呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第126話 討伐命令
ショウの元へ行くとかなりうなだれていた。思い出しちゃったんだろうな、王都での呪いの事とかそこでいろんな人が死んだり殺したりしただろうことを。
俺たちが近づくとショウは王都であったことをぽつぽつと話してくれた。俺達を襲った理由だけでなく第一グループで起こっていたこと、どうして単独行動しているかなどを細かく。
まず第一に俺たちが狙われていたのは経験値が目的だった。どうやらはぐれの十三番を倒すと言う命令は下っていたようだがそれとは別に俺たちの討伐命令もあったようだ。
なるほど、俺たちが王都から追い出されたのは微妙に育った状態で第一グループにやらせるためか。獲物を追いかける経験を得られるしそれなりに強く育った俺たちは経験値としても格好の的だったというわけだ。
見つけたらやる程度だったからショウは俺を見つけて襲ったと言うわけだ。俺を見つけたら街の中だったからついでに街の人たちも襲ったというバーサクっぷりには驚かされるばかりだが。舐めプして負けてるしざまぁとしか言いようがない。
単独行動しているのは第一グループの状態にもかぶってくるが、主な理由としてはみんな好き勝手に移動しているというものだ。
「本当は魔王討伐の予定で、王様が俺たちの管理するとかで一回会ったんだ……」
ショウ達第一グループのメンバーは兵士たちの訓練というか拷問に耐えきり尋常ならざる実力を身に着けた。さらに強い呪いを受けることになって反乱の意志は完全に無くなっていたそうだ。
しかし全員がそろって王様に会う時に事件が起きた。一人が兵士をいきなり襲った。
「俺は周りの名前とか知らないから区別つかないけど、あいつはいつもどこかおかしかった。なんか俺達を見る目に憐みというかそんな感じのものが混じってた。たぶん呪いが効いてなかったんじゃないかな。もしくは呪いを受けていた振りをしていたとか。いつの頃からかわかんないけど」
その一人は一瞬のうちに周りの兵士たちを全滅させた。当然王様も討伐したが兵士長っぽい人を殺すことはしなかったようだ。国を回している人物というのは兵士たちの会話から聞いてたから一応残してたんだろう。
たった一人で国を回せるわけもないから色々と荒れるとは思うが……でも一見平和とかあかねが言ってたから回したのか? すげえなまじで。王城の腐敗ぶりが。
「お前たちはどうしてそれを妨害しなかったんだ?」
「ああ。命令されてないから動かなかった」
なるほど。縛りがきつすぎて逆に自分たちの首も占めることになってしまったってやつか。敵に対して容赦をするなとかいう命令だったら勇者たちは仲間だからな。攻撃の対象にはならないだろう。
「でもそこにいた兵士は全員じゃなかったし術者も全員やってはいなかったよ。だから不完全な形で呪いが残っててみんな暴走してどっか行っちゃったよ。俺たちを助けてくれた勇者もどうなったかは知らない」
「ちょっとまて。じゃあ何か? お前たち目的も何もないの?」
「ああ。他の勇者を見かけたら戦えくらいしかない。魔王を倒すのは王様から命令される予定だったみたいだし他の命令はない」
まじかよ。これ勇者と出会うの無理じゃね? ショウと出会えたのも半分くらい奇跡みたいなもんだろ。暴走している状態でどんなことしてるかはわかんないけど結構やばいんじゃ。
本当だったら魔族領にでもいれば勇者が通ると思ってたからそこで待ち伏せする予定だった。でもこの話を聞いた後だとそれは無理だとわかる。だって好き勝手行動して魔王倒そうとするか?
俺だったらしないし、理性吹き飛んでる状態でやりたいことしかやろうとしないんじゃ魔王のとこ行かないだろ。それにいつごろからそんな状態になっていたかもよくわからん。
「その、なんだ。俺の事を襲う前はどんな気分だったんだ。何もしないにしても何か考えとかあって行動してただろ?」
「わかんない。俺はもともと何かやりたいこととかないし、近いところ散歩してたらここに着いただけだから」
やる気ないというかそもそも生きる気力すらないな。なんというか行動力も無いからすることもなく時間が過ぎていくだけの生活をしていたみたいな。
統率とか超人とかスキル持ってるのにこの主体性のなさよ。スキルの割り振りが雑にもほどがありますよ女神様。
しかし理性奪われて目的無い状態で放置されるとこんなんなるのか。俺は王都で人とつながりをもってロリ達に愛されたいって欲望があった。だから人並みの生活を送れていた。
あかねも自分の部屋の中でひたすらにひきこもっていたいって欲望があった。だからお金稼いでダンジョンに籠るという荒業をやってのけたし、お互いに色々と行動してたら出会うことになった。そのおかげで俺たちは呪いが解けた。
でもショウのように何もやる気がない人だっているだろう。この世界に召喚された俺たちは特にその傾向が強いと思う。電車の事故でまとめて死んだ連中の中で最後まで何も言わなかった人たちの集まりだからな。
それなのに俺とあかねを見た瞬間には襲い掛かってくるとかどんな地獄だよ。これは呪いがかかっていない勇者を見つけ出して仲間にして戦力を高めておきたいところだぞ。
もしくは仲間にできなくてもせめて連絡くらいは取れるようにしておきたい。
「他には何かないか? 誰がどっちに向かったとか」
「知らない」
だめか。あかねを見てもそんな反応をされるのでまじでこれ以上の情報は出てこないだろう。なんだろう絶望感しか手に入れることが出来なかったんだけど。
