呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第169話 女神様ありがとう
俺は全員から距離を取り壁際まで移動する。この後は魔術師たちが呪文を起動してここにいる俺達全員に怪しげな呪いを施してくる。
本当だったらここで召喚された勇者全員を助けるために、術者を倒しておくのが良いのかもしれない。しかしこの世界で生き残るために、魔王を倒すためには戦闘方法とか知識を植え付けるこの術式を受けてもらう必要がある。
かといって最後まで見ているだけだと第二グループの連中は確実に殺されてしまい、全員の心にトラウマが残ってしまう。あかねの呪いを解くときに仲間を殺したという罪悪感が一番影響を与えていた。
それならどうすればいいのか。
簡単だ。スキルを使えばいい。
召喚直前、あの白い空間ではこの世界の事を思い出せなかったのはたぶんスキルが発動していなかったからだろう。それでこっちの世界に来てスキルが発動したから俺には記憶が戻って来た。
流石女神様だ、記憶がどうなるかわからないとか言いつつしっかり覚えてるとかやりよる。これももしかしたら不屈の能力の一つなのかもしれないけど検証のしようがないので今は考えない。
俺が望んだスキルは自分自身のみならず仲間を強制的に守れるように成長させること。何かあっても相手に悟られないようにするという事。この二つだ。
自分で戦う事も考えたが、ぶっちゃけた話戦闘力は他の勇者達で足りている。それだったら周りの誰も死なせないように努力をすべきだと思ったし、勇者も助けるならば必要な事でもある。
そして自分のスキルを確認してみるとそこには新しいものが増えていた。今まで持っていたスキルを全て表示するとこうなる。
『不屈』『トオシ』『収納』『看病』『浄化』『ステルス』『気配遮断』『効果範囲増』『防御』『虚偽』『女神の加護』
……多すぎだろなんだこれ。というか前回の分のスキルをすべて引き継いでいるから色々便利すぎる。王女がいなかったらたぶんステルスも気配遮断も発動できなかっただろうな。発動条件に見つかってない事とかあるから王女様様である。
流石にこれを全員の見えるところで晒すのは問題があるし、呪いをもう一度受けるなんて御免だ。今俺に戻る前の世界で受けた呪いの影響があるのかはわからないが、無いことを祈るしかない。特に最後の九番殺した時に受けた奴は。
体の調子的には自分で戦ってた時と遜色なく動く。しかしそれは呪いの影響を消した後でも発動していたし、あかねも同じように動けていた。楽観的ではあるがリセットされたことで悪い影響は全部消えたと思っていいだろう。
もしかするとそれが女神の加護の効果かもしれないな。そしたら九番殺した時もキャンセルしろって話だけどあれはよくわからない現象だったしな。受け入れたらあかねでも消せないって言ってたしそういう扱いなのかもしれない。
もしかしたらゼロの状態からなら守ってくれるとかそういう類の加護なんだろうか?
って、そんなことよりあかねは居るか? 俺は術者が選別の魔術を発動するのを壁際で見ながらあかねを探す。ああ、居たわ。全然見た目変わってないし一人だけなんかやる気ない雰囲気を感じる。
今回全部の勇者、基本的には第一グループに所属する勇者を助けるにはあかねの力が絶対に必要だ。そのため優先して助けなくてはならない。
また色々頼むことになるかもしれないが、この世界で俺の事を信用してくれるかどうかは賭けでしかない。いきなり呪い解いたところで信用しろって無理な話だからな。
しかし、本当に戻ったんだな。ああだめだ。生きてくれているの嬉しくて涙出てくるわ。くそ、本当に嬉しい、良かった。女神様ありがとう。
「ちっ、また混ざりものか」
「本当嫌になるな。処分するのもめんどくさいと言うのに」
「文句を言うな。この術式は改変のしようがない、ずっとこれでやってきたのだ。おい、連れて行け」
一緒に召喚された、勇者ではないこの世界の住人が連れていかれる。あの人たちの様子も見てくるか、せっかくだから全員助けてやるぜ。スキルの試運転も兼ねてな。
苦しんでいるこの世界の住人は兵士に無理やり立たされ別の部屋に連れていかれる。この後こっちでは記憶を操作する魔術が行われるからかなりの時間がある。記憶の書き換えの魔術は数時間くらいかけてじっくり慎重に行われていたからな。
その間に助けて街の中に送り出すくらいは出来るはずだ。スキルチェックが行われる前には戻っておきたいから場合によっては兵士を倒す必要があるけど。
ステルスと気配遮断により見つからずに兵士の後を追いかけていくと、城の外にでた。そこに行くまでにどこに寄るわけでもなく一直線。
「お前たちはこのままここから帰る事になる。ここで起きた事は忘れるだろうから言う意味はないが、他言無用だ。おい、送ってやれ」
「はっ!」
兵士と共についてきていた術者が彼らの近くに行き街の名前や場所を聞き出していた。そしてテレポートか何かを使って順番に消えていく。テレポートを使ってる術師はたった一人だから凄い大変そう。
と言っても運悪く召喚されたのは三人だけだから簡単そうにも見えるけど。テレポートの燃費ってどのくらいなんだろうか。少なくとも俺の大量のスキルポイントでゲットできなかったことを考えるとめちゃくちゃ燃費悪いだろう。
……てっきり処分とか言ってたから殺したのかと思っていた。王城の連中がおかしいのってもしかして勇者に対してだけなのだろうか。街も平和だしこの世界の住人には優しいのか……?
