呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る

こが

第56話 絆は強い

フラフィーの事は上手く片付いたので次はイリスの対応もしなくてはならない。あれを上手く片付いたとみて良いのかはわからないがあれ以上はどうしようもないのでおっけー。

そう言う事にしておくしかない。すまん、またあとで埋め合わせする。したことないけどな!

フラフィーは俺の部屋に置いてきたので今四人部屋はイリス一人になっているはずだ。フラフィーも起きていたし起きている可能性は非常に高いだろう。

少し緊張しているがここで怖じ気づいても仕方がない。フラフィーのように刃物の持ち出しはないと信じて扉をあける。

「イリス、起きてるかー」

「けだもの、おはよう」

はい、こっちも気づいてたようですね。フラフィーが気付いてイリスが気付かないとか流石にないよね

「おはようイリス」

「おねえちゃんおっはー」

一見朗らかに見えるがバチバチ火花を飛ばして……ない? 表面上以上の穏やかさが見えますがこれは一体。

「やったわ」

「さすおね」

「えーと……?」

困惑する俺を置いてけぼりにして姉妹二人は仲良くハイタッチしている。こいつらのこんなテンション高い絡み初めて見たぞ。

めちゃくちゃ微笑ましいけど状況が状況だけにびびらざるを得ない。何か企んでいたのかこの子らは。

「ええと、イリスは何もないのか?」

「何もないとは?」

若干威圧的に聴こえるのは気のせいだろうか。いつもの無表情だが俺の心が弱いからそう感じる錯覚かな? 何者にも屈さないとか言ってたのに幼女には余裕で屈しますはい。

「その、クロエとだな」

「えっちぃことしてたね?」

「はい……」

イリスはこっちに歩いてきて完全に距離を詰める。触れるくらいの至近距離でこちら見上げる。

その目にはしっかりと俺の姿が映し出されている。綺麗だな。

「私にも、してくれるんでしょう?」

「あの、イリスさん?」

「してくれるんでしょう?」

「ええと」

「してくれるんでしょう?」

「あ、はい」

屈した。いや全然屈して良い案件だけど想像以上に何も感じていないようなので拍子抜けした。先にこだわっていたんじゃないのか。

「キミヒト、私とお姉ちゃんの絆は強い。それに私じゃキミヒトの防壁を崩せるか不安だったからある意味助かったともいえる」

想像してみる。イリスが俺にめちゃくちゃ迫ってきたとしよう。

……うん、なんか遊んで終わりそうな気配あるわ。最後までいかなかったんじゃなかろうか。

「その点私ならキミヒトの倫理観壊せるかとおもって」

「倫理観壊せるかと思って」

人の感情を何だと思っているのか。俺がロリコンだからってやっていいことと悪いことがある。

全く人の心をもてあそぶなんていけないことなんだぜ。今回の事はもちろんやっていいことだ。

よくやってくれたとしか言いようがない。俺はこのロリ達にこれから生きていくうえでいらない理性を取っ払ってもらえたわけだ。

最高じゃねえか。

はい、今までへたれてましたごめんなさい。

「なんか釈然としないような気がするが感謝しておくよ、ありがとう」

「良きにはからえ」

「これからは大変ね」

そうかもしれないな。クロエとしたことがみんなにバレた以上もう自重する必要は全くない。必要以上にするつもりもないが、お互いにしたい時に誘うくらいは問題ないだろう。

イリスもなんだかんだ乗り気だし、異世界生活の楽しさの本番を感じさせる。え? フラフィーをいつももてあそんでる? 大丈夫、あの子は強いから。

「キミヒト、夜中行くね」

「私も行くわ」

「だめ」

イリスが俺の部屋に行く発言をするとクロエも来ようとする。今日は忙しくなりそうだなぁとぼんやりと考えるがイリスはそれを認めなかった。

「イリス、何故かしら?」

「お姉ちゃん、独り占めした。私もしたい」

「昨日は二人とも寝ていたからでしょう? 起きていたなら混ざってくればよかったのに」

クロエはそう言うが、盛ったんだよなぁ。無理だってわかってることをあえて言うという事は煽っているのか? え、なんでこのタイミングでギスギスするの?

絆は強いんじゃなかったの?

「お姉ちゃん、いじわる」

「ふふ……冗談よ。三人でするのはまた今度にしましょう? イリスが自己主張してくれてお姉ちゃん嬉しいわ」

「むぅ」

そういえばイリスってあんまり自己主張してなかったもんな。俺に任せるとかクロエに任せるとかばっかりだった気がする。

それで自己主張したことが嬉しくてからかったのか。たしかにムキになってるイリスはかわいいから仕方がないな。俺のことだっていうのもとても嬉しい。

「そうだキミヒト、話があるんだけど」

クロエはイリスをなでながらある提案を俺にしてきた。その提案は納得できるもので、イリスも俺も賛成した。というかその選択肢が最良の方法だったというのもある。

フラフィーのご機嫌取りは必要だもんな。

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