金髪縦ロール無双~無実の罪で国外追放された元天才参謀、世界唯一の女性Sランク冒険者になった途端戻って来いと言われましたがもう遅い。私の居なくなった国は急激に弱体化したようです~

津ヶ谷

第74話 レッドドラゴン討伐編

レッドドラゴンはまだ、戦闘の意思を見せている。
流石は、S級指定の魔獣に認定されるだけの事はあるのだろう。
そう、易々と諦めてはくれないようだ。
しかし、片方の羽は切り落とされ、両目とも剣を突き刺された状態である。
明らかに、レッドドラゴンの動きは鈍いものになっていた。

「もう、そろそろ諦めて欲しいんでけどね!」

アリーセはそんなことを呟きながらも戦闘態勢を維持していた。
レッドドラゴンの炎が届かない範囲へと距離を取る。
その間も見境なく炎を吹き出している。
あれを直で喰らうようなことは絶対に避けなければならない。
きっと、跡形もなく燃え尽きてしまうことだろう。

「参りましょう」

アリーセは剣を構え直す。
レッドドラゴンの口から炎が放出される事が収まるタイミングを見計らい、一気に間合いを詰める。

「はっ!!」

一気に距離を縮めると、アリーセは剣を振るった。
跳躍と同時に剣を振るうと、レッドドラゴンのもう片方の羽が切り落とされていた。

『クオォォオォォ!!』

レッドドラゴンが咆哮を上げた。
そして、見境なく口から炎は放出される。
アリーセは後ろに跳躍することで、レッドドラゴンとの間合いを確保し、炎の攻撃より逃れる。

「さて、そろそろ終わりにして差し上げましょう」

アリーセは口角を少し上げた。
この時、アリーセの勝利はほとんど約束されたものでああった。

アリーセは、炎の収まるタイミングを見計らった。
そして、一瞬だがレッドドラゴンに隙が生まれた。

「これで、終わりです!!」

アリーセは、レッドドラゴンとの距離を詰める。
それと共に、真上にアリーセは跳躍して、レッドドラゴンの頭上にまで飛んだ。

「はっ!」

アリーセは剣をレッドドラゴンの首へと叩きつけるように振るった。
流石に、固い。
しかし、アリーセはそれを物ともしない様子である。

『グオォォォォ』

レッドドラゴンは少し情けないような咆哮を上げた。
それでも、アリーセは剣に込める力を緩めることは無かった。

そして、30秒も経っていないだろう。
レッドドラゴンの首が切断された。
胴体と頭が切り離されたレッドドラゴンは再び動きだすことは無かった。

「終わり、ましたね」

さすがのアリーセも少し、息が切れていた。
アリーセはレッドドラゴンの切り離された首から上にと視線を移した。

「これ、面倒なのでこのまま持って帰りましょうか」

アリーセはレッドドラゴンの頭をそのままマジックバッグの中に突っ込んでやった。
そして、剣を鞘に納刀すると、アリーセは迷宮を脱出することにした。

「さて、帰りましょう」

アリーセはコートについた砂埃を払った。

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