悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

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19話 まだ足りない。


 19話 まだ足りない。

「この女、質が低いぞ。ちょっと首しめたら、すぐに気絶しやがって、根性が足りねぇ。ちゃんと、調教して、マゾ耐性を底上げしておけ。あと、言っておくが、俺はガキとかいらんから、もし、出来ていた場合は、そっこうで堕ろすように言っておけ。わかったな」

 そう言うと、彼女たちの顔が、さらに曇った。
 女性を性欲処理の道具に使うという行為に対して、
 強い嫌悪感を抱いている精神的潔癖症の彼女たちにとって、
 この状況は、なかなか、耐えがたいものがある。

 ――ちなみに、彼女たちが、表情をこわばらせている間、
 センは、心の中で、

(丁寧に説明したから、五画寺アルキは、俺の想いを理解してくれたはず……最後、ちょっと暴走していたが、目が覚めて、落ち着けば、こっちの話に合わせて、適切な行動をとってくれるはず……楽観的希望ばっかりでこころもとないが、しかし、もう、そういう希望にもすがっていくしかねぇ……)

 タメ息をつきつつ、
 表情には一切出さずに、
 カス野郎を熱演するセンに、
 薬宮が、

「……あんたにあてがう女には、ちゃんと、あんたに尽くすよう教育をしておく……せやから……暴力とかは……やめてあげてほしい……ほんの少しでも……愛情をもって接してくれたら……女の方も、その想いに応えるものやから……だから……」

 土下座をしながら、

「どうか、おねがい……します……」

 そんな彼女の頭を、
 センは、ギュっと踏みつけながら、

「この俺様に、指図するんじゃねぇ、ちんちくりん」

 吐き捨てるように、
 そう言ってから、

「今日のところは、こいつを連れて、消えろ。明日以降のことは、追って連絡する。……なに、もたもたしてんだ。はやく消えろ。めざわりなカスども。お前らは本当に質が低い。段取りが悪い。気がきかない。ヘドで溺れそう」

 適切に、彼女たちのヘイトを稼いでいくセン。

 彼女たちの姿が消えてから、
 センは、ベッドに寝転がって、

「はぁああああああああ……」

 長く、深いため息をついてから、

「ヨグ……今で、何倍だ?」

 そう問いかけると、
 ヨグシャドーは、たんたんと、

(8000倍だな。なかなかいい感じに嫌われてきたじゃないか)

「……うれしいねぇ……」

 奥歯をギュっとかみしめながら、そうつぶやくと、

「あと、1・5倍嫌われないとマックスにはならねぇのか……もう、無理だろ……あと、どうすればいいんだ……もう、これ以上は、思いつかないぞ……」

(やつらの目の前で、黒木あたりを凄惨に殺せば、一気に12000倍までいくだろう)

「さすがに、それをやったら終わりだ」

(なにをためらう必要がある? どうせ、あの女に、それ以外の使い道はないし、銀の鍵を使えば、殺したこともなかったことに出来るのだから――)

「俺が俺でなくなる」

 ハッキリと、そう言ってから、
 センは、

「大事なものをこの手で殺さないと救えない世界なんざ、終わってしまえばいい。俺がゴミカスだと思われるのはどうでもいいが、あいつらの死は流石に許容できねぇ」

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