呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第231話 ムードがない
先にクロエとフラフィーとめぐがもう一方の部屋に入るのを見送ると、イリスに引っ張られて俺はすぐに部屋に押し込まれる。そしてイリスは呪文を詠唱する。なんでや。
「精霊、この部屋の音と振動と魔力とダメージを外に出さないようにして。お願い」
「音と振動はわからなくもないけど魔力とダメージって何を想定してるんだよ」
俺が突っ込みを入れるがイリスはそれを無視。あかねも華麗にスルー。そして部屋の中には結界に近しいものが形成されて行く。どうやらこれも事前に話し合いによって作られるのが決定していた様だ。
イリスは結界というか無理やり空間を隔離しているようだが、ごり押しなんてレベルじゃないだろう。ミカのお店の結界を無視してテレポートかますし精霊の事を酷使し過ぎなんじゃないでしょうか。俺に止められる術はないが。
迂闊なこと言ったらフラフィーのモツ抜き、イリスのもう一回遊べるドンコース来そう。フラフィーとイリスだったらまじで殺人現場になってたかもしれないな。俺が本気でスキル全部使って二人の文字通りの猛攻を凌ぐとか意味のわからん感じの。
フラフィーじゃなくてあかねでよかったわ。
「……」
「イリスちゃん? さりげなく催眠魔法を私にかけても効かないからね?」
イリスが結界を張り終わったのに何かつぶやいていると思ったらどうやらあかねを眠らせようとしていたようだ。いや、君達仲悪いの? 俺さっきからベッドの上で身じろぎ一つ出来ないくらいなんですけど?
俺と一緒になるための部屋割りだったのにまず邪魔者を排除しようという試みが行われているこの現状。殺意とまではいかないが明確に邪魔ものだとお互いが思っているような雰囲気を感じます。
「あかねはずるい」
「ずるくないですー。正統な報酬ですー」
あかねに魔法の効果が無いことが分かったのかイリスは詠唱をやめた。というかなんであかね効かないんだよって思ってよく見たらこいつも守護の光使ってるわ。そうか、よく考えなくてもあかねが女神様にガチで感謝してるから使えても不思議じゃないな。
あかねは前の世界で死んで、そのあと生き返って俺達とまた一緒にいられるようになった。その感動を想えば楽勝で使えてもおかしくないな。なんだかんだで善性高いからやれるっちゃやれるのか。フラフィーの特権はどんどんなくなっていくな。
いや違うか。あかねがチート化の一途をたどっているのか。
「イリスちゃん聞いて? 私はキミヒト君に呪い解いてもらってさ、その後ずっと一緒にいて勇者の情報とか街の情報とかずっと集めてたんだよ? 街にいる大勢の人たちの中から頑張って頑張って心の声拾いながら! それなのにキミヒト君は私のことぞんざいに扱うし私がベッドに寝てるのをガチでただの引きこもりだと思っていたし一緒にダンジョン行った時なんか元気の出る薬でムラムラしても全く手を出すそぶりを見せないしあまつさえ無理やり抑え込んで私の気持ちに応えてもくれないしみんなのことばっかり構うし気づいたら殺されて振り出しに戻ってたんだよ!? それでもずるいかな!?」
あかねは最初は普通に喋っていたがどんどんヒートアップしてきてかなりの早口になりながら喋っていた。というか後半はただの俺の愚痴である。いやほんと、まじでごめん。
あとイリスにいらん情報ぶん投げるのやめてくれ。元気の出る薬あたりから俺への視線が地味に痛いんですよ。
「あかね、お前ベッドで寝てるのただの引きこもりじゃなかったの?」
「キミヒト君以外はみんな私がスキル使いすぎてるって気付いてたよ」
「まじかよ……その、すまん」
あかねが寝たきりだったの本当にスキル使ってたからだったのか。フラフィー探す時とかもめちゃくちゃ集中してたしもうちょっと考えてあげるべきだったかもしれんな。それにしては態度がふざけ切っていたけど。
フラフィーちゃんに甘えるの幸せを感じるとか言ってたし完全にそっちで信じてたわ。元々ガチの引きこもりだしゴミは部屋にため込んでたしいつもベッドでゴロゴロしてたしスキル疲れを察しろとか無理な話。みんななんで気付いたのか。
どう考えても生粋の引きこもりだと思っていたしそう信じていたよ。だからこっちの世界に来てスキルが強化されたことによってこんなに元気なのか。前は宿屋とか来たらとりあえずベッドインだったからな。変な意味じゃなく。
「それなら私もある。私は最初にキミヒトのこと好きになった。檻から出してもらって、奴隷として返されることもなくて、信用出来ると思った。その後キミヒトは私の膝で苦しみながら呪いを解いた。愛しいと思った。でも最初はお姉ちゃんに持ってかれたし、流れでフラフィーに二番目持ってかれるし散々だった。そのあとじっくり出来たけど、そのあとはずっとみんなが邪魔するし軽いスキンシップしか出来なかった。あんまり出過ぎるとキミヒト刺されちゃうし遠慮もしてた。キミヒトがもっとみんなをちゃんと愛してくれればこんなことにはなってないと思う」
あれ? なんかイリスも俺の愚痴言い始めたんだけど。最初二人バチバチにやり合ってたのになんかわかり合ってきて俺の方に視線投げて来てるんだけど。なんか目配せしてるしさっきまでの殺伐感が無くなってきてるよ?
