呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第15話 巨乳が憎い
「さて……あれをどうしようか」
「どうしようかって、キミヒト助けないの?」
俺たちは森の中に入っていき順調に旅をしていた。森の中では派手に戦うと森を傷つけかねないので主に俺が戦っていた。イリスには弱めの氷魔法で援護してもらいながら戦い続けトラブルなく進んでいた。
イリスは魔法の適正が非常に高く、様々な魔法を扱うことが出来るらしい。武器屋で見せてくれた氷系の魔法や、盗賊のアジトから帰るときに見せてくれた炎の魔法もかなりの熟練度を持っているようだった。
逆にクロエの能力は攻撃ではなく回復やバフ、デバフに特化しているようだった。と言っても使う機会もほとんどなく、バフによる強化も基本的なものであまり強いものは使えないとのことだった。
しかしデバフの効果はかなり強く、一時的に前後不覚に陥らせることも可能だった。さらに盗賊たちには強めの魅了効果を施すことで言うことを聞かせることが出来ていたらしい。あいつらが全く動かなかったのはそういったものが理由だった。
俺にも魅了を使っていたが、俺にはしっかりと掛かり切らなかったと言っていた。俺のスキルの不屈の能力は状態異常に屈しないという能力のためだ。状態異常無効や耐性ではなくただただ屈しないだけなので状態異常にはかかる。
しかし麻痺なら体はしびれてるけど動くことはできる。睡眠ならめちゃくちゃ眠いけどなんとか起きてられるとかそういった地味な効果を持っている。魅了に関しては半分くらいかかっていたけど意識を乗っ取ることは俺相手には不可能だ。
そんな会話をつづけながら旅をしているときに少し問題が起きていた。順調すぎた冒険は、一人の女性が魔物に襲われているのを発見して終了した。
「助けてくださいー! 誰かー!!」
オオカミの魔物に襲われながら木の上に逃げていた女性は大声で助けを求め続けていた。確かにここはそれなりに冒険者も通る可能性があるルートではある。しかし女性冒険者はオオカミがいながら大声を出している。
そんなことをすればオオカミが仲間を呼ぶ手助けをしているようなものだ。そして冒頭に戻って会話が行われた。
「いや、助けたいのはやまやまなんだけどさ。あれ集まり過ぎじゃない?」
そう、いつからああやって叫んでいるのかはわからないが木の下にはオオカミがうろうろとしていた。10匹くらいはいる。開けている場所でもないのでイリスの魔法を使うと取りこぼしが出るか、女性にも被害が出る。
かといって俺が単騎で突っ込んでどうにかしようとしても、多すぎると能力をうまく使うことが出来ない。俺が悩んでいるとクロエが不意に立ち上がった。
「ここは私に任せてもらおうじゃない。やっと見せ場がきたってね」
「ちょ、大丈夫なのか?」
「ええ、盗賊に比べれば可愛いもんよ」
「お姉ちゃん、頼もしい」
なんだかフラグみたいな感じでゆうゆうと歩き出したクロエに向かってオオカミ達が視線を向ける。女冒険者も気づいたようで、一瞬安心したような顔をしたが女の子の見た目のクロエを見て悲壮な顔になる。
「そこの女の子! 逃げて!」
さらにはクロエに逃げるように声をかけていた。それに対してクロエは不敵に笑みを作ってオオカミ達を見据える。
「おすわり」
「くぅーん」
犬たちはいっせいにお座り状態になった。なにこれ可愛い。というかクロエ強すぎない?
