悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

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82話 外なる神様と泥試合を。


 82話 外なる神様と泥試合を。

「き、貴様、異常すぎるぞ!」

 ギは、センエースという狂気にドン引いていた。

 いつだって、神話生物の方がSAN値チェックを受けてしまう。
 それが、センエースクオリティ。

「俺は異常じゃねぇよ。実際のところは、俺だけがまともで、俺以外が全員異常なだけだ」

「それは異常者が頻繁に使うキラーワードだ!」

 三体のアウターゴッドは、
 どうにか、センを削り切ろうと猛攻を仕掛けた。

 とにかく、必死で、

「死ね、死ね、死ねぇええ! はやく死ねぇえ! いい加減に死ねぇ!」

 全力の猛攻で、殺しきろう、殺しきろうと頑張っているが、
 しかし、

「なんで死なない! なぜ、まだ生きている! というか、なぜ、そんなにも強い目ができる?!!」

 理解ができなかった。
 センエースという概念は、
 『敵』と言うポジションで見つめると、
 あまりにも異様というか、
 これぞ、まさに、宇宙的恐怖とでもいうべき、
 『特異な怖さ』が、いびつに渦を巻いていた。

「頼むから、もう死んでくれ! 私は貴様が怖い!」

 その素直なメッセージを受けて、
 センは、つい、笑ってしまった。

「根源的な恐怖の対象たるアウターゴッドに、それほどまで素直に『怖い』と言わせてみせたか。俺、すごいな」

 自分に対して自信を持ちつつ、

「だが、まだ、お前らは、俺の本当の怖さを知らない。俺のヤバさはここからだ。ここまで見せてきた俺の狂気は表面上の苔(こけ)みたいなものに過ぎない」

 ニィと笑みを強めて、

「中身は、もっとグロいぞ。俺の狂気はコズミックホラーの向こう側。はたして、耐えられるかな? ふふふ」

 アウターゴッドを追い詰める一般人。
 過剰に異常な光景は、そこからも泥臭く続く。

 センは、エゲつない集中力を保ったまま、
 三体のアウターゴッドと向き合い続けた。

 派手なエフェクトで魔法を撃ち合ったりもしているが、
 基本的には、すさまじい泥試合で、
 互いに、『安い削り』を入れ合うだけの根競べ合戦。

 小技で崩しを入れつつ、
 強制的に仕上げた確定反撃にジャブを入れ合う消耗戦。

 ――苦しそうだった。
 とにかく、辛そうだった。
 両者。

 センも、アウターゴッドも、
 どちらも、まるで、息止め合戦でもしているかのように、
 はち切れそうな、マンキンの表情で、
 アップアップしながら、
 『どちらが先に、相手を削りきるか』という、
 極悪に尖り切ったチキンレースを爆走している。

 ジリジリと、互いに体力を減らしていく。
 そんな、見ていられない闘いにも、
 いつかは決着がつく。



「――閃拳」



 センエースという名の『地獄そのもの』ともいうべきキ〇ガイとの闘いで、疲弊しきったギ。
 アウターゴッドとしての意地で、どうにか、センと対峙してきたが、しかし、意地だけで対応できるほど、センエースという地獄は甘くなかった。


「ぐぼへぇっ……」


 中心に、ガツンと一発いれられたギは、
 よだれを垂らしながら、
 その場にガクっと膝をつく。

「あ、ああ……うっ……」

「ギなんとか。お前は間違いなく強かったよ。けど、やっぱり、俺の敵としては不足だな」

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