呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第202話 マイペースで安心
「キミヒト、このエルフたちどうする?」
エルフが従順になったのでこのまま脱出かと思いきやイリスが俺に質問をしてくる。他のメンバー達も俺がどう言うか気にしているようだがどうした。別にこのエルフたちが何してても良いし普通に家に帰してやればいいと思うけど。
連れて行くには人数多すぎるしこの人達だって帰りたいだろう。
「キミヒトに危害加えた、罰することもできる」
「ああそういうこと? 俺は別にいいよ。ダメージ食らったわけでもないし」
たぶんあの魔力の刃食らってもたいしたダメージにならなかったって言うのもある。殺す気で来てあれならまずやられることは無いだろう。弱ってるのもあるしここでこいつらを見捨てる方が後味がわるい。
それだったら適当に恩でも売っておいた方が後々良いような気がする。恩を返してくれるかはわからないけど無暗に殺すほうが面倒くさい。それに俺にしか攻撃してないからな。
もし仲間たちに攻撃加えていたら守りはしたけどそれなりにやり返すことにはなっただろう。
「あかねさん、キミヒトさんああ言ってますけどあの人たち危険じゃないんですか?」
「うーん、イリスちゃんがいれば大丈夫かな。思ったよりも理性的っていうか流されやすいというか」
フラフィーとあかねが安全の確認をしてくれているしここはこれでいいだろう。イリスがちょっと不満そうだけど好戦的過ぎるんじゃなかろうか。エルフという同じ種族なのにどうして喧嘩売りたそうなの君は。
この人たちここで罰したとしたら俺達がここに来た意味ほとんどなくなるんだけど。なんか弱ってる人見つけたから助けに来た! でもなんか攻撃加えてきたから全滅させました!
悪役か何かかな?
「キミヒトに感謝する。お前たち帰れる。自力で行ける?」
「はい、ここがどこかわかりませんが夜になり星さえ確認出来れば帰れます。これ以上の迷惑をかけないことを誓います」
イリスとエルフの会話が終わりそうだがここで待ったをかける。そのまま帰ってもらってはまだ困る。確かにこの人たちを助けたしここではすることは無いが、せっかくだったらこれからの被害も減らしておきたい。
勇者たちを救ったついでだし、助けられる人たちを根こそぎ助けて行きたいところっていうのもある。なんか俺だいぶなんにでも首突っ込むようになったな。
「エルフの人たちに聞きたいんだけど、どうして捕まったとか誰に捕まったかとか知ってる人いるか?」
「理由はわかりませんが……人間に騙されて食事に毒を盛られて気づいたらここにいました」
「……ふうん」
どうやらこのエルフたちもイリスたちの村と同じように人間に騙されて毒を盛られたようだ。そのことにイリスも思うことがあったのかちょっと表情を険しくしている。
聞きそびれていたけどイリスたちの村が襲われたのっていつごろなんだろうか。結構前だとしたら今でもそういう行為を続けている人たちがいるって事だよな。しかも王都でこんな風に罠までしかけて。
結構厄介なことになっている気がする。エルフたちの潤沢な魔力が目的だとは思うけど、それを一体何に使おうとしているかまではわからない。何かの儀式に使うとしてもこれをやった人に直接問いたださないと確定は出来ないだろう。
それならもう脱出する方向でいいだろう。魔力を吸われつくした感じでもないから儀式は止まってるだろうしこれ以上は大元を叩く必要がある。
「お前たちは、それでいいの?」
俺が脱出してこれからどうしようか考えているとイリスがエルフの人たちに問いただす。いつも感情を感じない声だが今回の声はどこか真剣みを帯びていた。
「私たちは流浪の民。隠れ住むのが代々の習わしです」
「家族や仲間がこんな目に合ったのに?」
「はい。これからは絶対に村の中に外部の者を入れないことを徹底していきます」
