呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第59話 良い事言ってる風
俺の心配をよそにロンドのメンバーとあかねはギルドで至極まっとうな話をしていた。あかねがAランクなので何かを教えているのか、Bランクのロンドのメンバーは真面目に聞いている。
これだけみたらすごい勉強熱心な探索者もいたもんだなって思うんだけど、中身を知っているだけに逆に不安にさせられる。
いやでもBランクでみんなから一目置かれてるみたいだしこれがいつもの姿なのか? わからん。
「お、キミヒト」
「キミヒト君、どったの?」
俺に気付いて声をかけてくる。
「あかねがどうしてるかと思ってな。暇になっちゃったし丁度いいと散歩も兼ねて探してた。それよりお前らはどうした? ダンジョン行くのか?」
正直な所こんな簡単に見つかるとは思っていなかったので意表をつかれた形にもなっている。だって真面目に活動してるとは思わないじゃん。
なんか路地裏で可愛い男の子とか肉体の出来上がった男性探してるとか思うじゃん。完全な偏見だけど周りからの評判聞いてると裏でボーイズハントしてるとしか思えないんだよな。
「相談なんだけどキミヒト君、私この人たちとパーティ組んでいい? 勇者探しもちゃんとするからさ」
「俺達からも頼む!」
あかねの能力を考えるとこの街に滞在しながら情報収集というのはかなりありだと思う。本来なら王都に行くのが一番だろうが、呪いが解けてるのがばれたらどう対応されるかわからない危険もある。
王都からはそれなりの距離があり、商業も栄えているこの街なら王都からも行商人が結構来る。勇者が旅立てばその分他の街も行商しやすくなるだろうし情報も一気に移動するだろう。
そう考えると俺と一緒に行動し続ける必要性もだいぶ薄いな。ロリ達に悪影響もでてるしそれが一番良いかもしれない。
「いいよ。全然問題ない。元々彼氏が欲しいって話でもあったしな」
あかねの目的は彼氏探し、そう思って後半は声を潜めて聞いてみたが実際は違うようだった。
「私気付いたの。本当の愛は自分で求めるものじゃない。人々の愛する姿を見て感じるものだって」
うん、良い事言ってる風だけどさ。それが男女の恋愛だったらものすごく俺も納得できるし素晴らしいと思うよ。
でも君のそれは男と男じゃん?
いや男どうしの恋愛を否定する気はないんだよ? 全然良いと思うんだ。
でもその濁り切った目はどうかと思うんだよね。本当の愛ってそんな濁り切った目で見つけられるものなの?
「あー、ロンドのみんなはおっけーなんだな?」
俺が彼らに声をかけるととてもいい笑顔で頷かれた。
「もちろんおっけーだぜ!」
「男だけだと警戒されることあるからな!」
「女の子がいれば男も釣り放題だ!」
だめだこいつら。完全に獣と化しているわ。せめてもの救いはノンケには手を出さないと言っていることだろうか。
あかねに釣られて寄って来る男たちはたぶんこのイケメンたちに調教されてしまうのだろう。パーティに欲しい理由それがメインじゃないだろうな?
