金髪縦ロール無双~無実の罪で国外追放された元天才参謀、世界唯一の女性Sランク冒険者になった途端戻って来いと言われましたがもう遅い。私の居なくなった国は急激に弱体化したようです~

津ヶ谷

第52話 新人冒険者研修(討伐編)

人間の気配を感じ取ったのか、ゴブリンたちがぞろぞろとやって来た。
数にして20体くらいだろうか。
クエストの数よりは少し多めな感じだ。

「意外とおおいんだな」

イザークがボソッと口にした。

「やるっきゃないだろ」

ギートが剣を構える。

「うん、そうだね」

ミサたちを始めとする女子たちも戦闘態勢に入る。

「いきます」

アメリが味方全体に支援魔法を展開させる。
展開スピードは大したもんだ。
全員に身体強化の魔法をかけた。

「おぉ、凄い」

そう言うと、ギートが剣を構えて、ゴブリンたちに突っ込んでいく。
それに続くような形でチグサが槍を構えて突っ込んでいく。

全く、二人とも脳筋かよ。

「おりゃぁ!」

ギートが剣を横に振るう。
その瞬間、ゴブリンの胴体と頭が切り離されていた。

「ほう、中々やりますね」

少し離れた所から見ているロジェルが呟いた。

「たあぁ」

チグサが槍でゴブリンの胸を突き刺す。
ゴブリンは、その場で倒れ込むと次に起き上がることは無かった。
これで、二体を倒した訳だ。

「炎よ来たれ、我が願うは炎の渦」

イザークがゴブリンに向かって炎の渦を放った。
威力としてはまだまだだが、それでもゴブリン3体ほどを仕留めるには十分な威力だった。

「私も!」

ミサは風の支援魔法を矢に付与すると、ゴブリンに向かって放った。
その矢は、ゴブリンの額に突き刺さり、絶命していた。

それからというもの、互いに協力し合いながらも、15体のゴブリンを討伐していた。
そこまでやると、生徒たちは肩で息をしていた。

「そろそろ、助け船を出しましょうかね」
「ええ、左様でございますね」

アリーセとロジェルは剣に手をかけた。
そして、一瞬にしてゴブリンとの間合いを詰め、剣を横に振るう。

アリーセが二体、ロジェルが三体のゴブリンを一気に仕留めた。
目にもとまらぬ速さでだ。

「す、スゲー」
「私たちとは、次元が違いますわね」

生徒たちは感心している様子であった。

「皆さん、よく頑張りましたわ。クエストは成功ですわ」

いくら、アリーセたちの手伝いがあったとはいえ、目標であったゴブリン12体は自分たちで仕留めたのだ。
クエストはクリアと言っていいだろう。
討伐の証拠となる、ゴブリンの核を取り出していた。

「こうやると、核を取り出すことが出来ます」

ロジェルがナイフを使ってやってみせた。

「なるほど、これなら私たちも出来そうです」

見様見真似だが、生徒たちも核を取り出すことが出来た。

「初めてにしては上出来です」

ロジェルが言った。

「それでは、帰りましょうか」

20体全ての核を取り終わったところでアリーセたちは森を抜けるべくあるいていた。
特に魔物が襲ってくる気配も無く、森を抜けることが出来た。
あとは、この核をギルドに持っていけば依頼は完了である。

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