呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る

こが

第258話 大体地球産

「リーダー……あの子らってリーダーのパーティメンバーだよな……?」

「うん」

「やばすぎない?」

俺達がやってきたのを見てルカが声をかけてくる。俺も眺めてみてるけど想像以上に暴れ放題暴れてて何やってんだあいつらって感じ。イリスに至っては髪色変わってるから変身までしてるしフラフィーもフラフィーでイリスと戦えてるしどうした。

よく見てみるとフラフィーの表情死んでるな……うん、あれ見たことある。狂獣化で理性失ってる時の顔だよ。守護の光で抑えて上手く扱えるようになってたんじゃないんかい。

なんかこう、守護の光が濁って見える。結構ヤバイ状態なのでは。

「というかルカ達って今日ダンジョン攻略行ってるんじゃなかったのか?」

「その予定で実際に潜ってたんだけど……」

外で大暴れしているヤバイ奴らがいるということで呼び戻されたらしい。受付嬢が全力ダッシュしてきてルカ達に泣きついて戻ってくるように頼みこんだとのこと。それで仕方なくダンジョン攻略を一時中断してこっちへ。うちの子達がごめんなさい。

俺達が呼ばれなかったのは居場所が分からなかったからだそうだ。うん、俺達報告しないで行ったからね。ステータスが振りきってても決まりは決まりだからあのダンジョンに入るにはちょっと色々足りてない。

ばれなきゃぁいいんだよばれなきゃぁ。絶対このあとバレるけど。

「なぁリーダー……あの子の魔法、私のより強いと思うんだけど……」

ほう、ダンジョン攻略の恩恵でスキル強化を何度か経て、さらに呪いの効果を完全に断ち切った勇者よりも強いのか。まじで凶悪な事になってるんだなぁ。シオリが前に言ってたけど本当に勇者以外で唯一魔王と戦えそうな人材なんだろうな。

正直あれだけ戦えて負ける気がしないけど、あれでも魔王と戦うのきついのだろうか。勇者達が束になってかかってようやく戦えるレベルとかだったらどうしようか、考えを見直す必要があるかもしれないか?

「ルカ姉さん! ルカ姉さんの魔法も私は大好きですよ!」

「ありがとう」

確かにルカの魔法はかなり綺麗だった。細い火を操って導火線みたいにパチパチやってたし、線香花火みたいなのもやろうと思えば出来るのだろう。でもなんかこの子の言い方と目付き……? 見た目の話してるよね? なんかこう、まなざしがアブノーマルな感じがするからそういう風に見えるんだけど違うよね?

……鑑定。

はい、アウト。

『リリカ:ドが付くMなレズ女子。ロウソク攻めやむち打ちが好み。ルカに見られている時限定で魔物の攻撃を受けてMPが回復するスキル持ち』

この子レズでアブノーマルだわ。手の施しようがない。俺と信頼関係を築いて看病スキルを発動したとしても治す事の出来ない不治の病持ちのどうしようもない感じの人種。一体どんな生活を送ってきたらこんな手遅れな女の子が出来上がってしまうのか。

あかねも大概だしこの子もやばいし性犯罪者も混ざってたし勇者召喚最初からなんか不具合出てたんじゃないまじで。色々な意味で勇ましい者なんだけど勇者ってそう言う解釈する職業じゃないよね?

「キミヒト君は人の事言えないからね」

あかねがなんか言ってら。

あーでもフラフィーも結構おかしいしムバシェもおかしかったからこっちの世界に来て色々と間違った方向に染まった可能性もあるな。アブノーマルな世界に来て自分の中の隠れた性癖が解放された的なそんな感じ。

俺もロリコンという魂に火をつけられたから歯止めが効かないような状態に陥ったし誘惑激しすぎる世界だしきっとこの世界には人の欲望を刺激する何かがあるんだと思う事にしよう。

「ルカちゃん達はずっと勇者で固まったパーティだし、私は元からだしキミヒト君も元からだよね? おかしい人たちは大体地球産だよ。現実から目を背けないで」

……あかねが地球のおかしさをひたすらに語ってくれる。多様性に溢れてるよな地球。うん、とりあえずどこの世界にもおかしい奴はいるって事でそろそろ現実逃避をやめて目の前の戦いを見ようかな。

そう思った時、実況解説して賭け事していた男が俺達の方に向かってきた。ルカ達も結構目立っていたしそこと話していたらそら重要人物かと思われるか。でもどうせ最終的には目立つことになるだろうしどうでもいいか。

「おや兄さんたち、あの子達の知り合いかい?」

「知り合いというか仲間です」

「ほう! じゃあ君たちが賭けに参加してくれたら盛り上がりそうだな!」

男は賭け事のネタになると俺達を巻き込む。というわけで俺はイリスが勝つ方にベット。

「いやお兄ちゃん何普通に賭けてるの」

「流れには乗る主義でな」

じゃなきゃぁこんな世界でやっていけない。激流に身を任せ、気づけばロリハーレムを形成しよくわからない世界観に没入しているこの現状。まともな精神を持っていたら乗り切れるわけがないと思うんだ。

なので乗れるものには全て乗る。せっかく女神様が作り出してくれた世界、少しでも否定するのは心苦しいぜ。

「いいねえ兄さん! お前ら! あの子達の保護者が魔法使いの子に賭けたぞ! 変更するなら今のうちだー!」

そう言って男はまた元の場所に戻って行った。やっぱり冒険者はお酒とお金と賭け事があれば満足しちゃう人種だよな。みんなさらに盛り上がってきてるわ。あいつら探索者だけど。

俺が賭けに乗ったことで変更しようか迷う者、さらに上掛けしていく者、現場は周りが見えなくなるほどに熱狂していった。賭け方に決まりないのも中々流動的で面白いな。やめることは出来ないみたいだけど。

「お兄ちゃん、止めなくていいの?」

めぐが不安そうに俺の服をつかみながら問いかけてくる。いつもイリスがやってるの真似たのかな? 可愛い。なんだかんだで人間の体めちゃくちゃ楽しんでるよね。

「あぁ、止める必要はない、というかやらせた方が良いんじゃないかなあれは。あかねとクロエはどう思う?」

「私もやらせてた方が良いかな」

「そうね、イリスがあんなに真面目に相手してあげてるのなんてあんまりないし」

やはりあかねもクロエも俺と同意見。イリスもフラフィーも戦ってはいるがいい顔をしている。いやフラフィーは表情ないけど、何か信念を持って戦っているのではっていう感じの表情。

めぐもたぶんわかってはいると思うんだけど……と思った瞬間横で轟音。何人か吹っ飛んだ。

「……っていう意味で私は聞いたんだけど」

「……」

フラフィーは理性が吹っ飛んでいるのか、余裕がないのか、イリスの魔法を好き勝手に弾いている。受け流しの精度が戦闘中にどんどん上がっていった結果なんだろうけど、食らった人生きてるか?

イリスもイリスで、様々な魔法を撃ち放っていきフラフィーを仕留めようと手数がどんどん増えていく。お陰で加速度的に地形と人に被害が出てくる。

「おおっとついに恐れていた出来事が発生だー! 各人防御体制ー! あっ」

実況解説の男が叫ぶがその直後被弾。やかましかった男が何も言わなくなったため辺りはフラフィーとイリスの戦闘音だけになる。そしてさらに犠牲者が出たところで大半の人が逃げ出した。

そこに残ったのはルカのパーティーと俺達だけだった。

「……」

これ、絶対問題になるよね?

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品