エルフの民たちの態度は閉鎖的であり、この代表者の青年と賛同するようにみんな頷いている。どうやら総意でありその選択に間違いはないと信じ込んでいるようだ。
森の中に隠れ住み、誰が来ようとも立ち入らせず自分たちの力だけで生活してそれで一生を終えていく。エルフの寿命はとても長いし平和だけを享受するなら最高の生き方なのかもしれない。
だけど。
自分だけじゃなく大切な人たちが騙されて、こんなとこに連れてこられてよくそんなことが言えるなこいつら。
「キミヒト、こいつらに根性叩き込んでくる。あとで合流する」
「ああ。待ってるぜ」
イリスはきっと、今でもこうやってエルフが囚われている現状を良く思っていないのだろう。そして新しいものを取り入れて自衛ではなく、全ての物を拒絶して逃げるこいつらに戦い方を教えたいのだろう。
自分と同じ境遇にありながらなんとか助け出せたのなら、もうこれ以上の被害が出ないように自分で徹底的に鍛えたいのだろう。熱いところがあるじゃん。
「エルフたち、私についてくる。生き方を教えてやる。あ、キミヒトお金ちょうだい」
「ん?」
イリスにおねだりされたのでとりあえず結構な額を渡す。世界が切り替わってからお金を稼いではいないが、前の世界の持ち込みがある。正直偽造通貨みたいなもんだけど紙幣じゃないし本物だから良いとしよう。
しかしお金を渡すのはいいけど何に使うのよこの子は。
「森にひきこもるのはいい。だけど食べ物は買いに行くべき」
あ、はい。この子が怒っていたのは引きこもってると美味しいもの何も食べられないよって事ですね。全然まともに怒ってなくてなんだかイリスらしいと言えばらしいかもしれない。
たぶんこのエルフ達も人間を警戒していただろうに簡単に捕まったところを見ると食べ物生食だったんだろうな。その辺の事を考えると確かに色々とやってほしい感はあるかもしれないな。
クロエとイリスはいつも幸せそうにご飯食べてたからな……。
ある意味熱いけどそうじゃないよ。勝手に色々想像してた俺恥ずかしいよ。
「まずはここの屋台から。じゃあキミヒト、また」
「お、おう」
そう言ってイリスはエルフ達を連れて歩きで出て行った。俺達が入ってきた方向に向かっているのでそのまま民家から出られる。
うん、なんというかマイペースで安心した。
エルフが従順になったのでこのまま脱出かと思いきやイリスが俺に質問をしてくる。他のメンバー達も俺がどう言うか気にしているようだがどうした。別にこのエルフたちが何してても良いし普通に家に帰してやればいいと思うけど。
連れて行くには人数多すぎるしこの人達だって帰りたいだろう。
「キミヒトに危害加えた、罰することもできる」
「ああそういうこと? 俺は別にいいよ。ダメージ食らったわけでもないし」
たぶんあの魔力の刃食らってもたいしたダメージにならなかったって言うのもある。殺す気で来てあれならまずやられることは無いだろう。弱ってるのもあるしここでこいつらを見捨てる方が後味がわるい。
それだったら適当に恩でも売っておいた方が後々良いような気がする。恩を返してくれるかはわからないけど無暗に殺すほうが面倒くさい。それに俺にしか攻撃してないからな。
もし仲間たちに攻撃加えていたら守りはしたけどそれなりにやり返すことにはなっただろう。
「あかねさん、キミヒトさんああ言ってますけどあの人たち危険じゃないんですか?」
「うーん、イリスちゃんがいれば大丈夫かな。思ったよりも理性的っていうか流されやすいというか」
フラフィーとあかねが安全の確認をしてくれているしここはこれでいいだろう。イリスがちょっと不満そうだけど好戦的過ぎるんじゃなかろうか。エルフという同じ種族なのにどうして喧嘩売りたそうなの君は。
この人たちここで罰したとしたら俺達がここに来た意味ほとんどなくなるんだけど。なんか弱ってる人見つけたから助けに来た! でもなんか攻撃加えてきたから全滅させました!
悪役か何かかな?
