悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

3話 アダムは強すぎる。


 3話 アダムは強すぎる。

(この女が言う『主上様』ってのは、おそらく、この世界の神『センエース』……結婚してんのか、名前をもらっただけなのかは知らんけど、とにかく、何かしら深い関係ではあるんだろう……)

 センは、まだ残っている知性の部分をフル回転させて、

(で、この女の言動から察するに、俺の『顔』は、そいつに似ている。もし、この女に影響をあたえた『日常的にテンプレを使いこなしている日本人』が、この世界の神『センエース』だとしたら……)

 多角的に考えてみて、
 センは、


(パチモノなのは、そいつか……それとも俺か……)


 少しだけ悩んではみたものの、
 すぐに、

(無意味だな。この場で考えて答えが出る問題じゃねぇ……それよりも、今は、目の前の、こいつをどうにかする方法を考えねぇと……)

 集中しはじめるセン。
 解き放たれた感動から、
 少しフワフワしていたが、
 しかし、アダムという強敵を処理するために、
 脳が戦闘寄りにシフトしはじめる。

「……いくぜ、アダム……言っておくが、俺は強いぞ。自由になった俺は……さらに、高く飛ぶ!」

 そう言って飛び出したセンを、
 アダムは、

「さらに飛ぶ? 不思議だな。私の目には、最初から最後まで地を這っているようにしか見えないのだが?」

 冷めた顔でそう言いながら、
 手刀で、サクっとセンの首をはねていく。

 首を飛ばされたセンは、
 反射的に、『飛ばされた自分の首』を右手で掴み、
 そのまま、デュラハンのように、

「首を飛ばしたくらいでいい気になるなよ、クソアマ。自由になった俺は、この程度じゃ――」

「誰も、一手で終わるとは言っていない」

 そう言いながら、
 アダムは、


「――『オーラドール・アバターラ・スカーレット』――」


 分身系の魔法を使い、
 合計10人にまで増えると、

「「「「「「「「「「――連牙・神速閃拳――」」」」」」」」」

 完璧な連携の鬼畜なラッシュで、
 センをズタズタにしていく。

「この程度で、俺が――この程度――この――いや……あの……」

 センは、謎の『驚異的な生命力』で、
 アダムの猛攻に、なんとか耐えていたが、
 しかし、アダムの火力が、
 想像をあまりにも超えていたため、
 すぐに、

「ちょ、まっ――タイム、タァアアイムッ!!」

 全力で『待った』を要求する――ものの、
 しかし、アダムは、

「戦闘中にブレイクタイムをいかに確保するか、そこに頭を悩ませるのも、殺し合いの醍醐味。そうだろう?」

 そう言いながら、
 一切、休むことなく、
 センに攻撃を与え続ける。

 アダムのオーラドール・アバターラは、
 ハンパな分身ではなく、
 一体一体がキレッキレに仕上がっている。

 アホほど『磨き上げてきた』のが伝わってきた。
 神の右腕を名乗るために積み上げてきた『狂気の覚悟』がうかがえた。

 何もできず、ボッコボコにされるセン。
 力量差が、あまりに大きすぎた。

 アダムは強すぎる。

「ちょ、まっ……お前、強すぎるぞ! いくらなんでも、カンツたちと、違いすぎる! 反則だ! こんなもん、聞いていない!」

「ジャクリナたちのぬるい神闘と、私の神闘を一緒にするな。私は、主上様から直々に武の道を照らされている身。環境の差は、戦力の決定的な差」

「悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く