「キミヒト君、床」
「キミヒト、正座」
「はい」
ロリに命令されて座る床は最高です。ただ、気づけばあかねが分身のスキルを使って俺の事をがっつり後ろから押さえつけながら縄で縛ってるのが気になるところ。そんでイリスが良い感じのサイズの長方形の氷の塊を作ってるんだよね。
これあれだよね。足の上にどんどん追加で乗せてく奴。足の下にギザギザ無いからいけると思ったけど普通に浮かされて作られたわ。連携が素晴らしんだけど俺に特化し過ぎてる。
「キミヒト君、今日はこのままお説教……」
「いいや今日は無理だ」
「え……?」
俺はスキルを発動させる。まずは透過を使って俺を縛り付けている縄を解除し、普通に立ち上がりイリスの氷の塊も素通りする。そして続けてスキルを発動する。二人に向けて。
「え……? キミヒト……?」
「ちょっと、キミヒト君これ……」
「今日は最初に謝っておくよ。本当にすまん。だけど正直いってよく持ったと思うんだよね」
俺が二人に向けて発動させたスキルは防御。それはいつか兵士たちに使った全てのスキルを封じる、防御を逆さまに相手にかけるという技。これを行ったことによって、イリスは精霊への干渉を一時的にカットされ魔法が使えなくなる。
さらにイリスは精霊とエルフの混血児なので、精霊との干渉をカットされたことによって体から力が抜けてしりもちをつく。スカートでそんな恰好をしたためローアングルなら見えただろう。俺は立ってるから見えないけど。
「せ……れ……!? 上手く、喋れない?」
「イリスは自分の魔力を精霊に与えて魔法を使うけど、精霊にお願いもしてるよな? だから俺の虚偽のスキルで精霊って言葉を空白にしてる」
イリスの魔法は基本的に詠唱ありき。その時は必ず精霊にお願いをするか、自分の中の魔力を放出している。魔力に関しては防御によって無理やり干渉を消せるので問題無し。
しかし精霊へのお願いはどうしようもないので、それならと言葉を別の言葉に虚偽のスキルで置き換えた。こうすることによってイリスは完全に無効化される。
つまり、ただのめちゃくちゃ可愛いだけのロリと化す。さらには弱体化しているので本当に俺の好き放題にしても問題ない、ただただ可愛いだけの存在。
「そんな……」
「さてあかね。お前もだ」
「いやー、悪い顔してるねキミヒト君。ちょっと、いやかなり怖いんだけど……」
あかねは俺のスキルを実際に見ていたため何が起きているかを正確に把握しているだろう。防御の効果によって俺の心の声を拾えなくなったのでマジでビビってる顔してる。
正直な所あかねは俺をこれからお説教して二人がかり、正確には二人と分身の一体がかりでいたずらでもしようとしていたのだろう。だがそんなことはさせるわけにはいかない。
防御の影響で分身のあかねも消失しているので文字通り俺に手も足も出ない感じ。焦っている表情のあかねは非常に珍しいのでそれだけでもちょっと嬉しくなる感じ。
「お前らまじで好き勝手言ってくれてるけど俺の身にもなってくれ? イリスもあかねもぶちまけてくれたから俺もぶちまけるけどさ、一番ムラムラしてるの俺だからな? めちゃくちゃ、そらもう命を差し出しても惜しくないほどのロリ達に囲まれて、あまつさえ好意を持たれて、なんだったら体を重ねる所までいってるんだぞ?」
二人を無効化し、俺を縛っていた縄で二人をゆっくりと縛っていく。欲望の赴くままに亀甲縛りとかしたいけど長さも足りないし詳しいやり方はしらない。なので簡単に後ろ手に縛る。これだけでも充分すぎるほどにそそるものがある。
いつもと違う俺の様子に二人は抵抗できなくなっているが、俺が言っていることもわかるのかなんだか微妙な表情だ。アタックしているのが意味のない行動だったわけではなく、俺が必死に我慢しているというのを理解してきた感じ。
