呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第191話 本来の狂獣化
「休まなくていいのか? それくらい待つぞ?」
「人間風情が調子に乗り負って……貴様など身体強化を使うまでもないわ!」
そのままフラフィーが戦っていた場所で決闘することになった。ルールは簡単。相手に負けを認めさせること。武器の使用もなんでもありというもので、それはこちらに有利になるように仕向けられたものだ。
お父さんは自分で提案していながらも自分は武器を使わないようだ。自慢の筋肉と爪があれば確かに充分だろう。俺は遠慮なく剣を持たせてもらおう。持ち込み産の使い捨てのやつだが。
「あかねさん。ずっと気になってたんですけどそちらの方は?」
俺とお父さんがバチバチとメンチ切りあってる中フラフィーはあかねたちと観戦の構えを見せる。というかなんか料理作ってみんなで食べてる。自由すぎるなんてレベルじゃないんだが?
「めぐだよ。新しい……仲間?」
「……またキミヒトさんはロリをたらしこんだんですか。そうですか。結婚式もしたフラフィーですよろしくお願いしますね」
「覚えていますよ迷える猫娘よ。祝福を大切にしてくれているようでとても嬉しいです」
「え……?」
なんか会話が繰り広げられてるけどそっちばかりを見てはいられない。今はこっちの事を処理しておかなくてはな。プライドをへし折りつつ勝つ方法はいくつかあるが、まずこの舐めきった姿勢を正すために挑発してやるか。
「ルールに不服がある。変更を申し出る」
「なんだ? 今さらになって命乞いか? 人間は流石に情けないな! だが言ってみろ!」
お父さんは人間の情けないところを見るのが大好きなようで、俺の提案を聞き入れようとしている。だが俺が言いたいのはお父さんが望んでいるようなものじゃない。
「俺に一発でもクリーンヒットを当てられたらそっちの勝ちでいい。それで充分だろう?」
「……馬鹿にするのも大概にしろ!」
「レクス!」
試合開始の合図をするために待っていたティモルフの静止を無視してお父さん、レクスは俺に向かって猛ダッシュしてくる。お父さんレクスって名前なんだね。めちゃくちゃかっこいいやん。
「食らえ!」
剛腕から繰り出される勢いの乗ったパンチ。いきなり爪で引き裂こうとしないのは温情か何かなのか。だがそんなものは俺には必要ない。そのまま顔面で受け止める。
「なっ!?」
レクスはまさかそのまま食らうとは思わなかったのだろう。驚きの声を出すがその声は自分の攻撃が当たったことよりも俺がびくともしないことに驚いていた。当然だろう。
村一番の戦士でありあの膂力を発揮する鍛え抜かれた肉体。そこから繰り出される攻撃は岩すら砕いてもおかしくない。それなのに俺の身体は全くの無傷。
「それで終わりか? なるほど、娘のしつけ程度の力しかないんだな」
「貴様ぁ! 死ね!」
今度は一度距離を取り先ほどよりも速いスピードで突っ込んでくる。フラフィーにも見せていたタックルだがその時よりも明らかに速い。身体強化に加え敵意や殺気が混じり、獣人本来の獰猛な突進だ。
身体強化を使わないと言ってたが本気になってすぐに使う。良い判断だけどまじで殺意たけぇ。
「お父さん!?」
俺の危機を感じたのかフラフィーが叫んでいるがその声はレクスには届かない。そしてレクスのタックルは俺を捉えることは出来なかった。ぶつかることが出来ず勢いのまま森の中に突っ込んで行く。
「虎というより猪だな」
受けることも出来たが、おちょくるなら透過でスルーした方がいいと思いそうした。他の獣人たちは何が起こったかわからない様子だったが、戻ってきたレクスは正確にその現象を把握していた。
森に突っ込んで行ったため全身が土まみれになっていてやられた感が出ている。でもピンピンしてるからなんか普通にかっこいいわ。
「貴様……すり抜けられるのに何故一発受けた?」
「そっちのほうが屈辱的だろ? あんたもお怒りだがそれくらい俺も怒っている。それに手の内は見せてもらってるしこちらも見せたほうがフェアな勝負が出来るだろう?」
「はっ! 人間のくせにやるな貴様! 良いだろう、本気を見せてやる……『身体強化』『狂獣化』」
「おお……」
レクスはその肉体を強化しさらに狂獣化することによって信じられないくらいの威圧感を発揮する。
「迷える猫娘よ。あれが本来の狂獣化です。あなたは力をセーブして力を発揮しましたが意志をしっかり持てば感情に飲みこまれずに制御できます。あなたの父親はあれを教えたかったのでしょうね」
「お父さん……凄い」
あれが本来の狂獣化。威圧感だけでなく纏うオーラの禍々しさ、一回り大きくなったように感じる肉体。これなら勇者たちに匹敵する力なんじゃないだろうかと思わされる。
たぶん俺が前に戦った時のショウといい勝負できるんじゃないだろうか。だがそれは二度の転生を受けた俺も同じこと。
「これを人間相手に披露することになるとはな。後悔させてやる……行くぞ!」
「かかってこい」
レクスの攻撃は先ほどとは比べ物にならない速度と威力を持っている。流石にこれをまともに食らったらただでは済まないだろう。さらに相手は本気になっているため爪も出し完全に殺す気で来ている。
振りかぶる腕のタイミングに合わせて一歩踏み込み腕自体を抑える。しかしあまりのパワーに俺の身体は宙に浮き少し飛ばされてしまう。思ったよりもやばいパワーしてるわ。
防御を発動させ耐えてみたがジンジンと内側に響くような衝撃を感じた。この威力なら余裕で防御を貫けるだろう。舐めプしたまま行けるかと思ったけどこれはこっちも本気出す必要がありそう。獣人凄いわ。
「人間風情が調子に乗り負って……貴様など身体強化を使うまでもないわ!」
そのままフラフィーが戦っていた場所で決闘することになった。ルールは簡単。相手に負けを認めさせること。武器の使用もなんでもありというもので、それはこちらに有利になるように仕向けられたものだ。
お父さんは自分で提案していながらも自分は武器を使わないようだ。自慢の筋肉と爪があれば確かに充分だろう。俺は遠慮なく剣を持たせてもらおう。持ち込み産の使い捨てのやつだが。
「あかねさん。ずっと気になってたんですけどそちらの方は?」
俺とお父さんがバチバチとメンチ切りあってる中フラフィーはあかねたちと観戦の構えを見せる。というかなんか料理作ってみんなで食べてる。自由すぎるなんてレベルじゃないんだが?
