マリッジブルーは止まらない!!

AMO.

マリッジブルーは止まらない!! S02-10

両家揃ったところで店員に案内され、

同じ様な個室が並び、
「三」と言う漢数字の冠の部屋に案内される


何ゆえか入り口が狭い。
中腰になって入らなければ入れない障子扉で、頭打ちそう。


座ってしまうと従業員の足しか見えない。
言い換えるならば、他の客から覗かれない配慮。
逆に従業員は配慮が足らなくなる事をすぐに察知。

上座奥から俺の親父、お袋、自分。
下座も同順。




慣例のような挨拶を済ませ、ビールを両親父どもに捧ぐ。
俺は帰りの運転。母親は気取ってウーロン茶。残りは下戸。


二人分の用意していたビールは瞬く間に底を着き、
最後まで僕は「すみません、ビール○本追加で~」の係りに。


「まぁ、ウチの息子は…」
「いやぁ、ウチの娘なんか…」

会話の頭出しは、両家の息子娘の
駄目出しからスタート。あるあるだな。


開始早々、何よりも不安で恐れていた事は大逆転。

俺の親父が喋る喋る喋る喋る喋る喋る喋る喋る喋る喋る喋る喋る喋る喋る喋る
俺を含む5名はほぼ傍観。

息子の駄目出しから自分のプロフィールに入り…


親父には関心したって言うか、
普段のキャラは何かと問いたい。
「あー」とか「うー」とか「おー」しか言わない(言えない)
原人クラスの会話レベルは本気だしたらこんなに喋るんだな。



両親父どもはガンガン酒を注ぎあい、良い感じで盛り上がる。
声がでかい。

僕等と両母親はほとんど食べるに夢中。
ってか、食べるっきゃない。

しかしながら、、むしろ当然だが両家とも接点は僕等。
駄目だしは誉めあいに変わり、
「いやぁ、恭平君はしっかりしてるから…」
「そうですかねぇ?僕、息子に興味ないから知りませんねん」

ゴアッ!ってなった。。。。
そこで、その返事は無いだろう。
いや、それが真実でも、息子の前で言うなよな。。

なんだか妙な空気になる。
あちらの親父がトイレにバックレ。

会話を持たせる為か
(そもそもその様な機能があるかは定かではないが…)
親父は僕に
「そんで?いつ式挙げるねん」

今度は彼女と、ウチの母親が
ゴアッ!!ってなってるのを目の隅で捕らえる。

現実問題、親父は相当酔っている。
危ない刑事(デカ)ではなく、危ない武士。

そうこうしている間に、
あちらの親父が(かなり身長高いので入りにくそうに)
部屋に戻る。

「それで恭平君?」
僕が、あちらの母親に視線をやっていると、
親父が僕の後ろを通過していく。トイレだろう。

「式の段取りは決めたの?」
「あ~、今彼女とも話し合ってるんで・・」

と、せっかく正常な会話の流れを戻し始めた矢先に
僕の左側から

"ゴンッ!"
はい、お約束。
親父ドアに頭メガヒットのミリオンセラー。

母親は赤面気味に「もぅ」と呟き、彼女をチラっと見ると
笑いを堪えた顔してる。

ところが義理父さん大爆笑…。
「親父っ!部屋間違えんと帰って来いよ!」

「お・・・おー」

と行って消えていく親父。

その後ようやく会話らしい会話。両家会談って感じ。


会話が盛り上がってきた時には、
僕は気付いた事があったが、気付かないフリをしていた。


それはもちろん
僕の左側の通路に確実に部屋がわからなくなって
迷ってウロウロしていた親父の足のみ、見えていた事は
言うまでも無い。


続けよう。

コメント

コメントを書く

「エッセイ」の人気作品

書籍化作品