呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第45話 私がやるわ
「『ダンジョンテレポート』」
突如そんなセリフが聞こえてくると、俺たちの前に見慣れた仲間たちが到着していた。そのテレポート、人を目標に使えたのね。
「キミヒトさん!」
女性たちが到着したが俺たちは満身創痍、イリスとあかねは黒ゴブ達を警戒してくれている。状況はさっきよりはるかによくなったが、想像以上の量にあかねが若干びびっている。
黒ゴブ達はいつの間にか増援を呼んでいたようでその数は百近くになっている。殺意が高すぎてゴブリン嫌いになっちゃいそう。
フラフィーは色々とボロボロの俺を支えてくれてゴブリンに鋭い視線を投げている。クロエも警戒していたが、先に俺たちに回復魔法をかけてくれた。
「エリアヒール」
暖かい光が体を満たし、傷が癒されていく。それは俺だけでなくロンドの連中も同じで表面的な傷は完全に無くなった。疲労感は全く消えないが、俺たちは活力を取り戻す。
「助かったぜみんな」
「後で何かおごってよね」
「キミヒト、ぼろぼろ」
「死んでなくてよかったわ」
「でもこれまずいですよね」
フラフィーの言うとおり戦力が増えたが事態が好転したとは言えない。多勢に無勢なのは全く変わらず、あかねは意志疎通を使って敵を散らそうとしているが効果が無いようだ。
まじかよ。ってことは強化スケルトンばりの力を持っているのかこの黒ゴブ連中は。それかブレイン的なゴブリンがいてそいつの意志でしか動かないとかいう可能性もある。
「私がやるわ。イリス、合わせなさい」
「お姉ちゃん、まじ?」
イリスが驚きの声をあげる。今までかなりクールを気取っていたイリスがここまで驚くのは珍しい。というかクロエの怒気が凄まじい。
そういえばこの二人は一緒に魅了を使っていたことがあったな。あの時もクロエに合わせてイリスが何かしているような感じだったが。
「闇、混沌、渦、深淵、波、濁流、生命、奪取。エナジードレイン」
「お姉ちゃん……!」
クロエを中心に禍々しい魔力の本流がほとばしる。足元に現れていた小さい魔法陣はそのサイズを勢いよく広げ、この部屋を大きく上回り拡大を続けていく。
なんだよこれ、やばいなんてレベルじゃないんだが。
その直後ゴブリンたちが崩れ落ちていく。その姿はまるで糸が突然切れた人形の様で一切の生命を感じさせない。純粋に命を刈り取ることに特化した魔法だということが本能でわかる。
そのくらいの禍々しい能力だった。思えばクロエの魔法って魔法っぽくないよな。魅了もそうだし、これもそう。回復とバフは魔法だろうけど本質とはなにか違うように感じていた。
そしてこれが本来のクロエの力なのだろう。似合いすぎている。
透視で魔力の流れが少しわかるようになったが、これはクロエの魔力の波長そのもの、奪った生命がクロエの中に還元されていくのが見える。
……これはエルフじゃないだろうなぁ。
いやエルフの里にいたのは本当なんだろうけど、絶対純粋なエルフじゃないだろこれ。クロエとイリスが隔離されてたってのはたぶんそういうことだろうな。
魔法の輝きが消えていくとそこにはゴブリンたちの落とした魔石やらミスリルやら鉱石やらが大量に転がっていた。
「お姉ちゃん……やりすぎ……今のは、危なかった……」
「ごめんねイリス。ありがとう」
イリスは肩で息をして今にも倒れそうなくらい顔色が悪い。そんなイリスをクロエは優しく抱きしめる。雰囲気ぶち壊すけどロリ姉妹ご馳走様です。
「なに、今の」
あかねの声が聴こえているだろうがクロエは答えない。というか答えたくない質問なんだろうな。どう考えてもわけありのようにしか見えないし今まで使ってこなかった理由でもあるだろう。
もしかしたらクロエがあんまり戦闘に参加しなかったのって暴走でもしそうだったのかな? イリスがそれを抑えないと危険とかそんな感じで。
「クロエちゃん?」
あかねがさらに問い詰めようとするが、その声はかき消された。
「うおおおお助かったあああああ!」
「流石キミヒトの嫁! ラスボス最強!」