「このオオカミ達は私の目をしっかり見ちゃったからね。もし目を見なくてもこの程度の魔物だったら私の魅了で一発よ」
クロエは自信満々に答え、オオカミ達に散るように命令をした。
「そこの木の上の人、もう大丈夫よ」
「あ、ありがとうございますぅ……」
木から降りてくるとそれが女の子であることがしっかりとわかった。どこがとは言わないがしっかりと育った部分が強調されていた。
「巨乳が憎い」
「え?」
「……」
なんか今イリスの方から不穏な言葉が聞こえてきたけど? 聞かなかったことにしておこう。さわらぬ貧乳にたたりなしだ。
「助かりました、ありがとうございます。私の名前はフラフィーって言います」
フラフィーと名乗った女冒険者は猫耳を生やし、一般的な冒険者の服を着ていた。つまりはちゃんとした冒険者なのだろう。しかし武器も持たず一人でいるのはなぜなのだろうか。
「私はクロエ、こっちが妹のイリス。こっちはキミヒトよ。よろしく」
俺たちは互いに自己紹介を済ませたが、イリスの視線はずっとフラフィーの胸にくぎ付けだった。というかなにか呪いのような波動を感じるけど見て見ぬふりをするのが男の務めだな。
「ところでどうしてこんなところに一人で?」
「ええと……本当は冒険者の方々と一緒だったんですが、夜になると襲われそうになりまして逃げていたら迷ってしまって……。どうにか街を目指そうと思っていたんですがオオカミに襲われてしまってあのざまです……装備も外していたので戦うことも出来ず木の上へ……」
「最低な冒険者もいたものね。仲間は選ばないとだめよ」
「はい……。ご飯をご馳走してくれた良い人たちだったのですが」
聞けばフラフィーをパーティに誘ったのは全員男のパーティだったらしい。フラフィーはなり立ての冒険者だったこともあり、クエストの報酬につられてほいほいついて行ってしまったとのことだった。
獣人だったっていうのも都合がよかったのかもしれない。人里の中にいる獣人は基本的におひとり様だから問題が起こっても誰も助けることはない。さらに冒険者ともなると自己責任という言葉もあるように、連れ去られることも少なくないようだ。
となると仕方ないな、街まで送っていくか。
「あー、もしよかったらなんだけど俺たちケイブロットに行くんだけど一緒に行くか?」
「ほんとですか!? 私もケイブロットに行こうとしていました! ぜひお願いします! あ……でもなにもお礼が……」
「いいよ別に。ついでだし」
「そんなわけにはいきません! えと、その、経験はないですが、私の体でよければ……」
「キミヒト、こいつ殺す」
「え……?」
イリスから恐ろしいほどの殺気が膨れ上がる。急にどうした?
「そうね、フラフィー。殺気を消すのが下手すぎるんじゃないかしら?」
そういうとイリスはフラフィーの下半身から肘あたりまで凍らせ身動きが取れないようにした。
「なっ!?」
「おかしいのよねぇ。人から嫌われている獣人が人とパーティを組む? しかもあなたは可愛いし一人だし絶対に嫌な目に合ったことがあるはずなのよねぇ。それなのに冒険者とパーティ? キミヒトは騙せても私たちは騙せないわよ」
クロエはフラフィーの頭をつかみ、目をしっかりと合わせる。そうするとフラフィーは目線が定まらなくなり体から力が抜けていった。
「おいおいまじか」
「伊達に二人旅してないわよ。一回捕まったしちょっとした敵意にも敏感になっちゃったわ。そういう時は問答無用ってね。さて傀儡になったフラフィーちゃん、あなたの目的はなんなのかしら」
「……お友達が欲しいです」
「え?」
「冒険者を殺してお金を奪ってくれば友達になってくれるって……」
クロエの魅了にかかっているときは自分の意志で喋ることはできない。つまりこれは紛れもない本心であり、俺たちを襲おうとした理由でもある。
