悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

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7話 哀しいサガ。


 7話 哀しいサガ。

「なんだ、『救済された気がする』って。いい加減にしろ。『気がする』で済むなら、苦労も努力もいらねぇんだよ! ふざけるな!」

「失礼な! どうやって僕がふざけているって証拠だよ!」

「ブロント語を使っている時点で、ふざけている以外のナニモノでもないのが、火を見るより確定的に明らかなんだよ! いい加減にしねぇと、俺の怒りが有頂天に達するぞ!」

「……乱発しているということは、君も、豪快にふざけているという認識でオケ?」

「これは、ただの哀しいサガだ! 『治らない貧乏ゆすり』みたいなもの! 気にするな!」

「注文の多いワガママな少年だなぁ」

 やれやれとため息をついてから、

「そもそも、人類の救済だなんて、そんな『答えが彷徨っている願い』を叶えられるわけがないじゃないか」

「お前が、『難しい願いを注文しろ』と言ってきたんだろうが! 俺が叶えてほしいのは、『クソ野郎の探索』! それ以外にない! 叶える気があるのなら、とっとと叶えやがれ! それすら出来ない無能に用はないから、とっとと消えろ! すぐでいいぞ!」

「願いごとをする側の態度じゃないなぁ」

「そっちも願いを叶える側の態度じゃねぇから対等だろうが!」

「元気いいなぁ。何かいいことでもあったのかい?」

「あったように見えるか?!」

「あははっ! 見えないねぇ!」

 大声で笑ってから、ニャルは、

「……さて、君とのおしゃべりは十分楽しんだし、そろそろ、マジの交渉をはじめようか」

 そう言いながら、センの目をジっと見つめて、





「――君の願いは『鬱エンドの回避方法を知りたい』でいいかな?」




 シレっと、大胆に、
 直球をぶちこんできたニャル。

 センは、さすがに、目を丸くして、

「……あんた、どこまでを『知って』いる?」

「大概のことは知っているさ。なんせ、僕は、最高位の邪神。知らぬことも、出来ぬことも、あんまりない!」

「そいつはすげぇ……尊敬するぜ」

 と、カラっぽの言葉を口にしてから、

「それで、神様。どうやったら、鬱エンドを回避できるんだ?」



「――『クトゥルフ・オメガバスティオン』を倒せば、ハッピーエンドを迎えることができるよ。やったね、センちゃん」



「……おもいのほかシンプルな攻略方法で、頭の悪い俺としては、非常に助かるところ。ただ、問題はそいつの居場所だ。首魁の名前だけ分かったところでクソの役にもたたねぇ。首魁の名前が『クトゥルフなんたら』だろうが、『存在X』だろうが、こっちとしては、大差ない。大事なのは居場所だ。いつだって、重要なのはそこだけ。――その『クトゥルフなんたら』は、どこにいる?」

「君が、オメガを倒せるほど強くなれたら、教えてあげるよ」

「……今の俺では倒せないと?」

「無理だね。オメガの強さはアウターゴッド級だ。今の君じゃあ、逆立ちしたって勝てない」

「逆立ち縛りの状態じゃあ、勝てる相手にも勝てねぇよ」

「たぶん、口で言っても分からないだろうから、ためしに、『アウターゴッド級』の強さを持った神格を出してあげるよ。実際に戦ってみて、アウターゴッドの高みをその身で感じとるといい」

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