「だけどそれ以降全然してないの。わかる? 一人でもしてないの。というか皆がいるから出来ないの。不屈の力があるからなんとか無理やりそういう欲求押さえてるけどさ、俺だって男なわけですよ。皆が仲良く出来るようにあれ以降誰にも手を出さないように必死に自分を抑えていたんだよ? めちゃくちゃ辛いの」
縛り上げ無力化した二人を抱き上げてベッドに寝かせる。二人寝かせるとちょっと狭いが、その狭い所に中学生くらいのあかねと小学生くらいのイリスを寝かせるとなんだかいけないことをしている気分になって来る。
実際に行けない事をしているんだが。勢いで寝かせたけど思ったよりもクるなこれは。
「クロエは俺がこういう状態なのわかってるからあんまりやってこないけど、イリスは無邪気に色々してくるから俺はもういっぱいいっぱいなの。可愛い可愛いって保護欲で無理やり抑えてるけど抱き着かれると限界なの」
「えと、ごめん?」
俺の剣幕にイリスは少し驚きながらも、俺が怒っていない、むしろ若干辛そうにしているのを見て謝って来る。もうほんと可愛いなちくしょうが! めちゃくちゃにしてやりたい。
相変わらずさらさらの髪を手で梳きながら耳を優しく触る。恥ずかしそうにしているがちょっと嬉しそうな表情を見ると俺はものすごく元気になってしまう。
「あかねお前もな。充分効いてんだよふざけんな。お前見た目と雰囲気だったら一番好きだよ馬鹿野郎。友達のように付き合えるし一緒の世界から来てるから色々話せる事も多いし強いんだよ! それに気持ちの伝え方があざといんだよ!」
「うーん、予想外の展開だなぁ」
あかねの肩を掴んで揺らしながら熱く語る。一番好きなのはロリだが、彼女とか肉体関係を持つなら幼馴染とか友達くらいがいい。つまりあかねくらいが一番好ましい。ロリの事を神聖視しているので、クロエとイリスとする時は変な理性がずっと残っていた。でもあかねはそう言う心配がない。つまり手を出すならあかねのほうがたぶんハマる。
なんだかんだで可愛いし俺の事を理解してくれているし、変な所でしっかりと恥じらいも持っているし、突っ込みも出来るし、俺のために色々してくれたし優しい子だ。さらにユウキと戦う時に俺を叱咤したというかっこよさまで持ち合わせている。
「だからな、今日は俺がお前たちにいたずらする番な?」
「キミヒト、怖いけど、嬉しいかも」
「ムードがないなぁ」
二人とも俺が本気なのを見て覚悟、というかあきらめと期待の表情をしている。特にイリスはずっとしてほしいと言っていたし、俺と一緒になれるならどんな感じでも良いのかもしれない。もしくは俺から行動を起こしているから嬉しがっているのか。そっちのほうがそれっぽいな。
あかねはなんだかんだ言いつつ俺の方を見ずに顔を赤らめている。これから何が起こるのかを察しているようで、どんなことになるかかなり期待しているのだろう。初めてだろうし優しくして……やる必要はないよな。
ただ、あかねと二人きりでしたことはないので別の機会にそれは設けようと思う。今回は三人でするけどそこは許してもらおう。俺はもう色々と限界なんだよ。あかねのアプローチが激しすぎるしみんな寄ってたかって俺にスキンシップという暴力を働くし、そろそろお返ししてやりたいと思っていた。
比較的おとなしい二人に最初にお返し、あかねにも良い意味でのお返しも出来るし良い部屋分けだったと思う。みんなありがとう。
俺は収納から例の物を取り出し一気に飲み干す。
「精霊、この部屋の音と振動と魔力とダメージを外に出さないようにして。お願い」
「音と振動はわからなくもないけど魔力とダメージって何を想定してるんだよ」
俺が突っ込みを入れるがイリスはそれを無視。あかねも華麗にスルー。そして部屋の中には結界に近しいものが形成されて行く。どうやらこれも事前に話し合いによって作られるのが決定していた様だ。