「姉御って呼ばせてください! 一生ついていきます!」
ロンドのやつらが危機が去って騒ぎ始めたからだ。今まで命を懸けてギリギリを生きていたから緊張が解けたのだろう。俺だってそうだ。
「クロエ、助かったよ」
だから俺は端的に礼だけを伝える。
「うん、無事でよかった」
クロエはこっちを見ずにそれだけ答える。うわこの流れダンジョン出たらいなくなりそうな予感しかしねぇ。俺はロリライフを充実させたいからここは釘を刺しておかねばなるまい。
「クロエ、帰ったら魔法少女になってもらうからよろしくな」
「何が!?」
俺の発言に思わず突っ込みを入れてくる。うむ、暗い空気をだすのはもういいんだよ。シリアスパートはおしまいと行こうじゃないか。
「ここに来た目的ってクロエの武器作るためだろ? 金策も目的だったけどこれだけあれば余裕で事足りる。武器のデザインは俺に任せとけ」
「魔法少女って言ってる時点で何も任せられないんだけど!」
「じゃあ、一緒にデザイン考えて頼みにいこうな」
「……うん」
よし、これでクロエを縛ることが出来ただろう。少し卑怯くさいかもしれないがこのくらいやっておかないとマジでいなくなりそう。そんなのやだ。
せっかく仲良くなったロリ達と離れ離れになるのは耐えられない。もしいなくなったとしたら地の果てまで追いかけて捕まえる選択肢しか俺には残っていない。
しかし、ほんとに今回は疲れたなぁ。
「ところでキミヒトさん……その恰好は……」
「あぁ、壁の中に捨ててきた」
「わかりません」
「とりあえず休ませてくれ。ここからなら階段も近いしみんなで行こう。そこで話すよ」
ロンドの連中もこれ以上は戦いたくないと俺の意見に同意してくれた。文字通り死線をくぐったからな。全力で疲れ切ってる。
「キミヒト君、大丈夫?」
「正直だめ」
身長的に俺に肩を貸せるのはあかねだけなので肩を貸してもらって歩く。安心したせいで魔力の枯渇やらを意識してしまってひたすらに体が重い。ロリハーレムしてごろごろしたいわ。
そんなこんなで前人未到の二十八階層は俺たちにより攻略された。
突如そんなセリフが聞こえてくると、俺たちの前に見慣れた仲間たちが到着していた。そのテレポート、人を目標に使えたのね。
「キミヒトさん!」
女性たちが到着したが俺たちは満身創痍、イリスとあかねは黒ゴブ達を警戒してくれている。状況はさっきよりはるかによくなったが、想像以上の量にあかねが若干びびっている。
黒ゴブ達はいつの間にか増援を呼んでいたようでその数は百近くになっている。殺意が高すぎてゴブリン嫌いになっちゃいそう。
フラフィーは色々とボロボロの俺を支えてくれてゴブリンに鋭い視線を投げている。クロエも警戒していたが、先に俺たちに回復魔法をかけてくれた。
「エリアヒール」
暖かい光が体を満たし、傷が癒されていく。それは俺だけでなくロンドの連中も同じで表面的な傷は完全に無くなった。疲労感は全く消えないが、俺たちは活力を取り戻す。
「助かったぜみんな」
「後で何かおごってよね」
「キミヒト、ぼろぼろ」
「死んでなくてよかったわ」
「でもこれまずいですよね」
フラフィーの言うとおり戦力が増えたが事態が好転したとは言えない。多勢に無勢なのは全く変わらず、あかねは意志疎通を使って敵を散らそうとしているが効果が無いようだ。
まじかよ。ってことは強化スケルトンばりの力を持っているのかこの黒ゴブ連中は。それかブレイン的なゴブリンがいてそいつの意志でしか動かないとかいう可能性もある。
「私がやるわ。イリス、合わせなさい」
「お姉ちゃん、まじ?」
イリスが驚きの声をあげる。今までかなりクールを気取っていたイリスがここまで驚くのは珍しい。というかクロエの怒気が凄まじい。
そういえばこの二人は一緒に魅了を使っていたことがあったな。あの時もクロエに合わせてイリスが何かしているような感じだったが。
「闇、混沌、渦、深淵、波、濁流、生命、奪取。エナジードレイン」
「お姉ちゃん……!」
クロエを中心に禍々しい魔力の本流がほとばしる。足元に現れていた小さい魔法陣はそのサイズを勢いよく広げ、この部屋を大きく上回り拡大を続けていく。
