行を見てスルーするのも良い感じに嬉しいからありがとう。
本題に入ろうと思ったけど全然は入れてなかったわ。
「それで女神さ……」
「めぐ」
「……それじゃめぐ、お願いなんだけど」
俺はさっき考えていた結末と過程をとりあえずめぐに説明する。俺がこれからしようと思っていることにめぐの協力は不可欠だが、どうしてめぐの力を借りることになるかの説明はしておくべきだろう。
なんにしろ不誠実極まりないけど、やるならとことん不誠実にいこう。中途半端にするくらいなら全力で、これがモットーです。
「というわけで俺の手に余るからめぐにイリスの精霊を引っぺがしてほしいんだよね」
「そんなことくらいであんなにお願いしないと私が動かないと思ってたんですか……?」
そんなことじゃなくない? 結構深刻な問題だし精霊引っぺがすのなんてめぐにしか出来ないだろうし普通に考えてかなりの事だと思うけど。めぐにとっては朝飯前みたいなできごとだったか、流石俺の女神様。頼りになるぜ。
なんだかちょっと呆れた顔をしていて興奮が抑えきれないので頭をよしよししておく。女神様の可愛さが留まるところをしらない。もっと崇め奉らなければならないだろう。教会にご神体でもつくるか。
「ありがとな、めぐ」
「私もお兄ちゃんの力になりたい気持ちはあるんだからね?」
最近めぐが俺にやたらと甘い気がする。こちらとしては勘違いしそうになるほどの距離感を感じてしまうが、女神様の慈悲の心に邪な感情を向けるなど信者としてあるまじき行為。一度フラフィーに刺してもらって正気を取り戻そう。
積極的に刺してもらいに行くことが正気がどうかは俺にはもうわからなくなっているが。
          
俺は仲の良い幼馴染に告白するような心づもりで深呼吸を続ける。不屈の効果があったとしてもこの胸のドキドキは決して抑えることは出来ない。何故ならそれはバッドステータスではなく程よい緊張感を与えてくれて、勇気を振り絞る気分を高めてくれるものだから。
思えば良い思いもしたけど、それを当然だと思ったことは一度もなかったな。感謝の気持ちを常に持ち続け、相手のことを本当に大切だと思ったからこそ今俺はこの場所に立てている。
「すー、はー……よし、行くか」
俺はそのまま歩きだし外に出る。どうやらあかねとクロエはどこかに出かけているようだ。もしかしたら耐性高める装備でも買いに行ったのかもしれない。つまり今外にいるのはあずきと戯れるティティ、そしてそれを微笑ましく見守るめぐの姿。
決意を固めた俺の姿を見てめぐは不思議そうな顔をしながら俺に問いかけてくる。
「お兄ちゃん? どうかしましたか?」
俺を真っすぐ見つめる綺麗な瞳、金がかった白っぽい髪、どれをとっても美しく可愛らしい俺の愛する女神様のめぐ。俺はめぐの目を真っすぐに見つめてその後すぐさま地面に土下寝する。土下座じゃ足りない、土下寝だ。
俺の奇行にめぐだけでなくティティも驚いているような気配を感じる。しかし俺はこの姿勢をやめるわけにはいかない。何故なら。
「女神様、誠に申し訳ありませんがこのキミヒトにお力添えをお願いできませんでしょうか!? 本来自分で解決しなければならない所私めのような一信者に女神様のお力を貸していただくなんて事が無理な事は重々承知しています! おこがましいなんてものじゃなくもう一回生まれ変わってこいって言われても仕方のないことだとも思います! しかしどうしても、どうしてもお話を聞いていただきたいのです……。女神様の立場から、お願いされることは非常にご迷惑な事と存じております。しかし、しかし……」
「わーかった! わーかったからお兄ちゃんもうほんとそういうのやめて!」
俺の浅ましいお願いを最後まで言い切る前に女神様ことめぐは俺の体を起こそうとする。そのあまりにも慈悲深い行動に俺の心は温かさで満たされて行く。見た目だけでなく心まで美しい女神様の信者でいられて私とても幸せです。ありがとうめぐ。
これからも俺は感謝の心とこの身を全力で捧げさせていただきますので死ぬまでよろしくお願いします。
「はぁはぁ……油断してた。最近お兄ちゃんが普通に接してくるもんだから忘れてたけどお兄ちゃんこうだった」
「慈悲に感謝いたします」
「お兄ちゃん、兄妹設定なんだからそういうの人目を引くしおかしいと思うよ?」
「妹にお願いする時に地面に頭をこすりつけるのは普通だよ」
「普通じゃないよ!?」
よくわからないけどめぐがヒートアップしてきたので本題に入る。俺達がこんな感じでやりとりしていたけど、ティティは俺がおかしな行動を取るのは普通だと思ったようであずきと戯れることを優先したようだ。
あずきはずっと俺に助けを求めるような眼を向けてきているが、あずきにはティティのご機嫌取りをしてもらわなければならない。俺がこの宿屋で問題を起こした場合、お前の存在がある事によって追放は免れるという戦法だ。
たぶん普通だったら森を更地にするような連中を宿屋に泊めるような人はいないだろう。俺だったらたぶん追い出してるって自覚はある。だけどあずきがいることによってティティが親を説得してくれた可能性が結構高い。だから頼んだぞあずき。あと俺の奇行を見てスルーするのも良い感じに嬉しいからありがとう。
本題に入ろうと思ったけど全然は入れてなかったわ。
「それで女神さ……」
「めぐ」
「……それじゃめぐ、お願いなんだけど」
俺はさっき考えていた結末と過程をとりあえずめぐに説明する。俺がこれからしようと思っていることにめぐの協力は不可欠だが、どうしてめぐの力を借りることになるかの説明はしておくべきだろう。
なんにしろ不誠実極まりないけど、やるならとことん不誠実にいこう。中途半端にするくらいなら全力で、これがモットーです。
「というわけで俺の手に余るからめぐにイリスの精霊を引っぺがしてほしいんだよね」
「そんなことくらいであんなにお願いしないと私が動かないと思ってたんですか……?」
そんなことじゃなくない? 結構深刻な問題だし精霊引っぺがすのなんてめぐにしか出来ないだろうし普通に考えてかなりの事だと思うけど。めぐにとっては朝飯前みたいなできごとだったか、流石俺の女神様。頼りになるぜ。
なんだかちょっと呆れた顔をしていて興奮が抑えきれないので頭をよしよししておく。女神様の可愛さが留まるところをしらない。もっと崇め奉らなければならないだろう。教会にご神体でもつくるか。
「ありがとな、めぐ」
「私もお兄ちゃんの力になりたい気持ちはあるんだからね?」
最近めぐが俺にやたらと甘い気がする。こちらとしては勘違いしそうになるほどの距離感を感じてしまうが、女神様の慈悲の心に邪な感情を向けるなど信者としてあるまじき行為。一度フラフィーに刺してもらって正気を取り戻そう。
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