悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

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48話 あの女、嫌いだわぁ。


48話 あの女、嫌いだわぁ。

「昨日の夜は、すごかったにゃぁ。あんなに熱い夜は、生まれて初めてだったにゃぁ」

などと、大声で喚くものだから、
クラス中が、全力でザワっとしていく。

茶柱の奇行事体は、
別段、珍しいものでもないのだが、
しかし、いくら頭がおかしい茶柱とはいえ、
『男子生徒に絡んでいくタイプ』の、
『シャレになりえないエキセントリック』を見せることは、
これまで、一度もなかったので、
クラス内のザワザワは、とどまることなく加熱していく。

「あの『顔面偏差値48』と茶柱が……え、ほんとうに?」
「いやいや、そんなわけ――」

などと、動揺が止まらない教室。
そんな喧噪を、
教室の後方を陣取っている彼女――
紅院美麗がブッタ切る。

勢いよく、バンッと、机をたたきながら立ち上がり、



「ツミカの奇行に反応するのは、ただのバカ! 以上!」



よく通る『ハリのある声』でそう叫ぶ。
直後、シーンとする教室。

これで空気が変わるかと思いきや、
しかし、茶柱は、続けて。

「ダーリンみたいな変態を好きになる女とか、他にいないと思うから、心配はしてないけど、一応、ちゃんと言っておくにゃ。この変態さんは、ツミカさんの所有物だから、狙っちゃだめだからにゃぁ」

その、ガチくさい発言を受けて、
クラスメイトたちは、
また、一様にザワザワっと騒ぎ出す。

そんな騒ぎを収束しようと、
トコが、

「ツミカ! ちょっと、こっちこい!」

そう言いながら、
茶柱を教室の前のドアから、外へと連れていき、

紅院が、

「閃壱番! あんたは、こっち!」

そう言いながら、教室の後ろのドアから、センを外へと連れていく。

その後、残された黒木が、

「気にしないでください、みなさん。さっきのアレは、いつものツミカさんのアレでしかないので」

と、クラス内の後処理を担う。











閃を連れ出して、
中庭まできた紅院が、

「なに? あれ、どういうこと?」

そう問いかけると、
センは、面倒くさそうな顔で、
頭をポリポリかきながら、

「今朝、怒らせたから、その腹いせだろ。とことん性根が腐っているな、あの女。きらいだわぁ」

「……怒らせた? 何をしたの? ていうか、昨晩は何があったの? 昨日の夜、ツミカに電話してみたけど、一向に出ないし、朝、電話した時は出たけど、なんか、変にテンションが高いだけで、何も教えてくれないし」

「あー、なんていうか、その……色々あって、あいつと、一緒にGOOを倒した」

「……えっと……え? どういうこと?」

「まあ、詳しいことは、あいつから聞いてくれ。あいつが言わないなら、俺も言う気はない。……みたいな感じの結構デリケートな問題だっていう、それだけの話だ」

「……」

紅院は、数秒黙ってから、

「一つだけ、聞いていい?」

「別にいいよ。聞くだけなら、いつでも、なんでも。……答えるかどうかは、また別問題だが」

「トコの呪いの事は……聞いているわよね?」

「ああ、聞いているよ。本人からも聞いたし、茶柱からも……軽く聞いた。それが?」

「その呪いが……昨夜、急に解けたらしいのだけど、なぜだか分かる?」

「……」

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