金髪縦ロール無双~無実の罪で国外追放された元天才参謀、世界唯一の女性Sランク冒険者になった途端戻って来いと言われましたがもう遅い。私の居なくなった国は急激に弱体化したようです~

津ヶ谷

第43話 新人冒険者研修①

翌日、新人冒険者研修の当日となった。

「では、行って参ります。屋敷の事を任せてしまい、申し訳ございません」
「行ってきますわ」

アリーセとロジェルはセシールに見送られていた。

「ロジェルさん、気にしないでくださいね。屋敷は私に任せて、頑張ってきて下さい!」
「恐縮です」
「お嬢様も、気をつけて行ってきて下さいね」
「ありがとう」

2人は、セシールに挨拶を済ますと、屋敷を出た。
集合場所はギルド本部となっている。
そのまま冒険者ギルドへと向かった。

「結構、集まるんですわね」
「はい、今回は定員を設けていませんでしたからね」

実力を上げたい駆け出しの冒険者が集まっているようである。

「さて、私たちは向こうのようです」

初めてのアリーセは右も左も分かっていないので、ロジェルが居てくれ本当に助かった。

「おぉ、ロジェルじゃないか。珍しいな、お前が出てくるなんて」

ロジェルと同い年くらいの見た目だが、筋肉隆々の男が声をかけてきた。

「お前も教官か?」
「ええ、うちのお嬢様が推薦されたので、私もやってみようかと」
「ほう、これが噂のお嬢ちゃんか」

筋肉隆々の男はアリーセの方をまじまじと見つめて来た。

「これ、ゲルト。お嬢様を怖がらせるんじゃ無い!」

ロジェルが男の頭をベシッと叩いた。

「おっと、これは失礼した。俺はゲルトだ。こいつとは昔、迷宮に潜った親友だ」
「腐れ縁でございます。こんな下品な男」

ロジェルが言い切った。

「酷いなぁ。お前も今じゃ執事だもんな。まぁ、お嬢さんもよろしくな」
「よ、よろしくお願いします」

アリーセ軽く頭を下げた。

「うちのお嬢様に近づくな。下品が移る」

ロジェルは結構、物事をズバズバ言う所がある。
まぁ、これも信頼している証なのだろうが。

「おっと、そろそろ始まるようです」
「みたいですわね」

アリーセたちの他にも、教官は10人ちょっと居るようだ。
新人冒険者はギルドの横にある、広場に集められていた。

「集まったようだな。今回は新人冒険者研修に参加してくれ、感謝する」

ギルマスが代表をして挨拶する。
一通り、挨拶を終えると、この研修の流れを説明する。

どうやら、5人から7人のグループを冒険者で組み、1グループにつき、教官が2人付く形になるそうだ。
研修は実践がメインで、森や難易度が低いダンジョンに潜るといったものだった。
この研修は3日に分けて行われる。

「それでは、グループを発表する」

そう言って、ギルマスが全部で7グループを発表した。
グループに分かれた冒険者たちはそれぞれ挨拶をし、教官は誰かと期待していた。

「私、あの女の人がいいな」
「あ、俺も! 美人だし」
「バカ、あれでもSランクだぞ。きっと厳しいに決まっている」

恐らく、アリーセの事を言っているであろう声が聞こえてくる。
まぁ、聞こえていないふりをしているが。

「Aグループ、教官。Sランク・アリーセ、Aランク・ロジェル」

アリーセとロジェルは同じグループを担当する事になった。
ちなみに、ここで初めてロジェルのランクを知ることになった。

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