しかしなんだかんだでこいつらは面白いし強いし楽しい連中だ。その男子が一緒に行動していればそのうち絆も深まっていくだろうしそういう事もあるかもしれない。
うん、深く考えるのはよそう。無垢な人材を襲わない様にしてくれればそれでいいよ。
「じゃああかねは任せるわ。連絡手段は……そう言えば宝石型の通信機ってあったよな」
いつだかムバシェが俺に渡してきたことがある。結局使わなかったけどこういう時はあると便利そう。携帯電話とかスマホとかそんな感じで連絡出来ればいつでも動ける。
「それなら俺達が持ってるからやるよ。稼がせてもらったしな」
そう言って俺に宝石を渡して来た。結構高価なイメージあったんだけどそうでもないのかな? もしくは魔石さえ手に入れば安く加工出来るとか。
ロンドのメンバーは俺達と潜っていたし討伐した魔物のドロップもそれなりの量になっていた。ダンジョン報酬とは別に多めに渡していたからそのお礼と言われたらなんとも返しづらい。
「そういうことならありがたく。これ使用限界とかあるか?」
俺とあかねは使ったことが無いのでレクチャーを受ける。そのまんま電話みたいなもので扱う事が可能だった。使用限界は無いが、魔石にたまった魔力が無くなると通話できなくなるようだ。
しかし魔力を充填すればいいだけなので特に問題はないとの事。マジで携帯電話だなこれ。メールもゲームも出来ないからスマホとは程遠い。
「そうだあかね、勇者情報の他にリーベンの奴隷情報もわかったら教えてくれないか? ちょいと気になってることがあってさ」
「ん? 別にいいけど」
情報収集するなら勇者だけでなくついでに他の事も調べてもらおうと思って提案してみたがあっさりおーけー。無差別に情報拾うなら結構大変そうだったけどそうでもないっぽい。
あかねの能力はよくわからないことが多いな。聞いても感覚的な部分もあるだろうし聞く気はないけども。
俺の能力も説明してって言われてもよくわからんしな。見える、通せる、我慢する。これだけだ。
でも楽しそうだし良いだろう。呪いから解き放たれたし好きに生きるのが一番だ。ロンドのメンバーとも連絡すぐ取れるのは便利だしな。
「よし、キミヒトから許可ももらったし行くか」
「おうよ! 腕が鳴るぜ!」
「手始めに初心者ダンジョン系統の所だな」
「うん、みんなの実力見せてもらうね」
……至って普通の会話に聞こえるんだけどあかねの目が濁ってるからどうにも別の意味に捉えてしまう。
初心者ダンジョンだったら若い冒険者が多いしロンドのメンバーに憧れを持っている者も多い。手取り足取りが文字通りにならないことを祈っておくよ。
俺は彼らを見送り次の目的にに向かう事にした。この街にも教会はあるからついでに祈りを捧げに行こう。
あの疲れた顔した女神様は元気にやっているだろうか。会えなくてもこっちの世界でロリに出会えたお礼も言ってないから報告だけでもしておこう。
          
これだけみたらすごい勉強熱心な探索者もいたもんだなって思うんだけど、中身を知っているだけに逆に不安にさせられる。
いやでもBランクでみんなから一目置かれてるみたいだしこれがいつもの姿なのか? わからん。
「お、キミヒト」
「キミヒト君、どったの?」
俺に気付いて声をかけてくる。
「あかねがどうしてるかと思ってな。暇になっちゃったし丁度いいと散歩も兼ねて探してた。それよりお前らはどうした? ダンジョン行くのか?」
正直な所こんな簡単に見つかるとは思っていなかったので意表をつかれた形にもなっている。だって真面目に活動してるとは思わないじゃん。
なんか路地裏で可愛い男の子とか肉体の出来上がった男性探してるとか思うじゃん。完全な偏見だけど周りからの評判聞いてると裏でボーイズハントしてるとしか思えないんだよな。
「相談なんだけどキミヒト君、私この人たちとパーティ組んでいい? 勇者探しもちゃんとするからさ」
「俺達からも頼む!」
あかねの能力を考えるとこの街に滞在しながら情報収集というのはかなりありだと思う。本来なら王都に行くのが一番だろうが、呪いが解けてるのがばれたらどう対応されるかわからない危険もある。
王都からはそれなりの距離があり、商業も栄えているこの街なら王都からも行商人が結構来る。勇者が旅立てばその分他の街も行商しやすくなるだろうし情報も一気に移動するだろう。
そう考えると俺と一緒に行動し続ける必要性もだいぶ薄いな。ロリ達に悪影響もでてるしそれが一番良いかもしれない。
「いいよ。全然問題ない。元々彼氏が欲しいって話でもあったしな」
あかねの目的は彼氏探し、そう思って後半は声を潜めて聞いてみたが実際は違うようだった。
「私気付いたの。本当の愛は自分で求めるものじゃない。人々の愛する姿を見て感じるものだって」
うん、良い事言ってる風だけどさ。それが男女の恋愛だったらものすごく俺も納得できるし素晴らしいと思うよ。
でも君のそれは男と男じゃん?