イリスは結界というか無理やり空間を隔離しているようだが、ごり押しなんてレベルじゃないだろう。ミカのお店の結界を無視してテレポートかますし精霊の事を酷使し過ぎなんじゃないでしょうか。俺に止められる術はないが。
迂闊なこと言ったらフラフィーのモツ抜き、イリスのもう一回遊べるドンコース来そう。フラフィーとイリスだったらまじで殺人現場になってたかもしれないな。俺が本気でスキル全部使って二人の文字通りの猛攻を凌ぐとか意味のわからん感じの。
フラフィーじゃなくてあかねでよかったわ。
「……」
「イリスちゃん? さりげなく催眠魔法を私にかけても効かないからね?」
イリスが結界を張り終わったのに何かつぶやいていると思ったらどうやらあかねを眠らせようとしていたようだ。いや、君達仲悪いの? 俺さっきからベッドの上で身じろぎ一つ出来ないくらいなんですけど?
俺と一緒になるための部屋割りだったのにまず邪魔者を排除しようという試みが行われているこの現状。殺意とまではいかないが明確に邪魔ものだとお互いが思っているような雰囲気を感じます。
「あかねはずるい」
「ずるくないですー。正統な報酬ですー」
あかねに魔法の効果が無いことが分かったのかイリスは詠唱をやめた。というかなんであかね効かないんだよって思ってよく見たらこいつも守護の光使ってるわ。そうか、よく考えなくてもあかねが女神様にガチで感謝してるから使えても不思議じゃないな。
あかねは前の世界で死んで、そのあと生き返って俺達とまた一緒にいられるようになった。その感動を想えば楽勝で使えてもおかしくないな。なんだかんだで善性高いからやれるっちゃやれるのか。フラフィーの特権はどんどんなくなっていくな。
いや違うか。あかねがチート化の一途をたどっているのか。
「イリスちゃん聞いて? 私はキミヒト君に呪い解いてもらってさ、その後ずっと一緒にいて勇者の情報とか街の情報とかずっと集めてたんだよ? 街にいる大勢の人たちの中から頑張って頑張って心の声拾いながら! それなのにキミヒト君は私のことぞんざいに扱うし私がベッドに寝てるのをガチでただの引きこもりだと思っていたし一緒にダンジョン行った時なんか元気の出る薬でムラムラしても全く手を出すそぶりを見せないしあまつさえ無理やり抑え込んで私の気持ちに応えてもくれないしみんなのことばっかり構うし気づいたら殺されて振り出しに戻ってたんだよ!? それでもずるいかな!?」
あかねは最初は普通に喋っていたがどんどんヒートアップしてきてかなりの早口になりながら喋っていた。というか後半はただの俺の愚痴である。いやほんと、まじでごめん。
あとイリスにいらん情報ぶん投げるのやめてくれ。元気の出る薬あたりから俺への視線が地味に痛いんですよ。
「あかね、お前ベッドで寝てるのただの引きこもりじゃなかったの?」
「キミヒト君以外はみんな私がスキル使いすぎてるって気付いてたよ」
「まじかよ……その、すまん」
あかねが寝たきりだったの本当にスキル使ってたからだったのか。フラフィー探す時とかもめちゃくちゃ集中してたしもうちょっと考えてあげるべきだったかもしれんな。それにしては態度がふざけ切っていたけど。
フラフィーちゃんに甘えるの幸せを感じるとか言ってたし完全にそっちで信じてたわ。元々ガチの引きこもりだしゴミは部屋にため込んでたしいつもベッドでゴロゴロしてたしスキル疲れを察しろとか無理な話。みんななんで気付いたのか。
どう考えても生粋の引きこもりだと思っていたしそう信じていたよ。だからこっちの世界に来てスキルが強化されたことによってこんなに元気なのか。前は宿屋とか来たらとりあえずベッドインだったからな。変な意味じゃなく。
