悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!
6話 俺がシャツって言ったらシャツなんだよ。
6話 俺がシャツって言ったらシャツなんだよ。
(彼女たちの憎悪を受け止めろ。その覚悟がないのであれば、もう、死ね。その程度の気概もないカスに世界は救えない)
(……クソ嘘つき野郎が……無駄に煽りやがって……)
ギリっと奥歯をかみしめてから、
(……まあいいか……憎まれるだけでいいなら、あいつらとヤルよりは、全然マシだ)
そう決断すると、
センは、アウターゴッドを着込んで、
存在感を爆上げさせる。
その圧力を前にして、
トコたちは、一気に、根源的恐怖を感じた。
圧倒的な覇気。
格の違う命の最果て。
「……なっ……あっ……」
震えている彼女たちに、
センは、
「――『共感性空間』――」
特別な空間魔法を使い、
彼女たちを閉じ込めた上で、
「――『俺がシャツって言ったらシャツなんだよ』――」
暗示系のF魔法を使い、
右手に『赤ん坊』を召喚した、と、自分に暗示をかける。
その暗示を、他者に共感させる空間魔法を展開させているため、
センの右手に召喚された赤ん坊は、センだけの妄想ではなく、
彼女たちにも見えるようになる。
実際には、ただ『赤ん坊を召喚した』と、センが暗示にかかっているだけ、という状況なのだが、その暗示を、彼女たちも共有するという、なんだか、よくわからない、トリッキーな状況。
※ ちなみに、このコンボは、ニャルの十八番であり、かつて、センが、第二アルファに転移した夢も、このコンボの応用である。
その状況下で、センは、
(女に恨まれるのには、これが、一番効果的だろう……女に限定しなくとも、キレられるだろうけど。仮に、俺がやられたれら、おそらく、覚醒するレベルでキレる)
こころの中で、そうつぶやいてから、
その、本当は存在しない赤ん坊を、
彼女たちにも、よく見えるように掲げて、
「1分以内に、俺を殺せなければ、このガキを殺す」
「きゅ、急に……なっ……なにを……いうてんねん……ちょ……やめぇてや、マジで……」
全力で困惑しているトコに対し、
センは、イラっとした演技をしながら、
「うるせぇえええ! ごちゃごちゃぬかすなら、いますぐ、殺すぞぉおおおおおおおおおおおおおお!」
そう叫びながら、
その赤ん坊の首をしめあげる。
数秒間、大声で泣き叫ばせてから、
口を封じる魔法を使って黙らせた――と認識してから、
「さっさとかかってこい、カスども! 俺を怒らせて、このガキを八つ裂きにされたいか! 言っておくが、俺は、世界中から、ガキを召喚できる! こいつを殺したら、また別のガキを召喚して殺す! それを見たくないというなら、俺を殺せぇえええ! まあ、てめぇらには、できねぇけどなぁあああ! はっはぁああああ!」
豪快な叫び。
悪役らしい高笑い。
それにしても、このセン、ノリノリである。
もしかしたら、ヒーローよりも、悪役の方がハマリ役なのかもしれない。
「っ……ぅ……」
あまりに急展開すぎて、
どうしても処理がおいつかない様子のトコを見て、
センは、
「こないなら、こっちから行くぞ、ぼけぇ!」
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