悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!
82話 すべてがズレていく。
82話 すべてがズレていく。
「意味のない命令に従う気はない」
「アホか、おどれぇ! 『受けた命令』に『意味があるかないか』を考える権利なんか、部下にはない! そんなワガママを許したら部隊を組む意味がないやろ! ちょっとは考えてから、モノ言えや、ぼけなすぅ!」
決して引かないという顔で、
「私の言動が、どうしても気に入らないというのであれば、迷わずに首をはねればいい。『武道の腕』だけで言えば、私は、あなたよりもはるかに強いが、携帯ドラゴンを使えば、あなた程度の腕前でも、あたしのクビくらい、一瞬で切り飛ばすことができるだろう」
そんなことを言われて、
トコは、苦い顔で黙り込む。
『決死の覚悟を決めている相手』とは話し合いが成立しない。
『命』を盾にされた状態では、どんな脅しも通じるわけがない。
そこで、カズナは、センを睨みつけ、
「……あの子は……『一美』は強かった」
消え入りそうな声で、
「心技体、すべてが充実していた。ただ強かっただけじゃない。誰よりも才能があって、努力を惜しまなくて……」
泣きそうな声で、
「そんなあの子が、『宇宙最強のハイテクオーパーツ』である『携帯ドラゴン』を使えば、当然、無敵だった……無敵だと……信じていた……」
ギリリと、時折、奥歯をかみしめながら、
「……グレートオールドワンは……『携帯ドラゴンと契約した一美』を殺せるほどの、とんでもないバケモノ……そんなGOOの中でも『最高峰の力を持つS級の怪物』を……『携帯ドラゴンを持たない者』が倒したと聞いて……いったい、どれほどの男なのかと思って見にきてみれば……なんだ、コイツは……ただのひねくれたクソガキじゃないか……」
吐き捨てるようにそう言うと、
トコに視線を戻し、
「トコ。あんたの本当の目的はなに? 『このカスを勧誘するため』……なんて、ワケのわからないウソをついてまで……あんた、いったい、何がしたいの?」
カズナは最初から、トコたちの報告を疑っていた。
疑っていた、というか、信じていなかった。
『どういう虚言?』としか思っていなかった。
それも当然の話。
『携帯ドラゴンと契約した紅院たち』が束になってかかっても、
『手も足もでなかったS級GOO』を、
『モブ感の強い男子高校生』が殺してしまった。
――そんなイカれた話を誰が信じるというのか。
「300人委員会に、何か不満でもあるの? いえ、そりゃ、まったく不満がないかって言えば、当然、何もないわけではないと思うけれど……こんな、奇妙な……というか、もはや、悪質といってもいい『バカみたいな嘘』までついて……いったい、なにをどうしたいの?」
その質問に対し、
トコは、
(めんどいなぁ……)
心底から、そう思っていた。
正直、自分たちの報告を、上の人間が信じるとは思っていなかった。
『常識的視点を持ち合わせているトコ』は、
だから、当然のように、空気を読んで、
報告書には、話を『逆盛り』する勢いで、かなり控えめに書いた。
「意味のない命令に従う気はない」
「アホか、おどれぇ! 『受けた命令』に『意味があるかないか』を考える権利なんか、部下にはない! そんなワガママを許したら部隊を組む意味がないやろ! ちょっとは考えてから、モノ言えや、ぼけなすぅ!」
決して引かないという顔で、
「私の言動が、どうしても気に入らないというのであれば、迷わずに首をはねればいい。『武道の腕』だけで言えば、私は、あなたよりもはるかに強いが、携帯ドラゴンを使えば、あなた程度の腕前でも、あたしのクビくらい、一瞬で切り飛ばすことができるだろう」
そんなことを言われて、
トコは、苦い顔で黙り込む。
『決死の覚悟を決めている相手』とは話し合いが成立しない。
『命』を盾にされた状態では、どんな脅しも通じるわけがない。
そこで、カズナは、センを睨みつけ、
「……あの子は……『一美』は強かった」
消え入りそうな声で、
「心技体、すべてが充実していた。ただ強かっただけじゃない。誰よりも才能があって、努力を惜しまなくて……」
泣きそうな声で、
「そんなあの子が、『宇宙最強のハイテクオーパーツ』である『携帯ドラゴン』を使えば、当然、無敵だった……無敵だと……信じていた……」
ギリリと、時折、奥歯をかみしめながら、
「……グレートオールドワンは……『携帯ドラゴンと契約した一美』を殺せるほどの、とんでもないバケモノ……そんなGOOの中でも『最高峰の力を持つS級の怪物』を……『携帯ドラゴンを持たない者』が倒したと聞いて……いったい、どれほどの男なのかと思って見にきてみれば……なんだ、コイツは……ただのひねくれたクソガキじゃないか……」
吐き捨てるようにそう言うと、
トコに視線を戻し、
「トコ。あんたの本当の目的はなに? 『このカスを勧誘するため』……なんて、ワケのわからないウソをついてまで……あんた、いったい、何がしたいの?」
カズナは最初から、トコたちの報告を疑っていた。
疑っていた、というか、信じていなかった。
『どういう虚言?』としか思っていなかった。
それも当然の話。
『携帯ドラゴンと契約した紅院たち』が束になってかかっても、
『手も足もでなかったS級GOO』を、
『モブ感の強い男子高校生』が殺してしまった。
――そんなイカれた話を誰が信じるというのか。
「300人委員会に、何か不満でもあるの? いえ、そりゃ、まったく不満がないかって言えば、当然、何もないわけではないと思うけれど……こんな、奇妙な……というか、もはや、悪質といってもいい『バカみたいな嘘』までついて……いったい、なにをどうしたいの?」
その質問に対し、
トコは、
(めんどいなぁ……)
心底から、そう思っていた。
正直、自分たちの報告を、上の人間が信じるとは思っていなかった。
『常識的視点を持ち合わせているトコ』は、
だから、当然のように、空気を読んで、
報告書には、話を『逆盛り』する勢いで、かなり控えめに書いた。
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