「それなら私もある。私は最初にキミヒトのこと好きになった。檻から出してもらって、奴隷として返されることもなくて、信用出来ると思った。その後キミヒトは私の膝で苦しみながら呪いを解いた。愛しいと思った。でも最初はお姉ちゃんに持ってかれたし、流れでフラフィーに二番目持ってかれるし散々だった。そのあとじっくり出来たけど、そのあとはずっとみんなが邪魔するし軽いスキンシップしか出来なかった。あんまり出過ぎるとキミヒト刺されちゃうし遠慮もしてた。キミヒトがもっとみんなをちゃんと愛してくれればこんなことにはなってないと思う」
あれ? なんかイリスも俺の愚痴言い始めたんだけど。最初二人バチバチにやり合ってたのになんかわかり合ってきて俺の方に視線投げて来てるんだけど。なんか目配せしてるしさっきまでの殺伐感が無くなってきてるよ?
「キミヒト君、床」
「キミヒト、正座」
「はい」
ロリに命令されて座る床は最高です。ただ、気づけばあかねが分身のスキルを使って俺の事をがっつり後ろから押さえつけながら縄で縛ってるのが気になるところ。そんでイリスが良い感じのサイズの長方形の氷の塊を作ってるんだよね。
これあれだよね。足の上にどんどん追加で乗せてく奴。足の下にギザギザ無いからいけると思ったけど普通に浮かされて作られたわ。連携が素晴らしんだけど俺に特化し過ぎてる。
「キミヒト君、今日はこのままお説教……」
「いいや今日は無理だ」
「え……?」
俺はスキルを発動させる。まずは透過を使って俺を縛り付けている縄を解除し、普通に立ち上がりイリスの氷の塊も素通りする。そして続けてスキルを発動する。二人に向けて。
「え……? キミヒト……?」
「ちょっと、キミヒト君これ……」
「今日は最初に謝っておくよ。本当にすまん。だけど正直いってよく持ったと思うんだよね」
俺が二人に向けて発動させたスキルは防御。それはいつか兵士たちに使った全てのスキルを封じる、防御を逆さまに相手にかけるという技。これを行ったことによって、イリスは精霊への干渉を一時的にカットされ魔法が使えなくなる。
さらにイリスは精霊とエルフの混血児なので、精霊との干渉をカットされたことによって体から力が抜けてしりもちをつく。スカートでそんな恰好をしたためローアングルなら見えただろう。俺は立ってるから見えないけど。
「せ……れ……!? 上手く、喋れない?」
「イリスは自分の魔力を精霊に与えて魔法を使うけど、精霊にお願いもしてるよな? だから俺の虚偽のスキルで精霊って言葉を空白にしてる」
イリスの魔法は基本的に詠唱ありき。その時は必ず精霊にお願いをするか、自分の中の魔力を放出している。魔力に関しては防御によって無理やり干渉を消せるので問題無し。
しかし精霊へのお願いはどうしようもないので、それならと言葉を別の言葉に虚偽のスキルで置き換えた。こうすることによってイリスは完全に無効化される。
つまり、ただのめちゃくちゃ可愛いだけのロリと化す。さらには弱体化しているので本当に俺の好き放題にしても問題ない、ただただ可愛いだけの存在。
「そんな……」
「さてあかね。お前もだ」
「いやー、悪い顔してるねキミヒト君。ちょっと、いやかなり怖いんだけど……」
あかねは俺のスキルを実際に見ていたため何が起きているかを正確に把握しているだろう。防御の効果によって俺の心の声を拾えなくなったのでマジでビビってる顔してる。
正直な所あかねは俺をこれからお説教して二人がかり、正確には二人と分身の一体がかりでいたずらでもしようとしていたのだろう。だがそんなことはさせるわけにはいかない。
防御の影響で分身のあかねも消失しているので文字通り俺に手も足も出ない感じ。焦っている表情のあかねは非常に珍しいのでそれだけでもちょっと嬉しくなる感じ。
「お前らまじで好き勝手言ってくれてるけど俺の身にもなってくれ? イリスもあかねもぶちまけてくれたから俺もぶちまけるけどさ、一番ムラムラしてるの俺だからな? めちゃくちゃ、そらもう命を差し出しても惜しくないほどのロリ達に囲まれて、あまつさえ好意を持たれて、なんだったら体を重ねる所までいってるんだぞ?」