「なぁクロエ、魅了解いても良いんじゃないか?」
なんだか可愛そうになってきた。友達が欲しいから冒険者を襲う獣人の女の子。きっと悪い冒険者に騙されたんだろう。もしかしたらさっきの森で襲われそうになったって言ってたやつらかもしれないけど、もういいだろう。
「そうね、殺気もすごい鈍かったからあんなに接近しちゃったわけだし。そういうわけならちゃんと話くらい聞いてあげましょうか」
「巨乳が憎い」
「「……」」
イリスは最初から最後までずっとフラフィーの巨乳を凝視し続けていた。
「どうしようかって、キミヒト助けないの?」
俺たちは森の中に入っていき順調に旅をしていた。森の中では派手に戦うと森を傷つけかねないので主に俺が戦っていた。イリスには弱めの氷魔法で援護してもらいながら戦い続けトラブルなく進んでいた。
イリスは魔法の適正が非常に高く、様々な魔法を扱うことが出来るらしい。武器屋で見せてくれた氷系の魔法や、盗賊のアジトから帰るときに見せてくれた炎の魔法もかなりの熟練度を持っているようだった。
逆にクロエの能力は攻撃ではなく回復やバフ、デバフに特化しているようだった。と言っても使う機会もほとんどなく、バフによる強化も基本的なものであまり強いものは使えないとのことだった。
しかしデバフの効果はかなり強く、一時的に前後不覚に陥らせることも可能だった。さらに盗賊たちには強めの魅了効果を施すことで言うことを聞かせることが出来ていたらしい。あいつらが全く動かなかったのはそういったものが理由だった。
俺にも魅了を使っていたが、俺にはしっかりと掛かり切らなかったと言っていた。俺のスキルの不屈の能力は状態異常に屈しないという能力のためだ。状態異常無効や耐性ではなくただただ屈しないだけなので状態異常にはかかる。
しかし麻痺なら体はしびれてるけど動くことはできる。睡眠ならめちゃくちゃ眠いけどなんとか起きてられるとかそういった地味な効果を持っている。魅了に関しては半分くらいかかっていたけど意識を乗っ取ることは俺相手には不可能だ。
そんな会話をつづけながら旅をしているときに少し問題が起きていた。順調すぎた冒険は、一人の女性が魔物に襲われているのを発見して終了した。
「助けてくださいー! 誰かー!!」
オオカミの魔物に襲われながら木の上に逃げていた女性は大声で助けを求め続けていた。確かにここはそれなりに冒険者も通る可能性があるルートではある。しかし女性冒険者はオオカミがいながら大声を出している。
そんなことをすればオオカミが仲間を呼ぶ手助けをしているようなものだ。そして冒頭に戻って会話が行われた。
「いや、助けたいのはやまやまなんだけどさ。あれ集まり過ぎじゃない?」
そう、いつからああやって叫んでいるのかはわからないが木の下にはオオカミがうろうろとしていた。10匹くらいはいる。開けている場所でもないのでイリスの魔法を使うと取りこぼしが出るか、女性にも被害が出る。
かといって俺が単騎で突っ込んでどうにかしようとしても、多すぎると能力をうまく使うことが出来ない。俺が悩んでいるとクロエが不意に立ち上がった。
「ここは私に任せてもらおうじゃない。やっと見せ場がきたってね」
「ちょ、大丈夫なのか?」
「ええ、盗賊に比べれば可愛いもんよ」
「お姉ちゃん、頼もしい」
なんだかフラグみたいな感じでゆうゆうと歩き出したクロエに向かってオオカミ達が視線を向ける。女冒険者も気づいたようで、一瞬安心したような顔をしたが女の子の見た目のクロエを見て悲壮な顔になる。
「そこの女の子! 逃げて!」
さらにはクロエに逃げるように声をかけていた。それに対してクロエは不敵に笑みを作ってオオカミ達を見据える。
「おすわり」
「くぅーん」
犬たちはいっせいにお座り状態になった。なにこれ可愛い。というかクロエ強すぎない?