「めぐだよ。新しい……仲間?」
「……またキミヒトさんはロリをたらしこんだんですか。そうですか。結婚式もしたフラフィーですよろしくお願いしますね」
「覚えていますよ迷える猫娘よ。祝福を大切にしてくれているようでとても嬉しいです」
「え……?」
なんか会話が繰り広げられてるけどそっちばかりを見てはいられない。今はこっちの事を処理しておかなくてはな。プライドをへし折りつつ勝つ方法はいくつかあるが、まずこの舐めきった姿勢を正すために挑発してやるか。
「ルールに不服がある。変更を申し出る」
「なんだ? 今さらになって命乞いか? 人間は流石に情けないな! だが言ってみろ!」
お父さんは人間の情けないところを見るのが大好きなようで、俺の提案を聞き入れようとしている。だが俺が言いたいのはお父さんが望んでいるようなものじゃない。
「俺に一発でもクリーンヒットを当てられたらそっちの勝ちでいい。それで充分だろう?」
「……馬鹿にするのも大概にしろ!」
「レクス!」
試合開始の合図をするために待っていたティモルフの静止を無視してお父さん、レクスは俺に向かって猛ダッシュしてくる。お父さんレクスって名前なんだね。めちゃくちゃかっこいいやん。
「食らえ!」
剛腕から繰り出される勢いの乗ったパンチ。いきなり爪で引き裂こうとしないのは温情か何かなのか。だがそんなものは俺には必要ない。そのまま顔面で受け止める。
「なっ!?」
レクスはまさかそのまま食らうとは思わなかったのだろう。驚きの声を出すがその声は自分の攻撃が当たったことよりも俺がびくともしないことに驚いていた。当然だろう。
村一番の戦士でありあの膂力を発揮する鍛え抜かれた肉体。そこから繰り出される攻撃は岩すら砕いてもおかしくない。それなのに俺の身体は全くの無傷。
「それで終わりか? なるほど、娘のしつけ程度の力しかないんだな」
「貴様ぁ! 死ね!」
今度は一度距離を取り先ほどよりも速いスピードで突っ込んでくる。フラフィーにも見せていたタックルだがその時よりも明らかに速い。身体強化に加え敵意や殺気が混じり、獣人本来の獰猛な突進だ。
身体強化を使わないと言ってたが本気になってすぐに使う。良い判断だけどまじで殺意たけぇ。
「お父さん!?」
俺の危機を感じたのかフラフィーが叫んでいるがその声はレクスには届かない。そしてレクスのタックルは俺を捉えることは出来なかった。ぶつかることが出来ず勢いのまま森の中に突っ込んで行く。
「虎というより猪だな」
受けることも出来たが、おちょくるなら透過でスルーした方がいいと思いそうした。他の獣人たちは何が起こったかわからない様子だったが、戻ってきたレクスは正確にその現象を把握していた。
森に突っ込んで行ったため全身が土まみれになっていてやられた感が出ている。でもピンピンしてるからなんか普通にかっこいいわ。
「貴様……すり抜けられるのに何故一発受けた?」
「そっちのほうが屈辱的だろ? あんたもお怒りだがそれくらい俺も怒っている。それに手の内は見せてもらってるしこちらも見せたほうがフェアな勝負が出来るだろう?」
「はっ! 人間のくせにやるな貴様! 良いだろう、本気を見せてやる……『身体強化』『狂獣化』」
「おお……」
レクスはその肉体を強化しさらに狂獣化することによって信じられないくらいの威圧感を発揮する。
「迷える猫娘よ。あれが本来の狂獣化です。あなたは力をセーブして力を発揮しましたが意志をしっかり持てば感情に飲みこまれずに制御できます。あなたの父親はあれを教えたかったのでしょうね」
「お父さん……凄い」
あれが本来の狂獣化。威圧感だけでなく纏うオーラの禍々しさ、一回り大きくなったように感じる肉体。これなら勇者たちに匹敵する力なんじゃないだろうかと思わされる。
たぶん俺が前に戦った時のショウといい勝負できるんじゃないだろうか。だがそれは二度の転生を受けた俺も同じこと。
「これを人間相手に披露することになるとはな。後悔させてやる……行くぞ!」
「かかってこい」
レクスの攻撃は先ほどとは比べ物にならない速度と威力を持っている。流石にこれをまともに食らったらただでは済まないだろう。さらに相手は本気になっているため爪も出し完全に殺す気で来ている。
振りかぶる腕のタイミングに合わせて一歩踏み込み腕自体を抑える。しかしあまりのパワーに俺の身体は宙に浮き少し飛ばされてしまう。思ったよりもやばいパワーしてるわ。
防御を発動させ耐えてみたがジンジンと内側に響くような衝撃を感じた。この威力なら余裕で防御を貫けるだろう。舐めプしたまま行けるかと思ったけどこれはこっちも本気出す必要がありそう。獣人凄いわ。
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