悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!
85話 コンティニュー。
85話 コンティニュー。
「お前は誰だ?」
センが、そう声をかけると、
その『優男』は、堂々と胸を張って、
「栄えあるゼノリカの天上、九華十傑の第十席、序列4位、ジャクリナ・ジストメナ」
その自己紹介を受けて、センは、
「……九華十傑ってのは、ゴリマッチョしかいない暑苦しさ全開の軍隊組織かと思っていたが、普通に、アイドルタイプの優男も在籍しているのか、ほむほむ、幅広いね」
「天上に在籍している者の体格は千差万別。ゴリゴリの体型じゃない者も、割合的には半分ぐらいいるよ」
「……お前の存在感から推測するに、その『ゼノリカの席を半分しめている優男たち』は、裏方の事務処理担当ってワケじゃなさそうだな……」
「力なき者は、ゼノリカに必要ないからね。実力があれば、体格なんかどうでもいい。完全能力主義。それがゼノリカ。第九席のカティ猊下なんかは、君よりも、一回り小柄で、少女と勘違いするような見た目と名前をしている生粋の『優男』。けれど、実力は折り紙つき。火力だけで言えば、カンツですら足元に及ばない」
「いいねぇ。俺好みの組織だ。『チャンス』だけは、誰もが平等に享受すべきだというのが俺の基本思考なんでね。努力しないヤツがどうなろうが知ったこっちゃないが、正しく努力して、正しく力をつけたヤツには、たとえ、どんな見た目をしていようと、相応のポジションを与えるべき。区別は必要だが、差別に用はねぇ」
全てを喰らい尽くす気まんまんのセンだが、
しかし、『根本となる思考のベクトル』が全て歪んだかというと、
そうではない部分も多分にある。
『どうしたいか』と『どう思っているか』は、
全く別物の話なのである。
「まあ、俺の思考形態なんざ、どうでもいいが」
そう言いながら、センは、軽く威嚇するように、首をぽきぽきと鳴らして、
「……それで? 俺と戦うのか? 言っておくが、お前ひとりじゃ、話にならないぞ。お前は、すさまじく強そうだが……カンツよりは弱い」
「そんなことは言われなくても分かっている。単純な戦闘力で言うと、私は、アクバートとカンツには勝てない。アストロギアが相手なら……まあ、ギリギリ勝てなくもないかな……」
などと言いながら、
ジャクリナは、天に向かって右手を高くかかげる。
「――ソリューション4――」
そう言いながら、
バチィンッッ!
と、豪快に指を鳴らす。
すると、
先ほどまで倒れこんでいた三人のオッサンが、
のそのそと立ち上がり、
「……がはは! 素の状態だと、まったく歯がたたなかったな! ワシもまだまだしょうもない! 無念、残念!」
「こういう『邪神系』が相手だと、なかなか人間のままでは厳しいものがあるねぇ」
「あのガキ……神の領域には至っていないと思うが……人の枠には収まっていないのは確かだな。ウチの息子のような天才性は感じないが、資質の点では似通っているところがなくもない。まあ、ウチの息子には、もちろん、勝てないわけだが」
それぞれ、センに対する感想を口にしつつ、
オーラと魔力を練り上げていく。
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