悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

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72話 縛りプレイがしたいワケじゃない。

72話 縛りプレイがしたいワケじゃない。

「おそらく、『誰か』の『力』が『トレース』されている……」

「……?」

「もしくは、『インストール』されたか……それとも、寝ている間に『改造手術』を受けたか……なんによせ、努力で培った力じゃねぇ。だから、自慢なんか出来るわけねぇし、報酬を受け取りたくもない。ようするに、イヤなんだよ……俺的な意味での『ちゃんとしていない』のは」

センは、決して、ボランティアに傾倒しているというワケではない。
自分の中の『軸』がハッキリしているだけ。

もっと言えば、いつだって、
『自分の中の軸と心中する覚悟』が出来上がっているだけ。

「……努力で培った力じゃないものなんて、あんたの中に、他にもいっぱいあるでしょ。たとえば、今、あんたの『その目』が見えているのは、あんたの努力の結果? そうじゃないわよね? だけど、あんたの理屈でいうと、『目が見えていること』で『可能となる仕事』では『対価を受け取れない』ってことになるんじゃない?」

「なんにだって『線引き』ってのがある。目が見えること、両手両足があること、脳が正常に機能していること……全て、母親が『丈夫に産んでくれた結果』であり、当然、そのことに対して感謝しているが、そこは、あくまでも、『通常機能』の範囲内だ。『失えば、どデカいハンデになる』のは事実でも、一般的・普遍的には、『機能していること』が『デフォ』のシステム。俺は、あくまでも、『チートを与えられて喜ぶ気はない』と言っているだけで、『縛りプレイがしたい』ってワケじゃない」

「……あんたって……引くほど『めんどクサい男』ね」

「まれによく言われる」

と、そこで、茶柱が、


「なに、イチャついているのかにゃぁ。浮気は許さないにゃ」


と、むくれ顔で、センと紅院の間に割って入ってくる。

「先ほどの俺と紅院の会話をイチャついていると認識するのは、お前の『終わっている脳』だけであり、仮に俺が、紅院とイチャついていたとしても、俺は誰とも付き合っていないから、浮気にはならない。以上」

「ひどいにゃ! あんなことまでしておいて!」

「なんもしとらんがな、なんもしとらんがな。大事なことなので、三回言っておく。なんもしとらんがな」

そこで、茶柱は、
内ポケットから取り出したボイスレコーダーのスイッチを押す。


『俺は、お前の体をムチャクチャにするため、今日は、ここまで、はるばる、ホイホイやってきたんだ!』


夜の学校に響きわたる、センのボイス。
直後、茶柱は、両手で顔をおおって、

「ひどいにゃ! あんなことまでしておいて! 飽きたらポイだにゃんて!」

と、ゴリゴリに攻め込んでいく。

「おぉおいっっ!」

あまりの暴挙に、一瞬、フリーズしていたセンだが、
意識が戻ると同時、即座に、顔を真っ赤にして、

「いくらなんでも冗談が過ぎるだろ! ふざけんな、このクソ女! お前……ちょっ……マジの本気で、俺を、社会的に殺しにかかってきてんじゃねぇか!! エグいな、お前、ほんと、もぉお!」

          

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