二人を無効化し、俺を縛っていた縄で二人をゆっくりと縛っていく。欲望の赴くままに亀甲縛りとかしたいけど長さも足りないし詳しいやり方はしらない。なので簡単に後ろ手に縛る。これだけでも充分すぎるほどにそそるものがある。
いつもと違う俺の様子に二人は抵抗できなくなっているが、俺が言っていることもわかるのかなんだか微妙な表情だ。アタックしているのが意味のない行動だったわけではなく、俺が必死に我慢しているというのを理解してきた感じ。
「だけどそれ以降全然してないの。わかる? 一人でもしてないの。というか皆がいるから出来ないの。不屈の力があるからなんとか無理やりそういう欲求押さえてるけどさ、俺だって男なわけですよ。皆が仲良く出来るようにあれ以降誰にも手を出さないように必死に自分を抑えていたんだよ? めちゃくちゃ辛いの」
縛り上げ無力化した二人を抱き上げてベッドに寝かせる。二人寝かせるとちょっと狭いが、その狭い所に中学生くらいのあかねと小学生くらいのイリスを寝かせるとなんだかいけないことをしている気分になって来る。
実際に行けない事をしているんだが。勢いで寝かせたけど思ったよりもクるなこれは。
「クロエは俺がこういう状態なのわかってるからあんまりやってこないけど、イリスは無邪気に色々してくるから俺はもういっぱいいっぱいなの。可愛い可愛いって保護欲で無理やり抑えてるけど抱き着かれると限界なの」
「えと、ごめん?」
俺の剣幕にイリスは少し驚きながらも、俺が怒っていない、むしろ若干辛そうにしているのを見て謝って来る。もうほんと可愛いなちくしょうが! めちゃくちゃにしてやりたい。
相変わらずさらさらの髪を手で梳きながら耳を優しく触る。恥ずかしそうにしているがちょっと嬉しそうな表情を見ると俺はものすごく元気になってしまう。
「あかねお前もな。充分効いてんだよふざけんな。お前見た目と雰囲気だったら一番好きだよ馬鹿野郎。友達のように付き合えるし一緒の世界から来てるから色々話せる事も多いし強いんだよ! それに気持ちの伝え方があざといんだよ!」
「うーん、予想外の展開だなぁ」
あかねの肩を掴んで揺らしながら熱く語る。一番好きなのはロリだが、彼女とか肉体関係を持つなら幼馴染とか友達くらいがいい。つまりあかねくらいが一番好ましい。ロリの事を神聖視しているので、クロエとイリスとする時は変な理性がずっと残っていた。でもあかねはそう言う心配がない。つまり手を出すならあかねのほうがたぶんハマる。
なんだかんだで可愛いし俺の事を理解してくれているし、変な所でしっかりと恥じらいも持っているし、突っ込みも出来るし、俺のために色々してくれたし優しい子だ。さらにユウキと戦う時に俺を叱咤したというかっこよさまで持ち合わせている。
「だからな、今日は俺がお前たちにいたずらする番な?」
「キミヒト、怖いけど、嬉しいかも」
「ムードがないなぁ」
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あかねはなんだかんだ言いつつ俺の方を見ずに顔を赤らめている。これから何が起こるのかを察しているようで、どんなことになるかかなり期待しているのだろう。初めてだろうし優しくして……やる必要はないよな。
ただ、あかねと二人きりでしたことはないので別の機会にそれは設けようと思う。今回は三人でするけどそこは許してもらおう。俺はもう色々と限界なんだよ。あかねのアプローチが激しすぎるしみんな寄ってたかって俺にスキンシップという暴力を働くし、そろそろお返ししてやりたいと思っていた。
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