金髪縦ロール無双~無実の罪で国外追放された元天才参謀、世界唯一の女性Sランク冒険者になった途端戻って来いと言われましたがもう遅い。私の居なくなった国は急激に弱体化したようです~

津ヶ谷

第53話 新人冒険者研修(その後)

あれから、ダンジョン化した洞窟にも潜ったが、結構連携が取れてきており、ゴブリン討伐の時よりもすんなりクリアすることが出来た。
そして、ついに一週間のカリキュラムが全て終了した。
これで、この研修に最後まで参加したものはCランクへの昇格が約束されている。
最大のメリットが、このCランクへの昇格だろう。

「みんな、Cランクへの昇格おめでとう」
「おめでとうございます」

アリーセとロジェルが言った。

「先生、ありがとうございます!!」
「ありがとうございました」

皆、それぞれ感謝の言葉を伝えてくれる。
自分が教えた生徒たちは成長してくれるというのは嬉しいものだ。

「こちらこそ、よく頑張ってくれました」

こんなに喜ばしいいものなら、来年もまた教官をやってもいいかもしれないと思う。

「先生はソロなんですよね?」

ミサがアリーセに尋ねた。

「ええ、私は今の所パーティとかは組んでいませんね。一緒に戦ってくれる仲間は居ますが」

ロジェルやセシール、アシルなど、一緒に戦ってくれ人物は居るが、特定のパーティを結成している訳ではない。

「その、やっぱり、パーティは組んだ方がいいものなんでしょうか?」
「人によりますわね。でも、パーティが悪いとは言いませんよ」

アリーセのように、気楽にやりたい場合はパーティを組まずにソロでやればいい。
しかし、パーティを組むと、より高ランクな依頼をこなせたり、それぞれのスキルやランクが上がりやすいといったメリットもある。
また、ギルドでパーティの口座を作れたりと、便利になることも確かだ。

「俺たち、このメンバーでパーティ組もうって話になってよ」

ギートが言った。

「それは、いいと思いますわよ」

このメンバーは、お互いに実力差があまりないし、一週間だが一緒にやって来た仲間だ。
気心は知れている。
これからもパーティとしてやって行けば、連携も取れるようになり、成長することだろう。

「この研修で同じグループだったメンバーとパーティを結成することはよくあるそうですし」
「そうなんですか?」

ミサが尋ねてきた。

「ええ、私はそう聞いていますわ。パーティの結成の仕方は分かりますか?」
「はい、ギルドに申請すればいいんですよね?」
「そうですわ」

ギルドのパーティ結成用紙にパーティメンバーの名前を書いて登録する。
登録時にはギルド発行のギルドカードが必要とされるが。

「これからの活躍を期待しておりますわ。では、私たちはこれで失礼しますわ」
「頑張って下さいね」

そう言うと、アリーセとロジェルは、ギルドを後にするのであった。
これからの彼らの活躍に期待を膨らませながら。

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