「このオオカミ達は私の目をしっかり見ちゃったからね。もし目を見なくてもこの程度の魔物だったら私の魅了で一発よ」
クロエは自信満々に答え、オオカミ達に散るように命令をした。
「そこの木の上の人、もう大丈夫よ」
「あ、ありがとうございますぅ……」
木から降りてくるとそれが女の子であることがしっかりとわかった。どこがとは言わないがしっかりと育った部分が強調されていた。
「巨乳が憎い」
「え?」
「……」
なんか今イリスの方から不穏な言葉が聞こえてきたけど? 聞かなかったことにしておこう。さわらぬ貧乳にたたりなしだ。
「助かりました、ありがとうございます。私の名前はフラフィーって言います」
フラフィーと名乗った女冒険者は猫耳を生やし、一般的な冒険者の服を着ていた。つまりはちゃんとした冒険者なのだろう。しかし武器も持たず一人でいるのはなぜなのだろうか。
「私はクロエ、こっちが妹のイリス。こっちはキミヒトよ。よろしく」
俺たちは互いに自己紹介を済ませたが、イリスの視線はずっとフラフィーの胸にくぎ付けだった。というかなにか呪いのような波動を感じるけど見て見ぬふりをするのが男の務めだな。
「ところでどうしてこんなところに一人で?」
「ええと……本当は冒険者の方々と一緒だったんですが、夜になると襲われそうになりまして逃げていたら迷ってしまって……。どうにか街を目指そうと思っていたんですがオオカミに襲われてしまってあのざまです……装備も外していたので戦うことも出来ず木の上へ……」
「最低な冒険者もいたものね。仲間は選ばないとだめよ」
「はい……。ご飯をご馳走してくれた良い人たちだったのですが」
聞けばフラフィーをパーティに誘ったのは全員男のパーティだったらしい。フラフィーはなり立ての冒険者だったこともあり、クエストの報酬につられてほいほいついて行ってしまったとのことだった。
獣人だったっていうのも都合がよかったのかもしれない。人里の中にいる獣人は基本的におひとり様だから問題が起こっても誰も助けることはない。さらに冒険者ともなると自己責任という言葉もあるように、連れ去られることも少なくないようだ。
となると仕方ないな、街まで送っていくか。
「あー、もしよかったらなんだけど俺たちケイブロットに行くんだけど一緒に行くか?」
「ほんとですか!? 私もケイブロットに行こうとしていました! ぜひお願いします! あ……でもなにもお礼が……」
「いいよ別に。ついでだし」
「そんなわけにはいきません! えと、その、経験はないですが、私の体でよければ……」
「キミヒト、こいつ殺す」
「え……?」
イリスから恐ろしいほどの殺気が膨れ上がる。急にどうした?
「そうね、フラフィー。殺気を消すのが下手すぎるんじゃないかしら?」
そういうとイリスはフラフィーの下半身から肘あたりまで凍らせ身動きが取れないようにした。
「なっ!?」
「おかしいのよねぇ。人から嫌われている獣人が人とパーティを組む? しかもあなたは可愛いし一人だし絶対に嫌な目に合ったことがあるはずなのよねぇ。それなのに冒険者とパーティ? キミヒトは騙せても私たちは騙せないわよ」
クロエはフラフィーの頭をつかみ、目をしっかりと合わせる。そうするとフラフィーは目線が定まらなくなり体から力が抜けていった。
「おいおいまじか」
「伊達に二人旅してないわよ。一回捕まったしちょっとした敵意にも敏感になっちゃったわ。そういう時は問答無用ってね。さて傀儡になったフラフィーちゃん、あなたの目的はなんなのかしら」
「……お友達が欲しいです」
「え?」
「冒険者を殺してお金を奪ってくれば友達になってくれるって……」
クロエの魅了にかかっているときは自分の意志で喋ることはできない。つまりこれは紛れもない本心であり、俺たちを襲おうとした理由でもある。
「なぁクロエ、魅了解いても良いんじゃないか?」
なんだか可愛そうになってきた。友達が欲しいから冒険者を襲う獣人の女の子。きっと悪い冒険者に騙されたんだろう。もしかしたらさっきの森で襲われそうになったって言ってたやつらかもしれないけど、もういいだろう。
「そうね、殺気もすごい鈍かったからあんなに接近しちゃったわけだし。そういうわけならちゃんと話くらい聞いてあげましょうか」
「巨乳が憎い」
「「……」」
イリスは最初から最後までずっとフラフィーの巨乳を凝視し続けていた。
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