金髪縦ロール無双~無実の罪で国外追放された元天才参謀、世界唯一の女性Sランク冒険者になった途端戻って来いと言われましたがもう遅い。私の居なくなった国は急激に弱体化したようです~
第99話 正式に侯爵家の
侯爵家が座ったタイミングを見計らうように、メイドが紅茶を運んできてくれ、侯爵とアリーセの前に置いた。
そして、メイドは静かにその場を離れた。
「いやぁ、アリーセも忙しいのに悪いな。わざわざ来てもらって」
紅茶を一口啜った侯爵が言った。
「いえ、侯爵にはお世話になっておりますから、これくらい当然ですわ」
アリーセもまた紅茶を啜った。
余談になるが、ここの紅茶は美味しい。
今度、茶葉を分けてもらえるよう、頼んでみようか。
「それで、早速だが本題に入らせてもらうぞ」
侯爵が紅茶の入ったカップを置くとそう切り出した。
侯爵も多忙を極めている身である、時間は大切に使いたいのだろう。
それは、アリーセも同じであるが。
「ええ、何でしょうか?」
アリーセも紅茶の入ったカップを机に置いた。
「まだ、内示の段階なんだが、来年からメールス王国の宰相を務める事になってな」
「それは、おめでとうございますわ」
宰相とは『国王陛下に任ぜられて宮廷で国政を補佐する者』という役職である。
その地位は今の立場よりはだいぶ上がるので、出世と言って差し支えないだろう。
あの国王は人を見る目はあるし、侯爵と国王は旧知の仲だという。
そういった意味でも上手いこと政治を回してくれるのではないだろうか。
「ありがとう。それでだな、アリーセに宰相になるにあたって、正式に侯爵家のお抱え冒険者になってはくれないだろうか?」
宰相という立場になっては、今まで通りにフリーの冒険者に個人的に頼み事をしているのと、世間はあまりいい目はしないことになる。
アリーセの場合、フリーとはいってもSランク認定の冒険者であり、S級指定の迷宮を踏破してしまうほどの実力者であることは、世間も知っている為、そこまで非難はされないだろう。
その点、侯爵家のお抱え冒険者として侯爵家正式に認めるということは、侯爵家が雇っているという扱いになる。
それならば、誰も文句は言わないだろう。
「是非、そのお話をお受け致しますわ」
侯爵家のお抱え冒険者になれば、侯爵の後ろ盾がより強固なものになる。
今まで、何かと悪目立ちしてもやって来れたには実は侯爵が後ろで手を回してくれていたおかげでもある。
むしろ、願っても無い事である。
「本当か!? いやあ、助かった。内心、断られるかと思っていたからな」
「断りませんわよ」
お抱えになると、他の冒険者からは嫌味を言われるかもしれないが、冒険者として見た時はメリットがほとんどを占めるのだ。
「では、これからもよろしく頼む」
「こちらこそですわ」
アリーセはディオン侯爵と握手を交わした。
「早速で悪いんだが、もう一つ頼まれてくれんか?」
侯爵はまだ何か企んでいる様子であった。
そして、メイドは静かにその場を離れた。
「いやぁ、アリーセも忙しいのに悪いな。わざわざ来てもらって」
紅茶を一口啜った侯爵が言った。
「いえ、侯爵にはお世話になっておりますから、これくらい当然ですわ」
アリーセもまた紅茶を啜った。
余談になるが、ここの紅茶は美味しい。
今度、茶葉を分けてもらえるよう、頼んでみようか。
「それで、早速だが本題に入らせてもらうぞ」
侯爵が紅茶の入ったカップを置くとそう切り出した。
侯爵も多忙を極めている身である、時間は大切に使いたいのだろう。
それは、アリーセも同じであるが。
「ええ、何でしょうか?」
アリーセも紅茶の入ったカップを机に置いた。
「まだ、内示の段階なんだが、来年からメールス王国の宰相を務める事になってな」
「それは、おめでとうございますわ」
宰相とは『国王陛下に任ぜられて宮廷で国政を補佐する者』という役職である。
その地位は今の立場よりはだいぶ上がるので、出世と言って差し支えないだろう。
あの国王は人を見る目はあるし、侯爵と国王は旧知の仲だという。
そういった意味でも上手いこと政治を回してくれるのではないだろうか。
「ありがとう。それでだな、アリーセに宰相になるにあたって、正式に侯爵家のお抱え冒険者になってはくれないだろうか?」
宰相という立場になっては、今まで通りにフリーの冒険者に個人的に頼み事をしているのと、世間はあまりいい目はしないことになる。
アリーセの場合、フリーとはいってもSランク認定の冒険者であり、S級指定の迷宮を踏破してしまうほどの実力者であることは、世間も知っている為、そこまで非難はされないだろう。
その点、侯爵家のお抱え冒険者として侯爵家正式に認めるということは、侯爵家が雇っているという扱いになる。
それならば、誰も文句は言わないだろう。
「是非、そのお話をお受け致しますわ」
侯爵家のお抱え冒険者になれば、侯爵の後ろ盾がより強固なものになる。
今まで、何かと悪目立ちしてもやって来れたには実は侯爵が後ろで手を回してくれていたおかげでもある。
むしろ、願っても無い事である。
「本当か!? いやあ、助かった。内心、断られるかと思っていたからな」
「断りませんわよ」
お抱えになると、他の冒険者からは嫌味を言われるかもしれないが、冒険者として見た時はメリットがほとんどを占めるのだ。
「では、これからもよろしく頼む」
「こちらこそですわ」
アリーセはディオン侯爵と握手を交わした。
「早速で悪いんだが、もう一つ頼まれてくれんか?」
侯爵はまだ何か企んでいる様子であった。
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