悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!
2話 『テロリストが学校を占拠した時用の防災訓練マニュアル』
2話 『テロリストが学校を占拠した時用の防災訓練マニュアル』
センは、受け取った冊子を後ろにくばりつつ、
表紙をサっと確認していく。
(――『テロリストが学校を占拠した時用の防災訓練マニュアル』……この冊子のタイトルを読むだけで、この学校のイカれ方がハッキリと分かるな……)
・『テロリストを刺激しないこと。テロリストは例外なく頭がおかしいので、絶対に刺激してはいけません』
・『不意の事態に対し、パニックを起こすと大変危険ですので、日頃から【テロが起こるかもしれない】と思いながら生活しましょう。【起こらないだろう】とタカをくくらず、つねに、【テロられるかもしれない】と思いながら生活をすれば、ふいにマシンガンをつきつけられたとしても、冷静にことを運ぶことができます』
・『銃声がしたら、両手を頭の後ろにして、出来るだけ低い体勢をとること。すでに銃を突きつけられていて、【動いたら殺す】という警告を受けている場合は例外です。何があろうと、ピクリとも動いてはいけません』
・『決して一人で逃げようとはしないこと。背中から撃たれますし、率先して狙われます。倫理の問題もありますが、実質的な命の危険度も増すばかりです』
・『絶対に抵抗しないこと。ヒーローの真似事は自殺行為です。絶対にやめましょう。学校を占拠するタイプのテロの場合、人質の数には困らないため、【邪魔だ】と判断された場合、簡単に殺される可能性があります。【存在感】と【息】を殺して、救助がくるのをおとなしく待ちましょう』
・『泣いたり、グチをこぼしたりしてはいけません。気持ちは分かりますが、テロリストの神経を逆なでする行為です。また、嗜虐心が強いテロリストだった場合、【オモチャ】と認識されてしまい、危険に陥る可能性があります。救助がくるまでは、心を殺して、背景に溶け込みましょう』
・『携帯電話を手放すように要求された場合、迷わずに、所持している全ての携帯電話を差し出しましょう。決して【自分の携帯で助けを求めよう】などとは考えないように。学校を占拠するという派手なテロの場合、外部に隠し通すのは不可能です。わざわざ、あなたがリスクを冒さずとも、占拠された事実は、警察・政府・紅院家に、必ず伝わります』
――などと、つらつら書かれている注意事項を流し読みしてから、
センは心の中で、
(注意事項、多いな……てか、随分と分厚いけど……これ、何ページあるんだ…………32ページ……バカじゃねぇのか、この学校……)
『学校がテロられた時の対処方法』が、
小さい文字で、ビッシリと、
32ページにわたって記されているテロ対策マニュアル。
センは、その冊子をカバンの中へとゴミのように放り投げて、
アクビを一つかましていく。
そんなセンの様子を見た蓮手が、
「おいおい、セン。ちゃんと読み込んでおかないと、いざという時に困るぞ」
「心配するな。もし、テロリストが攻め込んできたら、俺が2秒で殲滅してやるから」
センは、受け取った冊子を後ろにくばりつつ、
表紙をサっと確認していく。
(――『テロリストが学校を占拠した時用の防災訓練マニュアル』……この冊子のタイトルを読むだけで、この学校のイカれ方がハッキリと分かるな……)
・『テロリストを刺激しないこと。テロリストは例外なく頭がおかしいので、絶対に刺激してはいけません』
・『不意の事態に対し、パニックを起こすと大変危険ですので、日頃から【テロが起こるかもしれない】と思いながら生活しましょう。【起こらないだろう】とタカをくくらず、つねに、【テロられるかもしれない】と思いながら生活をすれば、ふいにマシンガンをつきつけられたとしても、冷静にことを運ぶことができます』
・『銃声がしたら、両手を頭の後ろにして、出来るだけ低い体勢をとること。すでに銃を突きつけられていて、【動いたら殺す】という警告を受けている場合は例外です。何があろうと、ピクリとも動いてはいけません』
・『決して一人で逃げようとはしないこと。背中から撃たれますし、率先して狙われます。倫理の問題もありますが、実質的な命の危険度も増すばかりです』
・『絶対に抵抗しないこと。ヒーローの真似事は自殺行為です。絶対にやめましょう。学校を占拠するタイプのテロの場合、人質の数には困らないため、【邪魔だ】と判断された場合、簡単に殺される可能性があります。【存在感】と【息】を殺して、救助がくるのをおとなしく待ちましょう』
・『泣いたり、グチをこぼしたりしてはいけません。気持ちは分かりますが、テロリストの神経を逆なでする行為です。また、嗜虐心が強いテロリストだった場合、【オモチャ】と認識されてしまい、危険に陥る可能性があります。救助がくるまでは、心を殺して、背景に溶け込みましょう』
・『携帯電話を手放すように要求された場合、迷わずに、所持している全ての携帯電話を差し出しましょう。決して【自分の携帯で助けを求めよう】などとは考えないように。学校を占拠するという派手なテロの場合、外部に隠し通すのは不可能です。わざわざ、あなたがリスクを冒さずとも、占拠された事実は、警察・政府・紅院家に、必ず伝わります』
――などと、つらつら書かれている注意事項を流し読みしてから、
センは心の中で、
(注意事項、多いな……てか、随分と分厚いけど……これ、何ページあるんだ…………32ページ……バカじゃねぇのか、この学校……)
『学校がテロられた時の対処方法』が、
小さい文字で、ビッシリと、
32ページにわたって記されているテロ対策マニュアル。
センは、その冊子をカバンの中へとゴミのように放り投げて、
アクビを一つかましていく。
そんなセンの様子を見た蓮手が、
「おいおい、セン。ちゃんと読み込んでおかないと、いざという時に困るぞ」
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