悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

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29話 話にならない。


 29話 話にならない。

 動き出した究極兵器『ミスターZ』は、背中に背負っている銃身が十メートル以上ある巨大なエネルギーライフルを構え、その銃口を、センに向けた。

「オイちゃんは、センたんを、本気で殺すつもりで暴れまちゅけど、センたんは本気をだしちゃダメでちゅよ。オイちゃんが死んだら大変でちゅから」

「……めちゃくちゃなことを言うとるな」

 そんなセンの文句はシカトして、
 ミスターZは、センに向かって発砲する。

 高出力のエネルギー弾がセンに向かって襲い掛かる。
 一般人であれば、骨も残らず消滅するが、
 そんな、膨大なエネルギーを、センは、

「なるほど、凄まじい火力だな。お前からすれば、サヴァーテはゴミだろうぜ」

 そう言いながら、片手でエネルギー弾を弾き飛ばした。

 一ミリもダメージを負っている様子はなく、ケロっとした顔のセン。

 その表情を見て、終理は、ニっと笑う。

「こりゃ、ほんとに、次元違いでちゅねぇ。今の攻撃で完全無傷となると、もはや、こっちに、センたんを害する手段はありまちぇん。おそらく、最大の切り札を使ったとしても、無駄でちょうねぇ」

「諦めずに、試してみたらどうだ? 今の火力の300倍ぐらいの威力を出せれば、もしかしたら、俺にかすり傷を与えるぐらいはできるかもしれないぞ」

「じゃあ、やっぱり、無理でちゅね。今の火力の15倍ぐらいが限界でちゅから」

「ああ、それじゃあ、ダメだな。話にならない。どこかでアウターゴッドを2~3体ほど捕獲してから出直してくるんだな」

「ははは」

 終理は、力なく笑ってから、

「……まいりまちたねぇ。ようやく、世界を創りなおせると思った矢先に、こんなハプニングが起こるだなんて……想定外にもほどがありまちゅ」

「世界を創りなおす? ずいぶんと、大仰な発言をするじゃないか。スケールのハンパなさにどぎまぎするぜ」

「スケール感は、確かにそこそこでちゅけど、実際にやることは、大したことじゃないでちゅよ。ようするには、ノアの箱舟でちゅ。大雨をふらせて全滅させて、一から再構築。簡単な話でちゅね」

「まったく簡単だとは思わないが……」

 と、前を置いてから、

「俺はバカだから、一応、確認しておきたいんだが、お前がいう『大雨』ってのは、ようするに、『世界を終わらせる』ってことだよな?」

「もちろん、そうでちゅよ。大雨に、それ以外の意味なんてないじゃないでちゅか」

「大量の雨という意味もあるんだよ、お前は知らんかもしれんけど」

 呆れたように、そう言ってから、

「俺は、死にたくないから、当然、世界を終わらせたくない。つまり、俺がいる現状、お前は、どうあがいても、世界を終わらせることは不可能。――それを前提にした上で聞くが、お前は、どうやって、世界を終わらせるつもりだったんだ?」

「……この迷宮をクリアした者には、世界を再構築する権利が与えられるんでちゅよ。オイちゃんはすでにクリアしていまちゅ。だから、あとは、更地にしたいと願ってから、設計するだけでちゅね」

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