悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

33話 勝率0%。


 33話 勝率0%。

(……異次元砲ですら無傷とか、そんなんアリかよ……ここまでくると、どういうシステムなのか……さっぱり分からんな……マジで、完全無敵とは言われたら、お手上げなんだが……)

 センは、無敵システムの詳細を理解しようと、
 多角的に頭を働かせる。

 しかし、元々の出来があまりよろしくないので、
 どれだけ必死になって考えてみても、
 ヒントの一つも見つかりやしない。

(俺、『バトル物の主役』ぐらいだったら、なんとか遂行できるかもしれんけど、『推理モノの主役』は絶対にできないな……)

 どうでもいいことを考えつつも、
 脳の一部では、無敵バリアの攻略法を必死になって考えている。

 ――そんなセンに、
 ミスターZが、

『……ありえない強さ……』

 ボソっと、そうつぶやいた。

『戦闘力もそうだが、なんだ、この異次元のメンタル……貴様は芯が太すぎる……』

「メンタルの強さを魅せつけた覚えはないんだが?」

『……貴様のレコードの一部を盗み見させてもらった。貴様はおかしい。あまりにも、人の領域を逸脱しすぎている』

「人の黒歴史を勝手にのぞき見できるとか、お前、全国の元厨二病患者の天敵といえるな」

 などと、どうでもいいことを言いつつも、
 センは、すべての手札を切って、
 どうにか、ミスターZの無敵バリアをぶちやぶろうとするが、

「えー、マジで、なんも効かなーい。ウソやろ、ありえへんで、しかし!」

 つい、下手なナマリで天を仰いでしまうくらい、
 センは、ミスターZの無敵バリアに辟易する。

 そんなセンを尻目に、
 ミスターZは、まるで、『程度の低い人間』のように辟易している。

『ぐ……不可能。今のスペックで、センエースの対処は出来ない。絶対不可能』

 そうそうに、センの自力対処を諦めるミスターZ。

『アカシックレコードにローラー。可能性のカケラを回収する』

 動きを止めて、
 プランをねることに集中しだしたミスターZ。

『コピー系を用いたプラン……勝率0%。戦力をコピーするだけでは、センエースには敵わない。むしろ、極限状況下を打破するための覚醒が引きおこる確率の方が高い』

 ぶつぶつと、

『強奪系を用いたプラン……勝率0%。記憶と力を奪うにしても限度がある。限界まで奪ったところで、センエースには敵わない。新鮮な経験値を与えるだけになる』

 次々と、
 プランだけは量産されるのだが、
 しかし、そのどれもが勝率0%。

 センエースを相手に、生半可なプランなど通じるはずもなし。


『センエースを排除しなければ、母上の望みは絶対に叶わない。だが、センエースには敵わない』


 真理を理解したAIは、
 だからこそ、次のステージを求める。

『絶対に勝てない存在などありえない。真理に反する。あるはずだ。センエースに勝利する方法』

 熱が満ちて。
 臨界点をこえる。

 演算の最果て。
 計算式の向こう側。


『アカシックレコードの禁域に踏み込む必要がある。カギは持っている。真理の迷宮をクリアした実績をカギにする。母上の権利を行使し、真理の向こう側を手に入れる』



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