金髪縦ロール無双~無実の罪で国外追放された元天才参謀、世界唯一の女性Sランク冒険者になった途端戻って来いと言われましたがもう遅い。私の居なくなった国は急激に弱体化したようです~

津ヶ谷

第33話 陰謀の阻止

アリーセと騎士との間には緊張した空気が流れていた。

「化け物が……」
「人を化け物呼ばわりとは、酷いなぁ」

アリーセ剣を構え、騎士の首元に突きを入れる。
それを、騎士は剣で受け流した。

「ほう、今のを流したか。君は歯ごたえがあるみたいだね」

一度、間合いを取ると、次は一気に間合いを詰め、高速の突きを繰り返す。
流石の騎士も、これは捌き切れなようであった。
アリーセの一方攻撃に、鎧はだいぶ傷ついていた。

「嘘、だろ……」
「残念、本当なんだな」

首元に剣を突き付けている。
騎士の首元には、血が滴り落ちていた。
絶望した表情と共に、騎士は剣を落とし、力なくその場に崩れ落ちた。

「流石、アリーセ・ベートだ。一筋縄ではいかないようだな」

隊長は小さく拍手をしていた。

「そりゃ、どうも。あんたもやるのか?」
「当たり前だ。私は、さっきの連中のようにはいかんぞ?」

騎士隊長は剣を抜いた。
流石に、先程までの騎士とは圧が違った。
それに、負けないくらい、というか、圧倒的な殺気をアリーセは放つ。

「な、なんて殺気だ」

さすがの隊長もこれには、一歩引いた。

『縮地』

アリーセは、正真正銘の体術で隊長の後ろに回り込んだ。

「瞬間移動だと……」
「正真正銘、これは体術のなす技だ」

騎士隊長の首筋には、アリーセの剣が止まっていた。

「あいつらとは、違うんじゃなかったのか?」

そう言って、アリーセは口角を上げた。」

「やはり、私でも、アリーセ・ベートにはかなわなかったか……」
「まあ、そういうことだな」

そこまで言うと、アリーセは峰で首元に打撃を与えた。
その場で、隊長も意識を刈り取られた。

「これで、終わりましたわね」

しかし、これで全てが終わるとは思えない自分も居た。

アリーセは、襲ってきた5人の騎士を魔法で拘束した。
殺しに来たヤツを生かして捕らえてやったのだ。
ありがたく思え。

「そこの衛兵さん」

巡回中の衛兵に声を掛けた。

「ちょっと、来て頂けます?」

漆黒のギルドカードを提示した。
これで、アリーセの身分は証明され、言い分が通りやすくなる。

「私、こいつらに襲われましたので、軽く̪シバいておきました。連行してください」
「軽く、なんですね……」

衛兵は若干、引いていたが、すぐに応援を呼んで、連行していった。

「全く、ひどい目に遭いましたわ。一応、侯爵に報告した方がいいですね」

裏路地を抜けると、アリーセは、侯爵家へと向かう。
数十分歩き、侯爵家の前へとやって来た。

「こちらで、お待ちください」

従者により、応接間へと通された。

「お待たせ、何か、酷い目にあったんだって」

待つこと数分、侯爵が入ってきた。

「流石に、情報がはやいですわね」
「まあ、これでも侯爵だし、君は国にとって重要人物だからね」

そう言って、侯爵は笑った。

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