しかし絶望感が手に入ったけどそれ以上に情報が一気にわかったな。女神様が欲しいって言っていた情報はこれで全てだし報告しておいたほうがいいかもしれない。
調べなくても良いって言ってたけどいつ会えるかわからないしな。
俺たちが近づくとショウは王都であったことをぽつぽつと話してくれた。俺達を襲った理由だけでなく第一グループで起こっていたこと、どうして単独行動しているかなどを細かく。
まず第一に俺たちが狙われていたのは経験値が目的だった。どうやらはぐれの十三番を倒すと言う命令は下っていたようだがそれとは別に俺たちの討伐命令もあったようだ。
なるほど、俺たちが王都から追い出されたのは微妙に育った状態で第一グループにやらせるためか。獲物を追いかける経験を得られるしそれなりに強く育った俺たちは経験値としても格好の的だったというわけだ。
見つけたらやる程度だったからショウは俺を見つけて襲ったと言うわけだ。俺を見つけたら街の中だったからついでに街の人たちも襲ったというバーサクっぷりには驚かされるばかりだが。舐めプして負けてるしざまぁとしか言いようがない。
単独行動しているのは第一グループの状態にもかぶってくるが、主な理由としてはみんな好き勝手に移動しているというものだ。
「本当は魔王討伐の予定で、王様が俺たちの管理するとかで一回会ったんだ……」
ショウ達第一グループのメンバーは兵士たちの訓練というか拷問に耐えきり尋常ならざる実力を身に着けた。さらに強い呪いを受けることになって反乱の意志は完全に無くなっていたそうだ。
しかし全員がそろって王様に会う時に事件が起きた。一人が兵士をいきなり襲った。
「俺は周りの名前とか知らないから区別つかないけど、あいつはいつもどこかおかしかった。なんか俺達を見る目に憐みというかそんな感じのものが混じってた。たぶん呪いが効いてなかったんじゃないかな。もしくは呪いを受けていた振りをしていたとか。いつの頃からかわかんないけど」
その一人は一瞬のうちに周りの兵士たちを全滅させた。当然王様も討伐したが兵士長っぽい人を殺すことはしなかったようだ。国を回している人物というのは兵士たちの会話から聞いてたから一応残してたんだろう。
たった一人で国を回せるわけもないから色々と荒れるとは思うが……でも一見平和とかあかねが言ってたから回したのか? すげえなまじで。王城の腐敗ぶりが。
「お前たちはどうしてそれを妨害しなかったんだ?」
「ああ。命令されてないから動かなかった」
なるほど。縛りがきつすぎて逆に自分たちの首も占めることになってしまったってやつか。敵に対して容赦をするなとかいう命令だったら勇者たちは仲間だからな。攻撃の対象にはならないだろう。
「でもそこにいた兵士は全員じゃなかったし術者も全員やってはいなかったよ。だから不完全な形で呪いが残っててみんな暴走してどっか行っちゃったよ。俺たちを助けてくれた勇者もどうなったかは知らない」
「ちょっとまて。じゃあ何か? お前たち目的も何もないの?」
「ああ。他の勇者を見かけたら戦えくらいしかない。魔王を倒すのは王様から命令される予定だったみたいだし他の命令はない」
まじかよ。これ勇者と出会うの無理じゃね? ショウと出会えたのも半分くらい奇跡みたいなもんだろ。暴走している状態でどんなことしてるかはわかんないけど結構やばいんじゃ。
本当だったら魔族領にでもいれば勇者が通ると思ってたからそこで待ち伏せする予定だった。でもこの話を聞いた後だとそれは無理だとわかる。だって好き勝手行動して魔王倒そうとするか?
俺だったらしないし、理性吹き飛んでる状態でやりたいことしかやろうとしないんじゃ魔王のとこ行かないだろ。それにいつごろからそんな状態になっていたかもよくわからん。
「その、なんだ。俺の事を襲う前はどんな気分だったんだ。何もしないにしても何か考えとかあって行動してただろ?」
「わかんない。俺はもともと何かやりたいこととかないし、近いところ散歩してたらここに着いただけだから」
やる気ないというかそもそも生きる気力すらないな。なんというか行動力も無いからすることもなく時間が過ぎていくだけの生活をしていたみたいな。
統率とか超人とかスキル持ってるのにこの主体性のなさよ。スキルの割り振りが雑にもほどがありますよ女神様。
しかし理性奪われて目的無い状態で放置されるとこんなんなるのか。俺は王都で人とつながりをもってロリ達に愛されたいって欲望があった。だから人並みの生活を送れていた。
あかねも自分の部屋の中でひたすらにひきこもっていたいって欲望があった。だからお金稼いでダンジョンに籠るという荒業をやってのけたし、お互いに色々と行動してたら出会うことになった。そのおかげで俺たちは呪いが解けた。
でもショウのように何もやる気がない人だっているだろう。この世界に召喚された俺たちは特にその傾向が強いと思う。電車の事故でまとめて死んだ連中の中で最後まで何も言わなかった人たちの集まりだからな。
それなのに俺とあかねを見た瞬間には襲い掛かってくるとかどんな地獄だよ。これは呪いがかかっていない勇者を見つけ出して仲間にして戦力を高めておきたいところだぞ。
もしくは仲間にできなくてもせめて連絡くらいは取れるようにしておきたい。
「他には何かないか? 誰がどっちに向かったとか」
「知らない」
だめか。あかねを見てもそんな反応をされるのでまじでこれ以上の情報は出てこないだろう。なんだろう絶望感しか手に入れることが出来なかったんだけど。
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