「キミヒトに感謝する。お前たち帰れる。自力で行ける?」
「はい、ここがどこかわかりませんが夜になり星さえ確認出来れば帰れます。これ以上の迷惑をかけないことを誓います」
イリスとエルフの会話が終わりそうだがここで待ったをかける。そのまま帰ってもらってはまだ困る。確かにこの人たちを助けたしここではすることは無いが、せっかくだったらこれからの被害も減らしておきたい。
勇者たちを救ったついでだし、助けられる人たちを根こそぎ助けて行きたいところっていうのもある。なんか俺だいぶなんにでも首突っ込むようになったな。
「エルフの人たちに聞きたいんだけど、どうして捕まったとか誰に捕まったかとか知ってる人いるか?」
「理由はわかりませんが……人間に騙されて食事に毒を盛られて気づいたらここにいました」
「……ふうん」
どうやらこのエルフたちもイリスたちの村と同じように人間に騙されて毒を盛られたようだ。そのことにイリスも思うことがあったのかちょっと表情を険しくしている。
聞きそびれていたけどイリスたちの村が襲われたのっていつごろなんだろうか。結構前だとしたら今でもそういう行為を続けている人たちがいるって事だよな。しかも王都でこんな風に罠までしかけて。
結構厄介なことになっている気がする。エルフたちの潤沢な魔力が目的だとは思うけど、それを一体何に使おうとしているかまではわからない。何かの儀式に使うとしてもこれをやった人に直接問いたださないと確定は出来ないだろう。
それならもう脱出する方向でいいだろう。魔力を吸われつくした感じでもないから儀式は止まってるだろうしこれ以上は大元を叩く必要がある。
「お前たちは、それでいいの?」
俺が脱出してこれからどうしようか考えているとイリスがエルフの人たちに問いただす。いつも感情を感じない声だが今回の声はどこか真剣みを帯びていた。
「私たちは流浪の民。隠れ住むのが代々の習わしです」
「家族や仲間がこんな目に合ったのに?」
「はい。これからは絶対に村の中に外部の者を入れないことを徹底していきます」
エルフの民たちの態度は閉鎖的であり、この代表者の青年と賛同するようにみんな頷いている。どうやら総意でありその選択に間違いはないと信じ込んでいるようだ。
森の中に隠れ住み、誰が来ようとも立ち入らせず自分たちの力だけで生活してそれで一生を終えていく。エルフの寿命はとても長いし平和だけを享受するなら最高の生き方なのかもしれない。
だけど。
自分だけじゃなく大切な人たちが騙されて、こんなとこに連れてこられてよくそんなことが言えるなこいつら。
「キミヒト、こいつらに根性叩き込んでくる。あとで合流する」
「ああ。待ってるぜ」
イリスはきっと、今でもこうやってエルフが囚われている現状を良く思っていないのだろう。そして新しいものを取り入れて自衛ではなく、全ての物を拒絶して逃げるこいつらに戦い方を教えたいのだろう。
自分と同じ境遇にありながらなんとか助け出せたのなら、もうこれ以上の被害が出ないように自分で徹底的に鍛えたいのだろう。熱いところがあるじゃん。
「エルフたち、私についてくる。生き方を教えてやる。あ、キミヒトお金ちょうだい」
「ん?」
イリスにおねだりされたのでとりあえず結構な額を渡す。世界が切り替わってからお金を稼いではいないが、前の世界の持ち込みがある。正直偽造通貨みたいなもんだけど紙幣じゃないし本物だから良いとしよう。
しかしお金を渡すのはいいけど何に使うのよこの子は。
「森にひきこもるのはいい。だけど食べ物は買いに行くべき」
あ、はい。この子が怒っていたのは引きこもってると美味しいもの何も食べられないよって事ですね。全然まともに怒ってなくてなんだかイリスらしいと言えばらしいかもしれない。
たぶんこのエルフ達も人間を警戒していただろうに簡単に捕まったところを見ると食べ物生食だったんだろうな。その辺の事を考えると確かに色々とやってほしい感はあるかもしれないな。
クロエとイリスはいつも幸せそうにご飯食べてたからな……。
ある意味熱いけどそうじゃないよ。勝手に色々想像してた俺恥ずかしいよ。
「まずはここの屋台から。じゃあキミヒト、また」
「お、おう」
そう言ってイリスはエルフ達を連れて歩きで出て行った。俺達が入ってきた方向に向かっているのでそのまま民家から出られる。
うん、なんというかマイペースで安心した。
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