それならいいか。面倒な手間が省けたって事でこれなら勇者達だけを助ける事に専念できる。ここからが正念場になるな。スキルの試運転が出来なかったからぶっつけ本番になるのがちょっと怖いが何とかしてみせよう。
本当だったらここで召喚された勇者全員を助けるために、術者を倒しておくのが良いのかもしれない。しかしこの世界で生き残るために、魔王を倒すためには戦闘方法とか知識を植え付けるこの術式を受けてもらう必要がある。
かといって最後まで見ているだけだと第二グループの連中は確実に殺されてしまい、全員の心にトラウマが残ってしまう。あかねの呪いを解くときに仲間を殺したという罪悪感が一番影響を与えていた。
それならどうすればいいのか。
簡単だ。スキルを使えばいい。
召喚直前、あの白い空間ではこの世界の事を思い出せなかったのはたぶんスキルが発動していなかったからだろう。それでこっちの世界に来てスキルが発動したから俺には記憶が戻って来た。
流石女神様だ、記憶がどうなるかわからないとか言いつつしっかり覚えてるとかやりよる。これももしかしたら不屈の能力の一つなのかもしれないけど検証のしようがないので今は考えない。
俺が望んだスキルは自分自身のみならず仲間を強制的に守れるように成長させること。何かあっても相手に悟られないようにするという事。この二つだ。
自分で戦う事も考えたが、ぶっちゃけた話戦闘力は他の勇者達で足りている。それだったら周りの誰も死なせないように努力をすべきだと思ったし、勇者も助けるならば必要な事でもある。
そして自分のスキルを確認してみるとそこには新しいものが増えていた。今まで持っていたスキルを全て表示するとこうなる。
『不屈』『トオシ』『収納』『看病』『浄化』『ステルス』『気配遮断』『効果範囲増』『防御』『虚偽』『女神の加護』
……多すぎだろなんだこれ。というか前回の分のスキルをすべて引き継いでいるから色々便利すぎる。王女がいなかったらたぶんステルスも気配遮断も発動できなかっただろうな。発動条件に見つかってない事とかあるから王女様様である。
流石にこれを全員の見えるところで晒すのは問題があるし、呪いをもう一度受けるなんて御免だ。今俺に戻る前の世界で受けた呪いの影響があるのかはわからないが、無いことを祈るしかない。特に最後の九番殺した時に受けた奴は。
体の調子的には自分で戦ってた時と遜色なく動く。しかしそれは呪いの影響を消した後でも発動していたし、あかねも同じように動けていた。楽観的ではあるがリセットされたことで悪い影響は全部消えたと思っていいだろう。
もしかするとそれが女神の加護の効果かもしれないな。そしたら九番殺した時もキャンセルしろって話だけどあれはよくわからない現象だったしな。受け入れたらあかねでも消せないって言ってたしそういう扱いなのかもしれない。
もしかしたらゼロの状態からなら守ってくれるとかそういう類の加護なんだろうか?
って、そんなことよりあかねは居るか? 俺は術者が選別の魔術を発動するのを壁際で見ながらあかねを探す。ああ、居たわ。全然見た目変わってないし一人だけなんかやる気ない雰囲気を感じる。
今回全部の勇者、基本的には第一グループに所属する勇者を助けるにはあかねの力が絶対に必要だ。そのため優先して助けなくてはならない。
また色々頼むことになるかもしれないが、この世界で俺の事を信用してくれるかどうかは賭けでしかない。いきなり呪い解いたところで信用しろって無理な話だからな。
しかし、本当に戻ったんだな。ああだめだ。生きてくれているの嬉しくて涙出てくるわ。くそ、本当に嬉しい、良かった。女神様ありがとう。
「ちっ、また混ざりものか」
「本当嫌になるな。処分するのもめんどくさいと言うのに」
「文句を言うな。この術式は改変のしようがない、ずっとこれでやってきたのだ。おい、連れて行け」
一緒に召喚された、勇者ではないこの世界の住人が連れていかれる。あの人たちの様子も見てくるか、せっかくだから全員助けてやるぜ。スキルの試運転も兼ねてな。
苦しんでいるこの世界の住人は兵士に無理やり立たされ別の部屋に連れていかれる。この後こっちでは記憶を操作する魔術が行われるからかなりの時間がある。記憶の書き換えの魔術は数時間くらいかけてじっくり慎重に行われていたからな。
その間に助けて街の中に送り出すくらいは出来るはずだ。スキルチェックが行われる前には戻っておきたいから場合によっては兵士を倒す必要があるけど。
ステルスと気配遮断により見つからずに兵士の後を追いかけていくと、城の外にでた。そこに行くまでにどこに寄るわけでもなく一直線。
「お前たちはこのままここから帰る事になる。ここで起きた事は忘れるだろうから言う意味はないが、他言無用だ。おい、送ってやれ」
「はっ!」
兵士と共についてきていた術者が彼らの近くに行き街の名前や場所を聞き出していた。そしてテレポートか何かを使って順番に消えていく。テレポートを使ってる術師はたった一人だから凄い大変そう。
と言っても運悪く召喚されたのは三人だけだから簡単そうにも見えるけど。テレポートの燃費ってどのくらいなんだろうか。少なくとも俺の大量のスキルポイントでゲットできなかったことを考えるとめちゃくちゃ燃費悪いだろう。
……てっきり処分とか言ってたから殺したのかと思っていた。王城の連中がおかしいのってもしかして勇者に対してだけなのだろうか。街も平和だしこの世界の住人には優しいのか……?
それならいいか。面倒な手間が省けたって事でこれなら勇者達だけを助ける事に専念できる。ここからが正念場になるな。スキルの試運転が出来なかったからぶっつけ本番になるのがちょっと怖いが何とかしてみせよう。
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