いや男どうしの恋愛を否定する気はないんだよ? 全然良いと思うんだ。
でもその濁り切った目はどうかと思うんだよね。本当の愛ってそんな濁り切った目で見つけられるものなの?
「あー、ロンドのみんなはおっけーなんだな?」
俺が彼らに声をかけるととてもいい笑顔で頷かれた。
「もちろんおっけーだぜ!」
「男だけだと警戒されることあるからな!」
「女の子がいれば男も釣り放題だ!」
だめだこいつら。完全に獣と化しているわ。せめてもの救いはノンケには手を出さないと言っていることだろうか。
あかねに釣られて寄って来る男たちはたぶんこのイケメンたちに調教されてしまうのだろう。パーティに欲しい理由それがメインじゃないだろうな?
しかしなんだかんだでこいつらは面白いし強いし楽しい連中だ。その男子が一緒に行動していればそのうち絆も深まっていくだろうしそういう事もあるかもしれない。
うん、深く考えるのはよそう。無垢な人材を襲わない様にしてくれればそれでいいよ。
「じゃああかねは任せるわ。連絡手段は……そう言えば宝石型の通信機ってあったよな」
いつだかムバシェが俺に渡してきたことがある。結局使わなかったけどこういう時はあると便利そう。携帯電話とかスマホとかそんな感じで連絡出来ればいつでも動ける。
「それなら俺達が持ってるからやるよ。稼がせてもらったしな」
そう言って俺に宝石を渡して来た。結構高価なイメージあったんだけどそうでもないのかな? もしくは魔石さえ手に入れば安く加工出来るとか。
ロンドのメンバーは俺達と潜っていたし討伐した魔物のドロップもそれなりの量になっていた。ダンジョン報酬とは別に多めに渡していたからそのお礼と言われたらなんとも返しづらい。
「そういうことならありがたく。これ使用限界とかあるか?」
俺とあかねは使ったことが無いのでレクチャーを受ける。そのまんま電話みたいなもので扱う事が可能だった。使用限界は無いが、魔石にたまった魔力が無くなると通話できなくなるようだ。
しかし魔力を充填すればいいだけなので特に問題はないとの事。マジで携帯電話だなこれ。メールもゲームも出来ないからスマホとは程遠い。
「そうだあかね、勇者情報の他にリーベンの奴隷情報もわかったら教えてくれないか? ちょいと気になってることがあってさ」
「ん? 別にいいけど」
情報収集するなら勇者だけでなくついでに他の事も調べてもらおうと思って提案してみたがあっさりおーけー。無差別に情報拾うなら結構大変そうだったけどそうでもないっぽい。
あかねの能力はよくわからないことが多いな。聞いても感覚的な部分もあるだろうし聞く気はないけども。
俺の能力も説明してって言われてもよくわからんしな。見える、通せる、我慢する。これだけだ。
でも楽しそうだし良いだろう。呪いから解き放たれたし好きに生きるのが一番だ。ロンドのメンバーとも連絡すぐ取れるのは便利だしな。
「よし、キミヒトから許可ももらったし行くか」
「おうよ! 腕が鳴るぜ!」
「手始めに初心者ダンジョン系統の所だな」
「うん、みんなの実力見せてもらうね」
……至って普通の会話に聞こえるんだけどあかねの目が濁ってるからどうにも別の意味に捉えてしまう。
初心者ダンジョンだったら若い冒険者が多いしロンドのメンバーに憧れを持っている者も多い。手取り足取りが文字通りにならないことを祈っておくよ。
俺は彼らを見送り次の目的にに向かう事にした。この街にも教会はあるからついでに祈りを捧げに行こう。
あの疲れた顔した女神様は元気にやっているだろうか。会えなくてもこっちの世界でロリに出会えたお礼も言ってないから報告だけでもしておこう。
          
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