なんだよこれ、やばいなんてレベルじゃないんだが。
その直後ゴブリンたちが崩れ落ちていく。その姿はまるで糸が突然切れた人形の様で一切の生命を感じさせない。純粋に命を刈り取ることに特化した魔法だということが本能でわかる。
そのくらいの禍々しい能力だった。思えばクロエの魔法って魔法っぽくないよな。魅了もそうだし、これもそう。回復とバフは魔法だろうけど本質とはなにか違うように感じていた。
そしてこれが本来のクロエの力なのだろう。似合いすぎている。
透視で魔力の流れが少しわかるようになったが、これはクロエの魔力の波長そのもの、奪った生命がクロエの中に還元されていくのが見える。
……これはエルフじゃないだろうなぁ。
いやエルフの里にいたのは本当なんだろうけど、絶対純粋なエルフじゃないだろこれ。クロエとイリスが隔離されてたってのはたぶんそういうことだろうな。
魔法の輝きが消えていくとそこにはゴブリンたちの落とした魔石やらミスリルやら鉱石やらが大量に転がっていた。
「お姉ちゃん……やりすぎ……今のは、危なかった……」
「ごめんねイリス。ありがとう」
イリスは肩で息をして今にも倒れそうなくらい顔色が悪い。そんなイリスをクロエは優しく抱きしめる。雰囲気ぶち壊すけどロリ姉妹ご馳走様です。
「なに、今の」
あかねの声が聴こえているだろうがクロエは答えない。というか答えたくない質問なんだろうな。どう考えてもわけありのようにしか見えないし今まで使ってこなかった理由でもあるだろう。
もしかしたらクロエがあんまり戦闘に参加しなかったのって暴走でもしそうだったのかな? イリスがそれを抑えないと危険とかそんな感じで。
「クロエちゃん?」
あかねがさらに問い詰めようとするが、その声はかき消された。
「うおおおお助かったあああああ!」
「流石キミヒトの嫁! ラスボス最強!」
「姉御って呼ばせてください! 一生ついていきます!」
ロンドのやつらが危機が去って騒ぎ始めたからだ。今まで命を懸けてギリギリを生きていたから緊張が解けたのだろう。俺だってそうだ。
「クロエ、助かったよ」
だから俺は端的に礼だけを伝える。
「うん、無事でよかった」
クロエはこっちを見ずにそれだけ答える。うわこの流れダンジョン出たらいなくなりそうな予感しかしねぇ。俺はロリライフを充実させたいからここは釘を刺しておかねばなるまい。
「クロエ、帰ったら魔法少女になってもらうからよろしくな」
「何が!?」
俺の発言に思わず突っ込みを入れてくる。うむ、暗い空気をだすのはもういいんだよ。シリアスパートはおしまいと行こうじゃないか。
「ここに来た目的ってクロエの武器作るためだろ? 金策も目的だったけどこれだけあれば余裕で事足りる。武器のデザインは俺に任せとけ」
「魔法少女って言ってる時点で何も任せられないんだけど!」
「じゃあ、一緒にデザイン考えて頼みにいこうな」
「……うん」
よし、これでクロエを縛ることが出来ただろう。少し卑怯くさいかもしれないがこのくらいやっておかないとマジでいなくなりそう。そんなのやだ。
せっかく仲良くなったロリ達と離れ離れになるのは耐えられない。もしいなくなったとしたら地の果てまで追いかけて捕まえる選択肢しか俺には残っていない。
しかし、ほんとに今回は疲れたなぁ。
「ところでキミヒトさん……その恰好は……」
「あぁ、壁の中に捨ててきた」
「わかりません」
「とりあえず休ませてくれ。ここからなら階段も近いしみんなで行こう。そこで話すよ」
ロンドの連中もこれ以上は戦いたくないと俺の意見に同意してくれた。文字通り死線をくぐったからな。全力で疲れ切ってる。
「キミヒト君、大丈夫?」
「正直だめ」
身長的に俺に肩を貸せるのはあかねだけなので肩を貸してもらって歩く。安心したせいで魔力の枯渇やらを意識してしまってひたすらに体が重い。ロリハーレムしてごろごろしたいわ。
そんなこんなで前人未到の二十八階層は俺たちにより攻略された。
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